てらさき雄介の日記
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橋本駅近くをまわっていたら、通りで子どもが泣いている。年齢は3〜4歳。男の子。「お母さーん。」と言いながら。いかにも迷子系だ。
多くの人がそばを通っているのに、誰も声をかけない。不思議な光景だ。実は急いでいたので、誰か他の人がと思ったのだが、その有様なので私が少年に声をかける。すると少年は怪訝な表情をするでもなく、素直に会話に応じてくれる。
現在地の隣にある、外国人指導の英会話教室に通っているらしく、お母さんが前まで車で送ってくれたとのこと。しかし教室に行ってみると、やっていなかったらしい。外に出ると母さんはもういない。いつもこの時間で買い物に行くそうだ。
泣きながらだったので、以上を聞くのに十数分かかった。しかしなかなか出来た子だ。この程度で泣いていたのは戴けないが、だんだんと落ち着いてくると丁寧な言葉で話す。名前を聞くと「○○△△です。」とフルネームに‘です。’を付ける。
さて念のため英会話教室を覗いてみると、確かに電気が消えていて人の気配もない。母親に電話しようと思い、少年に電話番号を聞くが、携帯も自宅も知らないという。これ位は教えておいた方がいい。
警察に連れてく話しでもないので、お母さんが戻ってくるまで一緒に待っているしかないと、同行の友人に話そうと思ったその時、ハッとひらめいた。
その英会話教室の看板には、しっかり電話番号が書いてある。この教室は休みでも、どこかに繋がる可能性はあるし、お母さんの連絡先がわかるかもしれない。
電話してみると、しっかり英語で出る。こちらが下手な英語で気を使うのも嫌なので、「日本語出来る人お願いします。」と言うと、「ショウショウお待ちクダサイ。」その後電話に出た日本人と話しをしていると、その英会話教室の教師らしき外国人が外に出てきた。
部屋を空けて準備をするのが、少し遅れていたらしい。教室は今日も開かれるとのこと。
少年は外国人と一緒に、教室に入っていった。私も急いでいたので、すぐにその場から去ったが、かわいい子だったので別れの挨拶くらいすれば良かった。
さてこの少年は、家に帰って私のことを何というだろう。多感な少年だから、他多くのことにかき消され、この程度のこと覚えていないかもしれない。またひょっとしたらお母さんに曲解され、変質者になっているかもしれない。
そう言えば、子どもの登下校の安全ボランティアをしている人の話だ。「こんにちは。」と声をかけると、子どもから返事がない。「返事しなさい。」と言うと、「知らない人と話してはいけないと言われている。」とのこと。
でも泣いている子どもがいたら、とりあえず声をかけた方がいいだろう。何てことない出来事だが、今日一日のなかでは一番印象深い。
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