てらさき雄介の日記
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2004年02月13日(金) |
司馬遼太郎「翔ぶが如く」 |
風呂の中でゆっくりつかるために本を読んでいますが、ついに同書も5巻になりました。山場の一つである「征台の役」の記述です。明治七年に日本は台湾島へ出兵いたしますが、本の読みどころは大久保利通がその解決のために北京に行き、台湾の保護国である清と談判するところです。結果大久保は、台湾へ軍を動かした経費の一部を清国に持たせるという成果を上げます。
さて、このように書くと「征台の役」を評価しているように聞こえるかもしれませんが、それはまた別問題です。歴史小説は事実を元にして書いていますし、特に司馬遼太郎は当時の人々の日記などを詳細に参考にしていますが、あくまで1世紀以上も前のことです。想像に基づくフィクションと考えたほうが良いと思われます。
そのようにわりきって読んでいたほうが面白いし、また現代と比較して参考になる点もあります。大久保利通は数十年先の日本のビジョンを持ち、そもための戦略を持ち、そして具体的に実行していました。目先にばかりこだわる現状の政治は反省点が多いと思います。
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