てらさき雄介の日記
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「GNP1%枠」というものがあった。
防衛費のGNP対比のことである。
金額そのものと、国内の軍需依存を制限する意味で、毎年予算編成のときに使われていた。
中曽根内閣のある時、1%を初めて突破し、その後年月とともに話題にすらならなくなった。
今果たして何%なのかは、ネット検索では出てこない。後日自分で計算してみることとする。
映画「ロード・オブ・ウォー」は武器商人が主人公だ。演じているのはニコラス・ケイジである。
最後“些細なミス”で国際警察に捕まるが、他ならぬアメリカ合衆国の圧力で釈放される。
刑事に向かってニコラス・ケイジが言う。
「最大の武器商人は、アメリカ合衆国大統領だ。」
最後のエンディングでも、いまだに多額の武器輸出を続ける5大国(=国連安保理事国)を批判している。
アメリカという国の面白さは、この種の映画が流行るところだ。
バランス感覚なのか、あるいは映画産業が軍事産業を超えているのか。確かに映画としても見ごたえがあった。
戦争を失くすには、戦争によって利益を得る者を失くさなくてはならない。それはすなわち、アメリカなどの軍需に依存する産業構造を変えるしかない。
皮肉な言い回しだが、そのために同盟国日本が出ることは多くある。まあ現在の政府は、そんなことを考えてもいないだろうが。
GNP1%比の話に戻す。
日本政治の無原則は、ここにも現れている。もちろん1%云々は、政府が言っていたことではない。
しかし日本としての確固たる基準であったことも事実だ。1%を突破するならば、それなりの手続きと説明をするのが民主主義ではないか。
そして憲法に言う「不断の努力」は、国民にも欠けている。主権者が政府を監視することは、長期にわたる地道な作業であることを忘れてはならない。
小泉劇場によって、ある種の関心が政治に向いているのは歓迎すべきことだ。
しかしそれが流行り廃りであってはならない。
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