てらさき雄介の日記
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2004年03月05日(金) 防衛庁の防衛「省」昇格には疑問あり

自民党の安倍幹事長が、防衛庁の「省」への昇格を、政治スケジュールにのせることに前向きな発言をしました。そもそも自民党の総選挙の公約に盛り込まれていたことですから、当然と言えば当然です。民主党にも同意見の方は多くいます。

私は自衛隊募集相談員会という会に地元相模原で所属しています。入会している理由は、自衛官の皆さんと接する機会が欲しいことと、新たに国防の任務に就く自分より若い皆さんを激励したいという気持ちからです。また現状の自衛隊に関する情報をもっと市民に伝えたいとの思いもあります。

現状の国防の姿は非常にいびつです。世界第二位の国防予算を使う軍隊でありながら、「軍隊ではありません」という趣旨の発言を政府がしているのです。現状を率直に認め、議論していく姿勢が必要です。シビリアンコントロールの原則をよりはっきりさせつつも、もっと自衛官は社会に出ていくべきだと思います。

さて以上のように国防と自衛隊に深い理解(?)を持ちながらも、防衛省構想には以前から疑問を持っていました。「省」にすべきという意見の多くは、理論的根拠が乏しいと思われます。推察するに、現状の自衛隊に対する理解のなさや国防意識のなさを、防衛省誕生によって感情的に解消することが目的かもしれません。中身ではなく、カタチや象徴に頼ることは政治がとる手法ではありません。

戦前の反省を活かしもっと冷静な議論をすべきです。防衛省にすべきという方は何故それが必要かということを、感情ではなく理論によって提示すべきです。


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