てらさき雄介の日記
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2006年02月19日(日) 城山町長解職決定

何度か城山町長の解職請求について意見を書いた。本日投票が行われ、先程結果が出た。この話に詳しい方から速報をもらい「解職決定」とのこと。

この日記は相模原市近隣以外の方も見て頂いているので、少し経過を書きたい。

相模原市と津久井4町(城山町・津久井町・相模湖町・藤野町)との合併は数年前に4町長が相模原市長に対して、「合併を検討してほしい」と話たことから始まっている。水面下では色々あったようだが、相模原市の公式見解はこうだ。

この時点で城山町長だった方は、今の町長とは違う。その後城山町長選挙が行われ、現在の小林町長になった。選挙で小林さんが選ばれた理由については、ひとつは十分な議論を経ていない合併請求に異論があったこともあるが、一方でその時点での町ぐるみの汚職スキャンダルが大きく響いたのが実態だ。

小林さんの町長選挙での公約も、「合併反対」ではなく、「合併には住民投票を」だった。民意が合併にあることは、合併反対の小林さん自身も理解していたのだ。現にどのアンケートなどを見ても、城山町民は合併賛成の人の方が多い。城山・相模原だけで合併したいという意見すら散見された。

小林さんは町長になった後、公約である住民投票を実施しなかった。この理由を客観的に見れば、小林さんはやはり合併には反対で、かつ町民の多くが合併を望んでいることから、仮に住民投票をすれば“民意”によって合併に追い込まれるという小林町長の深謀遠慮があったのだ。

今回解職請求した側もそう言っている。一応小林町長側の見解も紹介すると、合併ありきではなく、町単独での経営ビジョンを示してから住民投票しないと、公平ではないとも言う。

さて町長解職請求とは非常に手間がかかる。まず町民(20歳以上の有権者に限定される)の三分の一以上の署名が必要だ。その上で今日行われた「解職請求選挙」をし、結果過半数の賛成で解職される。

今日解職された理由はたった一つ、合併に賛成の町民が多かったということだ。ここに至っては町内の対立を子かめるよりも、どう効果のある合併になるかに議論を移した方がいい。

さて話は戻るが、住民投票をしないことが解職請求の理由になったとの判断で、小林町長は解職請求の署名集めと時期を同じくし、「合併の是非を問う住民投票」を行う決断をした。これが来週投票になる。しかし時すでに遅し、今日町長は解職になった。

それでも来週には住民投票が行われる。投票率が50%を割らない限り、つまり投票が有効になる限りは、恐らく合併に賛成の結果が出るのだろう。

さて町長が解職された以上、公職選挙法の規定に基づいて50日以内に新しい町長を決める町長選挙も実施される。その時点では合併についての町民の意思は出ているわけだから、争点は当然別のテーマになる。

合併で解職された町長の選挙が、合併を争点にしないことになる。わかり難いことだ。そしてこういう一連の経過もすべて税金を使って行われたいることから、経費の無駄使いという指摘も少なくない。

しかしながら何度も書いていることだが、相模原市にはいまだ合併するんだという実感が希薄だ。これだけ熱く議論をしているのは、皆吸収される側だという現実も忘れてはならない。

今日「相模原市・津久井町・相模湖町合併記念式典」の案内が来ていた。3月20日に市民会館大ホールで行われる。合併協議会の分科会に公募で参加していたから頂いたようだ。

日本の地方自治は、過去よりも将来においてその骨格が造られることを考えると、今回城山町がした経験は新しい相模原市の財産になるはずだ。





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