だらだら日記

2014年02月10日(月) LCシジフォス外伝最終話感想

兄弟対決かっこいいロストキャンバス外伝シジフォス編最終話「約束」感想。

レグルス好きとしてすごく好きな最終話だ、これ。
と同時に、何かどうしてももやもやした気持ちが拭えないのは、イリアスさんにとってレグルスは大事な息子である以前に獅子座の聖闘士候補でしかなかったのかという思いが生まれてしまったからだと思う。
パルティータさんやΩの沙織さんは、テンマや光牙について、本当であれば聖闘士ではない普通の少年として過ごさせたかったという思いを吐露している。何より原作の沙織さんも、本当は一人の少女でありたかったと言っている。だから、どうしても、生きる道を聖闘士としてのみに狭めさせるよりは、いくつかの選択肢の中で選ぶ道が聖闘士だった……という方が真っ当なんじゃないかと思えちゃうんだよ。最初から聖闘士にする気満々って、どうかと思えちゃう。ルゴニス先生だって、アルバちゃんには別の道を用意したというのに……。
で、本編だけ見ていると、必ずしもイリアスさんはレグルスを聖闘士にすること前提で育てていたわけでもなく見えるんだよね。そりゃ、超新星爆発とそれに付随して生まれる新しい星について語っている以上、次代の獅子座はレグルスだという頭はあったんだろうけど、死の寸前のあの時にそれを悟ったように見えていたから、今回の話で最初から自分と同等の能力を持つ戦士を作るために子を育てる環境を移していたと分かったのは、なんだかちょっとダメージ食らった。特に前回の話で、シジフォスが兄のことは全く無関係に自分の意思で聖闘士を目指したことが描かれてたから、余計にさ……。いや、実際には無関係じゃないんだけど、シジフォスにとっての動機ではあったのだけど、でも兄が聖闘士だから弟も聖闘士になりなさいなんて話じゃなかったじゃないですか。シジフォス自身がなりたいから聖闘士を目指してたじゃないですか。
聖闘士になりたいかどうかなんて関係なく、親がそのための環境を整えて息子が聖闘士にならざるをえなくしたのって、ある意味原作の城戸さんとこと同じなんだよな……。光政翁は本人が聖闘士だったわけじゃないし、自分と同じ能力を持つコピーを作ろうとしていたわけじゃないけど。母親から子供を引き剥がして孤児扱いにして、さらに孤児として自邸に引き取って、その彼らを外国に送り出すなんてやり方は、人道的にマジどうかと思うよ……! おじいさまを責めないでって沙織さんは言ってたけど、普通に怒れるやり方だと思うよ! 今のアニメなら放送できないよ!!(←当時から兄弟設定ありませんよ?)
良い話なんだよ。
今回の話って、シジフォス視点で見ればすごく良い話なんだよ。
イリアスさんの遺児がイリアスさんに代わってシジフォスとの約束を果たした話だから、悪い話のわけがないんだよ。
レグルス好きとしても、何かとレグルスについて触れてくれて、嬉しい話だったんだよ。
だけど、「私を作る」という言葉がなんだかすごく辛くて、辛くて。悪役を買って出てたイリアスさんが、その体裁を捨てた後の言葉だから、本心で言ってるんだということが辛くて。
あの台詞一つでダメージ食らうってことは、自分がそれだけレグルスに感情移入してるってことなんだ……という驚きもあったけど、考えてみたら当のレグルスはイリアスさんのやり方について不満や反抗心があるわけじゃないんだよね。だから、正確には私のこの気持ちって感情移入とも違う。シンパじゃない。保護者のような気持ちって言いたいとこだけど、仮にレグルスがイリアスさんとアルケスさんの子供とすれば、多分両者とものりのりでレグルスをイリアスさんと同等の能力者にする気だったろうから、保護者の気持ちでさえない。完全外野なのに、そんなんありかよー!とやきもきしてるっていうどうしようもない状態だ。辛い。
でもって、なんだかんだいってシジフォスは、レグルスに対して聖闘士になる意思があるかどうかは問うていただろうし、ラダマンティスによるイリアスさん殺害があろうがなかろうがレグルスはイリアスさんの能力を目指していただろうし、ひたすらこのやきもきは無駄に空回る気持ちでしかない。ないんだけど、でも、天王星の魔宮の時に食らったダメージ(子供は親の道具でしかないのか)を思い出す流れで、辛い。しかも、あの時はパルティータさんによるなんちゃって〜な種明かしがあったのに、こっちはないのが辛い。

まあ、そんなやきもきは私の勝手な都合ですよってことで、シジフォス外伝最終話感想行きます。
聖域出奔をそそのかすイリアスさんの言葉を聞いて、またぞろまやかしかと思っちゃうシジフォスの反応がすごく真っ当に見えました。二度あることは三度ある(笑)。
幻覚だと判断する前に、きちんと自分の考えで断りを入れるとこもいいなあと。ハスガード様やアスプロスと出会い、兄と同じ強さを求めることだけが自分の望みではないと知ったこと、疎んでいた聖域に向き合い聖域の仲間を思う気持ちから生まれた言葉で。シジフォスは、人の中にいてこそ強くなれる、自分をそう定めた。
一方のイリアスさんの言葉は、シジフォスを自分に攻撃させるよう仕向けるためのものも多かったけど、それでも大半は本音でもあったんだろうと思う。もちろん、「人は保護すべき存在か?」という疑問は反語であったろうし、「約束は自由を奪う」という言葉は後のシジフォスとの会話で実はないことが明かされている。でも、レグルスを自分と同じ能力・考え方の存在として育てるために人の世を離れた限り、人の世を雑音だらけと考えてることに違いはないんだろうなあ。
手代木さんの分家で、レグルスについて「人間の間で生きられたのは5年だけ」と表現されてたことがあったんですが、あれってほんとの本気でマジだったんだ。イリアスさんがなくなってからの孤独の5年だけじゃなく、父母とも揃ってた頃も父だけになった頃も、あえて人の世から遠ざけて育てられてたんだ……。
自分たちでは教えられない、人間に囲まれての生はシジフォスに託したということなんだろうけど……ちゃんとシジフォスが引き受けてくれることを分かってたからそんな育て方もできたんだろうけど、なんだかやっぱり辛いなあ。イリアスさんが不器用だったって、あれか、孤高じゃなくて奥手なコミュ障でちっとも森厳じゃなかったってだけなのか。人付き合い苦手でしたテヘペロ☆なのか。コミュ力は確かにシジフォスのほうが秀でてそうだな、うん。候補生になる前から友達いたし、なったらなったでハス様みたいな親友もいるし。アスプとも結局うまいことやってるし。

イリアスさんとシジフォスの戦闘シーン、全体的にかっこいいです。
でもなんかこう、イリアスさんの攻撃スタイルがネイチャー・ユーニティっぽい技だ。アルベリッヒが八つ目の感覚に目覚めているとは知らなかったわ。実際には、エピGアフロディーテと同じような小宇宙を具現化すると植物になる攻撃ってことなのかなあ……。アフロディーテが八つ目の略。
LC世界のエイトセンシズって、ひょっとしたら阿頼耶識に限らないのかなあ……。シジフォスの八感パンチも今回のイリアスさんの攻撃も、絶対八識関係ないだろ。シジフォスは、なんつうかセブンセンシズよりパワーアップできるって感じだし、イリアスさんのは集合精神っぽい描写で、シジフォス編1話感想で書いたように自分の感覚を他との感覚と合一とするような、自分の感覚にもう一つ外部の感覚を載せるような、そんな感じ。アスミタ編でのエイトセンシズは原作の八感のような冥界で自我と生を保つ感じのものだったけど。
とりあえず五感+思考の六感の他に、本来知覚できないものを知覚できる七感があり、八つ目の感覚を何とするかは人それぞれだったりするのがロスキャンなのかなあ……。

獅子の大鎌、レグルス独自の技かと思ってたけど、ちっともまったくそんなことなかったぜ……!
そりゃ、原作に登場する技じゃないけど、キャラ独自の技ってそれだけでポイント上がるのに、あくまで父譲りの技だったか。レグルスが独自開発した技って、全部が借り物のゾディアッククラメーションくらいなのね……。
聖衣の命を一部とはいえ傷つけるのは、無生物のシェリーの命を断ち切ったレグルスの獅子の大鎌と同様の効果だけども、攻撃モーションはレグルスよりイリアスさんのほうが動きがない分、逆にかっこよく見えました。必殺技感アップしてるっていうか。目にも留まらぬ早技っぽいというか。

イリアスさんの血を吐く姿が見えなければ、シジフォスの攻撃はもっと力強いものだったのかな……。どうにも、あの顔面パンチ食らわす瞬間、気が抜けちゃったように見えるんだよね。
「行かないでくれよ兄さん」の泣きじゃくりシジフォス可愛い。聖域を離れないで、という意味だけじゃなく、逝かないでという気持ちもあったんだろうなと思う。
シジフォスはイリアスさんの肺病を知っててハスガード様は知らなかったこと、ハス様の口からイリアスさんの死を聞かされていたのにレグルスを迎えにいく時に生存前提のような口ぶりだったのが不思議でならなかったのですが、解釈するなら、ハス様始めとする聖域には「英雄がいなくなったら士気が下がる」から病を伏せていて、レグルスを迎えに行く時のシジフォスはイリアスさんの生にギリギリ期待してたってことになるのかなあ。
とりあえず、レグルスを迎えにいけなかったのは、今回の話を見る分にはやっぱり、生存が不確定のレグルスのために聖域を手薄にするわけにいかなかったから、ということでいい気がする。

さて、今回アルケスさんの首飾りがイリアスさんに渡ったわけですが。
レグルスのオカンかどうかは確定しなかったやちくしょーい。
え、どうなの、これ。半分以上他にないだろうと思うけど、別に現地で奥さんと出会いましたと言われてもおかしくないぞ、この描写なら。
並んでシジフォスを見る姿はすげえ夫婦臭漂ってるけどな……。ご想像にお任せしますなのか、単行本で明かされるのか。

あと、神託の書が結局あんまり役に立ってない(笑)。
いや、ちゃんと役には立ってるよ。サーシャが見つかったからには、そのイタリアの地がアテナのいる場所だと聖域に伝えることはできたってことだし、なんだかんだとサーシャが孤児院に入る前から、シジフォスがその場所に様子見しにはいったみたいだし。でも、予言をもらったのがアテナ降誕前な上に、そうそう頻繁に調べに行くわけにもいかなかったのか、数年単位でサーシャ放置してたんだよね……。何年になったら行くといいよ!くらい具体的な予言だったら楽だったろうなあ。
で、本編読んでいると、神託の書の示すところはサーシャの居場所だと分かるけど、外伝だけ読んでるとレグルスの居場所を指すかのように見えるという。
実際、レグルスの回想でティピとインディアンが出る前は、レグルスがいたのってイタリアかと思ってたからなあ……。

最後の最後までシジフォスとハス様でサービスしてくれるなんて、手代木さんはシジハスクラスタに超親切。
この会話の数年前に、アスプー兄さんの嫌味発言があるのだから、アスプがいないのは自然なことなんだけどね……。
それにしても、ここのハス様とシジの表情可愛いなあ。特に、45ページ目の最後のコマのシジフォスすごくいい。
シジフォス外伝の〆が体操座りのレグルスだったらいいなあという希望も叶ってご機嫌です。あ、でも、いちばんの希望としてはそれがシジフォスの視点であることだったから、これだとまだ遠い地で一人待ってるレグルスの寂しい背中でしかないや。

こうして四話かけてシジフォスとイリアスさんの関係を描ききったところへ、次はデフテロス外伝ですよ……!
次がアスプロスだったら確実に二人分だったのにデフめ……!
シジフォスとデフは、どちらも弟の立場という関連があるので、外伝の流れとしては上手いなあと思います。アスプロスの外伝にも期待したいので、駄目元でアンケートに書いてみるさ。
次回のカラー、生存中アスプの色が見れることにも期待……! 3話のカラーは外注だから、アスプロスの髪色が実際手代木さんの中でどんなかは分かってないんだもんなあ。個人的には、アニメ版サガのようなカノンと同色の薄めの青色がいいんだよ。ハーデス編の色は私の中で死人カラーなんだよ……。

今月のページ数が46Pで、シジフォス外伝全体で見ると本文が182ページみたいなので、単行本の描き下ろしは3P+扉絵って感じかな? ハス様絵ありますように……!


今月の別チャンは、みつどもえのしんふた描写がいつも以上に可愛かったです。
ふたば、男子にチョコをあげるだけの女子力もあったのか……。
あと、少年Yの施川ユウキって、サナギちゃんとかってマンガの人? 全然感じ違うから分からなかったけど……。勘違いじゃなかったら衝撃の事実だ。確かに大発表。

サナギちゃんじゃなくてサナギさんでした。


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