月の輪通信 日々の想い
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2004年12月31日(金) 雪の大晦日

ここ数日、バタバタと工房の間を行き来し、年末仕事をやっつけて過ごした。従業員の人たちが揃って年末休みに入ったあと、工房での梱包発送や大掃除は家族だけでの作業になる。
今年も年末ぎりぎりまでもつれ込んだ干支作品の制作はとうとう、大晦日の窯詰めにもつれ込み、最後の一窯は年を越して元旦の窯だしの羽目になった。義兄や義父は、今年も近隣のお世話になったおうちに干支の置物や香合などを手に、ご挨拶に出かけていく。
私と義母もまた、最後の包装作業にいそしむ。包む。結ぶ。包む。結ぶ。
例年通りの気ぜわしい年末の風景。

今年初めて、釉薬がけの作業の手伝いに入ったオニイ。
自宅の窓拭きや工房の庭の落ち葉かきに超人的な働きをしたアユコ。
洗濯干しや買い物の荷物持ちなど、オニイやアユコと張り合うように家事を手伝ってくれたゲン。
尻尾のようにアユコの後ろをついてまわり、お掃除の助手をけなげに務めたアプコ。
今年の年末、我が家の子ども達は実によく働いた。
ただの子どものお手伝いではなく、ちゃんと一人の働き手として、役に立つ場面が少しずつ増えていく。
子ども達の成長振りが嬉しい。

大晦日の今日は、最後までやり残した自宅の障子の張替えを頼もうか。
それとも総動員で、工房の玄関や教室の大掃除をしてもらおうか。
その日の作業を思い浮かべながら雨戸を開けたら、雨だった。
あちゃー、予定が狂ったなと思っていたら、雨は見る見るうちに雪になった。
あれよあれよという間に雪は本降り。
びしゃびしゃと水っぽい雪ながら、しっかり数センチ積もって、工房の周りは一面の雪景色になった。
雪やこんこんの犬のごとく、ぴゅーっと外へ駆け出していくアプコとゲン。
「窓拭きとか拭き掃除とかしてもらおうかと思ってたけど、ダメだなぁ。雪には勝てんわ。」
数年ぶりにちゃんと降り積もった雪に狂喜して、キャアキャアと駆け回る子ども達。荷造りの合間に窓の外を見ると、ゲンとアプコが二人してエッサホイサと大きな雪の玉を拵えている。年齢が近いだけに普段しょっちゅう小さな摩擦の多い二人が、本当に仲良くそそくさと土木作業に取り組んでいる様がかわいらしくて、笑ってしまう。
忙中閑あり・・・。

忙しい、忙しい。
今年は冬休みが長いのだから、前半の年末はしっかりおうちの仕事や工房の手伝いにこき使うからね。
母の勝手な命令にけなげに答えて、頑張ってくれた子ども達。
最終日に突然降って沸いた雪景色は、「よく頑張りました」の小休止。
「冷たいねぇ。」
真っ赤になった小さなアプコの手をそっと握って暖める。
いろいろあったけど、今年も何とか暮れていく。
明日の朝はまた新しい一年のまっさらな一日目。


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