てらさき雄介の日記
DiaryINDEX|past|will
2007年02月25日(日) |
真の問題発言、文科相 |
閣僚などの発言が多く話題になった。本当に問題だったものもあれば、そうでなく党利党略に利用されたものも。だからこの日記でも、特に論評はしてこなかった。
しかし今日の発言は違う。許し難い。文科相だ。この種の考え方に基づく人が、国内で教育を担当しかつ世界に出ていくことが、同じ日本人として恥ずかしい。
以下ネットニュースの記事から引用する。
伊吹文部科学相は25日、長崎県長与町で開かれた自民党長与支部大会で、「大和民族が日本の国を統治してきたことは歴史的に間違いない事実。極めて同質的な国」と発言した。「教育再生の現状と展望」と題して約600人を前に講演し、昨年12月に改正された教育基本法に触れて「悠久の歴史の中で、日本は日本人がずっと治めてきた」とも語った。
同法の前文に「公共の精神を尊び」という文言が加わったことについては、「日本がこれまで個人の立場を重視しすぎたため」と説明。人権をバターに例えて「栄養がある大切な食べ物だが、食べ過ぎれば日本社会は『人権メタボリック症候群』になる」と述べた。
前段の文章。まず事実認識が違う。大臣の言う“大和民族"とは何か。初期の大和朝廷を形成していたメンバーでも、部族や出身は様々だったしその中には朝鮮半島出身者もいた。
“大和民族"以外とは、アイヌのことを言っているのだろうか。そもそも民族という言葉の定義も違うと思うし、“大和民族"とは何であるかを明確にしないまま、安易にその言葉を使うべきではない。
後段の文章。言わんとしていることはわかる。最近流に言えば、「個」と「公」の関係についてだろう。今の日本が大臣の言うように、本当に「個」を大切にしているかは別にして、人権問題とは「個」よりも「公」の問題と認識すべきだ。
特に国家や政治においては、公共を維持する上でこそ人権意識が重要なのであって、それを「個」の問題に分類すること自体、社会全体の見方を大臣は間違っている。
先般の厚生労働大臣の発言も確かに問題だ。しかし日本は男性より女性が多いのだから、結果大きなしっぺ返しを受けることで罰になるだろう。
しかし今回の発言は、大臣の定義によると、多数から少数に向けられたもの。それで傷つく人がいても、アピールすることが困難だ。だからこそ問題なのだ。
日本の歴史を語るならば、“単一”であったことを誇るのではなく、様々な民族が共に国を創ったことを誇ってほしい。それが歴史の真実なのだから。
|