だらだら日記

2014年03月23日(日) デフテロスの凶星扱いのこと・2

昨日の日記でカノンの秘匿理由について不吉云々関係ないっしょと言ってますが、手代木さんが不吉云々の解釈をカノンの秘匿に与えて、そこからデフテロスの設定を作った可能性を否定するつもりはなくて。
ただ、その場合でも、カノン自体にケチがつけられたのであって、「双子座だから」「双子座に双子が選ばれたから」というのは理由にならないと思うんだよなあ……。というのも、その時々で不吉扱いされるならともかく、「双子座=不吉」とする認識が聖域内にあるならば双子座の聖闘士に対して一度は「兄弟いる?」と聞いちゃいそうじゃないですか。でもって実際にいようがいまいが「いないよ〜」と言わなきゃいけないじゃないですか。それはなんか非常に間の抜けた会話な気がしてしょうがないのです……。隠れる以前に隠れてない、っていう。
その認識がごくごく一部にのみ密かに伝わっているとして、LCを軸に考えると「ではどこに伝わっていた?」ということになるんですよね。最終的に聖域に残ったのはシオンとテネオだけという描写だったので。じわじわとテネオのように戻ってきた候補生なりなんなりがいたにしても、その中に双子座=不吉と考える人がいたというのは条件がニッチすぎる。スターヒルの文献に残っていた……という理由ならまだ有りかもしれませんが、それだとデフテロスが教皇にも隠されていたこと(ただしデフテロス認識)と矛盾してしまう。そもそも神託を与えたデルフォイの巫女たちはアスプロスのせいで全滅。
そんなわけで、デフテロスとカノンの秘匿の理由は別とするか、同じ理由であっても不吉のレッテルは個々にはられたと考える次第です。

ちなみに、原作だけを見れば、聖域内に双子座=不吉認識の解釈はそれはそれでありだと思います。私個人の解釈は異なるというだけで。
不吉認識が広く知られている場合、間抜けた会話が交わされる可能性はあるけれど、狭く知られているかもしれない。LCと違って、前聖戦がどういう結末だったか事細かには語られてないから、伝える人たちがいるかもしれないということで……。


デフテロス&アスプロス少年期
「人前に姿を見せるなとあれほど言っておいたろう」(153話54P)
「凶星の子は聖域から出してはならん。必ず隠し通さねばならんぞ」(デフテロス編1話)
共にアスプロスを指導する教官の台詞。デフテロスのことをいないものとして扱いたいけど、聖域の外に出してもいけないという面倒な状況が窺い知れます。
この「隠し通す」というのが、どこから何からというのがはっきりしない(汗)。153話でもデフテロス外伝1話でも教官と数人の候補生(または雑兵)がデフテロスを知っていることは描かれているのですが、彼らがなぜ知っていたかについてはよく分からない。つまり、この件についての最高責任者でてこーい……! かつて叫んだ「最初に凶星の卜を出した責任者、出てこーい!」についてはデルフォイの巫女だったという結論が出ましたが、以降のデフテロスの差別待遇についてはどこがしめてたのやら。
デフテロス認識で(略)なのでセージ様はデフテロスのことを知らなかったとするなら、黄金候補生のアスプロスをその候補から外させないために、任命権のある人達には知られないよう努められていたとも考えられる。実際には青年期にはデフテロスの存在は教皇にも知られ、その事実自体はアスプロスを黄金の座から追い落とすこともなければ教皇候補から外すこともなかったけれど、教官達がどう思っていたかは分からない。
デフテロスにマスクをつけさせることを鉄仮面的な意味合いで見るならば、顔を見れば悟られる貴人との関係を伏せるため、という理由が考えられるけれど、黄金候補生ってそんなにすごい存在なんだろうか……。いや、すごい人達だとは思うけれど、でもなあ……。
聖域の外に出してはいけないというのも、「凶星だから」というそのものの理由なのか、「凶星が聖域にいるという事実を隠すため」「アスプロスに凶星の弟がいることを隠すため」といった凶星という事実に付随してくる理由なのか分からない。

そもそも、「凶星とはなんぞや」という部分からよく分かってないんだよな……。「災いの星の下に生まれた」「邪悪さは隠せん」と言われているので、「凶星=邪悪」と教官に思われていたのだろうけど、実際のところデフテロスについては善性の方が強く描写されているから、どこが邪悪だと突っ込みたくなっちゃう(汗)。肌色だけで決め付けたのかよ、と。まあ、ペルセウスの盾を噛み砕いて使えなくさせたり、兄のためにデジェルを殺そうとしたヤンデレっぷりは邪悪といわれりゃ邪悪な気はしますが。
ユズリハ外伝では「凶星の兆し」が「魔星が降り立つ」という結果を表していたので、巫女たちの予言としては「双子のうち片方は魔星となる」というピンポイントな部分を指していた可能性もあるのかしら。108の魔星ではないけど、冥闘士になったのは事実だしな、兄さん。単に良からぬ存在いう意味としても、教皇を殺そうとしているんだから十分邪悪ですし……。
良くない結果を招くという意味での「凶星」であれば、そりゃデフテロスがいたせいでアスプロスはおかしくなったのだから、しっかり凶星してるけどさ……。でもデフテロスがいなかったら、あそこまで必死に聖闘士になろうともしてなかったとも思うんだよな……。
「双子のうち一人は凶星の下に生まれる」という神託と「最強の聖闘士となれる星座の下に生まれた」という神託が対の物で与えられたなら、一方が凶星だったら必ずもう一方が双子座になるという意味で取れる。もし、アスプロスが本当は凶星だったというのが事実ならば、デフテロスが本当は最強の双子座だったということになる。でも、実際にはどっちもアスプロスが担ってる感じ。「双子は最強の聖闘士になる」とまとめて予言され、「でも一方は凶星」という予言であれば、双子はどちらも双子座の聖闘士になっているので、アスプロスが凶星という事実があったとしても矛盾はしないのだけれども。
具体的な神託がどんなだったか見たいなあ……。サーシャの時のように、地図だけ渡されてるようなあんまりな内容でもないんだろうし。

結局、話を楽しむためには、「理不尽な理由で差別されていた弟を必死に守っていた兄がいた。だがその兄は変容してしまった」という部分だけ分かっていれば十分なので、外伝になっても子細語られるとは思えないし、そこまで必要な情報かと言われればちっともそんなことないしで、気にするだけ無駄だって分かっちゃいるんだけどさー!
でも、なんで凶星とされた方をとっとと殺しちゃうわけにはいかなかったのかとか、追放で済まして聖域と無縁の存在とすることで認められなかったのかとか、そうまで隠したいなら監禁じゃ駄目だったのかとか、あれこれ疑問があるから考えちゃうんだよ……!
聖域内部でも知ってる人が少ないデフテロスを、存在が分かっちゃってる牢に入れたらその時点で存在バレバレだから、テンマが入ってた牢が不可ってのは分かる。本当に教皇にも隠されてたなら、絶対あかん場所です、あそこ。でも、聖域を出てはいけないというゆる〜い軟禁状態で見つからないくらいには、隠れきることが出来るなら、人目につかない場所で監禁できる場所があったんじゃないかと考えちゃう(汗)。
隠したいだけなら、それこそ影道総帥のようにデフテロスだけ他所にやるとか、双子が生まれる前でも生まれてからでも母親ごと聖域を放逐するとかでもいい気がするし、その方がデフテロスにとってはかえって楽だったんじゃないかと思うけれど、あくまで聖域内に押し込めていたのは凶星を監視する必要があったということ?
あるいは、殺すわけにはいかなかったのかというのも、正直疑問なわけですよ……。本編描写によると、アスプロスが黄金候補生の自分を盾にして、デフテロスが死ぬなら自分も死ぬばりの脅しをかけてくるんで手を出しにくくなってますが、そこまでデフテロスの存在が許されないならもっと前段階で殺しておく方法はあったんじゃないかなあ、と。病の身を放っておかれるような消極的な死は避けられていないし、外伝で描かれている青年期を参考とすると、それなりの罪を犯せば処刑はOKの様子だから、死んでは駄目・殺しては駄目というわけでもないっぽい。
さすがに悪いお告げだけで命をとるわけにいかないということだったのかしら……。

ここにきて「話の都合」という現実が重くのしかかってくるわけですが、そうは言ってもやっぱり気になる。
だって、どの範囲で知られてて、どの範囲まで行動が許されていてってのは、デフテロスの衣食住に大きく関わってくるんだもんよ……。
アスプロスが双子座の聖闘士になった後なら、「住」については双児宮だと作中で明言されてるけど、修業時代はどうしてたんだろう。屋根のある場所にいることは許されてたのか、野宿だったのか。あとご飯と服。デフの分の配給はあったのか、アスプが自分の分を分けていたのか。
そういう、「まあ要らんだろ」と思われそうなことがすごく大事だったりするんだよう。アスプロスが食堂で「ちょっと多めにお願いします」とか言っては、余らせてデフのところに運んでいるのと、みんなの食事中に人目のつかないところでご飯を与えられているのとじゃ、全然違う。全っ然違う。私にとっては大事すぎることなので二回言います。全然違う。(三度目)


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