小説集
2005年04月06日(水) :
ココロ ノ ヒメイ
マーティンの部屋の前で別れ、アルフレッド・ミラーは自分の部屋ーVHSOFs FORTH10の宿舎の一番奥 へと足を進めた
新隊員の歓迎会は夜遅くまで続き、切り上げた今は日付も変ってしまい、部屋で待っているデイヴは もう待ちつかれて寝てしまっただろう とゆっくりと廊下を歩いていく
デイヴは吸血鬼のくせに、人間と同じサイクルで生きているせいか お子ちゃまでもあるから、あまり夜更かしは出来ない
もし、求められて抱いたとしても次の日の遅くにしか起きてこない
――嫌ではないんだよな…
デイヴといるのは嫌じゃないし、デイブとなんら変わりなかった
違うかもしれないが、違う訳ではない
同じようだが、違う…
考えても仕方がないさ とため息をつき、ドアを空ける
「うっ!」
生臭い臭いが部屋から流れ出る
思ってもみないところから、ありえない臭いが流れ出て 流石のアルフレッドも声を漏らした
――デイヴは?
慌てて部屋へ飛び込み、灯りのスイッチを入れる
しばく状況が飲み込めなかった