月の輪通信 日々の想い
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2003年12月01日(月) 変身セット

12月になりました。

アプコはクリスマスにむけて、広告チラシのチェックに余念がありません。

今年はなんだかのアニメのヒロインの変身セットが欲しいのだそうです。

ペラペラのエプロンドレスがン千円。

多分春には新番組が出て、新しいヒロインに夢中になるだろうに・・・。

あほらしい。



この間、おじいちゃんに幼稚園児向けの付録つき雑誌を買ってもらったら、「セーラームーン変
身セット」がついていました。

かんむりやアクセサリーを組み立て、法事の時の折り詰め用の風呂敷きみたいなビニールを
かぶるとあら、不思議。

小さなセーラームーンの出来上がり。

はた目には、なんだか痛々しいようなみすぼらしいヒロインなんだけれど、夢見るアプコにとっ
ては魔法のドレス。

「写真撮って!」と父さんをひっぱってきて、ポーズを撮る。

うるうると輝く瞳で、しなを作る。

かわいいなぁ。

買っちゃおうかなぁ、変身セット・・・・。



「ふんふん、まだ子どもやな。」

通りすがりにオニイが偉そうに鼻を鳴らす。

「あー、そんなこと言ってていいのかな。」

オニイだって、アプコとおんなじ頃、雑誌の付録のナントカレンジャー変身セットを作ってもらっ
て、大喜びしてたじゃないの。

遊園地のヒーローショーだって、アンタが一番たくさん行った。

カーレンジャーと一緒にポーズを撮った写真がどこかにあったじゃないの。



古くは、風呂敷一枚、首に巻けば、誰もがパーマンになれたあのころ。

クルクル巻いた新聞紙の棒があれば、ライオン丸にもなれた。

母親のきれいなレースの下着を拝借すれば、イブニングドレスの貴婦人にもなれた。

子どもの旺盛な想像力とヒーロー、ヒロインへのあこがれが重なると、こんなに豊かなファンタ
ジーの世界が広がると言うことの不思議。

大人になって振り返ってみれば、恥じ入るばかりの変身願望も幼い子どもの時だけの特権と
思うと愛おしい。

我が家の最後のファンタジー世代、アプコの夢想を見守る家族の視線は暖かい。



「これだから末っ子には甘いと言われるんだ」と思いつつ、今年のサンタにはお姫様変身セット
をお願いしようかななんて思ったりして・・・


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