てらさき雄介の日記
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2012年10月16日(火) 議案について討論を行う

本会議が開かれた。今議会に提案された補正予算他諸議案について、県議会民主党を代表して討論を行った。一字一句この通りではないが、以下がその概要である。

「民主党・かながわクラブ県議団を代表して、本定例会に提案された定県第61号議案、他諸議案に対し、賛成の立場から討論を行います。

 県営住宅でお暮しの方の中から、昨今不安の声をきくことがあります。神奈川県緊急財政対策本部調査会が打ち出した「県有施設の全廃」という文言。このことにより、自分たちの暮らす住宅がなくなってしまうのではないか、というご不安です。

 一定の所得基準で入居した方が多い県営住宅、まして昨今は高齢化も進み、他に行く先のない、ひとり暮らしの高齢者も増えています。もちろん県当局も、調査会の報告を、すべて鵜呑みにしているわけではないでしょうが、現にいくつかの県営住宅では、不安にかられた入居者が、署名活動などを行っております。

 更に、同様の不安の声は、県営住宅のみならず、各方面、各地域に広がっております。今議会に県民から出された、多くの陳情書が、そのことを物語っています。

 仮に、事実が的確に伝わっていないとするならば、果たして政策の打ち出し方に問題はなかったか。仮に誤解があったとするならば、誤解を解くべく機敏に対応したのか。改めて県当局はこれまでの経緯を検証すべきと指摘し、以下具体的に述べてまいります。

 最初に、これからの神奈川のあり方についてです。「県からの独立」を目指す、特別自治市構想骨子案が、横浜市より示されたことに対応して、先般、「神奈川州」構想が打ち出されました。

 道州制を考えるときの視点は、その人口や財政規模のみならず、本来の広域行政がどの範囲で行われるべきか、すなわち面積を検証することが重要です。その意味では、今回県が打ち出した「神奈川州」構想は、これまで県で研究が進められてきた「道州制」とは別のモノであり、充分に議論された内容とは、言い難いと考えます。

 今後、市町村、県民に説明し、詳細をつめていく、とのことでありますので、その動向を注視して参りたいと思いますが、その際は、「何故、県ではなく州なのか」ということ、そして、知事もお話しの通り「県民にとってどのようなメリットがあるか」について、器ではなく中身を提示することにより、ご意見を伺っていく必要があると考えます。

 次に地域防災計画・風水害対策計画の修正についてです。昨年の東日本大震災の教訓を踏まえて、「想定外」をなくすことが求められています。先日の台風による京浜急行の脱線事故は記憶に新しいところでありますが、昨今の地球温暖化の影響か、ゲリラ豪雨、竜巻など、今までの気象の常識では対応できない災害が多発しています。県として可能なあらゆる対応を、迅速に講じるべきです。

 次に、警察官の人件費についてです。緊急財政対策本部調査会の最終意見では、「法令等で職員定数が定められている警察官についても、県単独の上積み分については、その必要性を検証すべき」としています。しかし、本県の抱える治安状況や県民意識を踏まえると、警察関係費の削減は、あり得ない選択であると考えます。

 昨日、民主党・かながわクラブ県議団として、黒岩知事あて提出した「来年度に向けた予算・施策要望書」をお渡ししましたが、その中にある通り、警察官の増員を求めるものであります。

 次に警察費9月補正予算についてです。まず国際的にも注目のが集まっている、アフリカ開発会議の警備強化をはかり、無事に終えること、また、取り調べの録音・録画装置については適正に取り扱い、その効果を改めて検証する場面に備えて、得た情報などを日頃から、整理されるよう警察本部に求めるものであります。

 次に文化費・文化関係についてです。県はこれまで、神奈川フィルハーモニー管弦楽団を支援し、県民に、質の高い音楽鑑賞の機会を確保するすべく、努力してきたと承知しております。国内でも、オーケストラのほとんどが、補助金なしには、運営していけない状況となっていることをみても、県が一定の応援をすることは、否定するものではありません。

 しかし、神奈川フィルが自ら、広く県民に支持されるオーケストラとして、これまで以上の努力をすること基本となります。更に緊急財政対策のもと、医療・福祉に関する各種補助金にまで手をつけようとしている以上は、当然に、県としての、今後の応援のあり方についても、しっかり検証すべきであります。

 また、ブルーダル基金の目標達成が困難となった場合、神奈フィルがどのような姿で存続していけるのか。あらかじめ検討しておく必要があると、指摘しておきます。

 次に、影響評価条例、及び同施行規則の改正骨子案についてであります。時代の変化に対応しながらも、良好な環境を将来世代に引き継ぐべく、今後もしっかりとした制度運営が行われるべきです。

 一方で、市町村からは、独自の企業誘致の取り組みの中で、県に対する要望が、具体的に上がってきております。社会・経済状況の変化に対応し、「充実・強化するべきところ」「緩和すべきところ」をしっかりと見極めて、制度を柔軟に見直していくべきと考えます。

 次に、「衛生看護専門学校・改修工事設計費」についてです。神奈川県は、人口10万人あたりの看護職員数が、全国ワースト1であります。今回、県立の准看護学科を廃止することが、一層の看護師不足を招く事態は何としても避けねばならないというのが、我が会派のスタンスであります。

 これまで示されていた、今後の養成数では、あり方検討会も提言しているところの「県立看護師養成施設の定員増」について、具体的な数が、明記されておりませんでした。このことから、10月9日の予算委員会で、我が会派より「保健福祉大学など県立施設における定員増」を主張したところ、黒岩知事から「平成27年度から、全体で50名程度の増」と、具体的な数字が初めて明らかにされました。

 このことをもって、県としても、自ら養成数を増やす責任を果たしうると判断しました。尚、民間の准看護師養成機関への、今後の対応については、適宜、会派として、意見を申し上げていく決意であります。

 次に保健福祉局における本庁組織再編についてであります。現、県民局の一部と、保健福祉局の一部を統合する検討がされていると報告がありましたが、常任委員会の質疑では、介護と医療の分離による危惧に対して、明快なご答弁がいただけませんでした。神奈川における高齢化の進捗を考えても、介護と医療の分離については、疑問であります。再考すべきと考えます。

 次にさがみロボット産業特区についてです。今回の指定申請にあたり、さがみ縦貫道路、沿線9市2町は、指定後の更なる産業創出・雇用拡大・税収増等々、様々な面で大きな期待をしております。特区に指定される事は、あくまで手段であり、目的ではありません。指定された後の構想をしっかり念頭に置き、沿線市町はもとより、本県発展の為に、これまで以上に力を注いでいくべきです。

 次に公立高等学校入学定員の拡大と、生徒・保護者への経済的支援についてです。経済的理由で高校進学をあきらめる生徒が、1人として出ないように、各種支援制度の周知徹底など。県の役割を果たしていくべきです。

 また、公立高校の定員拡大については、これまで我が会派が主張してきたところですが、今回、いわゆる公私間協議において、これまでの「6対4」で定員を縛ることが見直され、公私双方から定員が「実数」で示されました。画期的なことであります。引き続き、更なる公立高校の定員拡大を実現すべきです。

 最後にいじめ問題への対応についてです。現在の学校は、残念ながら、いじめについて、その発見と対応に鈍さがあると考えます。いじめられている子どものSOSを、早く受け止められるよう、メールによる相談を受け付けることを含め、体制を充実させなければなりません。

 また、昨今の深刻化に伴い、いじめ問題には、一定警察の対応も求められるようになりました。犯罪行為にあたる悪質なものや、学校がくりかえし指導しても、いじめが解消されないケースは、警察が積極的に介入することで、いじめの早期解消や未然防止が図られると考えます。
 
 以上、意見・要望を申し上げながら、定県第61号議案、他諸議案に対する討論といたします。ご清聴ありがとうございました。」

●今日一日

【午前】
討論作成/県庁
県議会民主党役員会/同

【午後】
県議会民主党全体会議/同
本会議(討論及び採決)/同
県議会民主党部会長会議/同
次回代表・一般質問打合せ/同
会派内プロジェクトチーム会議/同

【夜】
超党派‘同期’議員の懇談会/横浜市中区


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