Title...ハッピィ*デイズ By...あみ      
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旅記38〜甘粛省・敦煌編〜「夕日の砂漠・月の砂漠を遥々と」
2004年10月14日(木)
旅記38〜甘粛省・敦煌編〜「夕日の砂漠・月の砂漠を遥々と」

8/23。朝のバスは諦めて(起きれなかったのね)砂漠行くか、と。
夕日と月が見たかったので、夕方までなんとか時間つぶし。
女の子二人組みは一人が体調を崩してしまい、一日出発延長してた。
情報ノート見て情報収集でもするかな、と思いインインカフェへ。
敦煌は「インインカフェ」と「隋さんの中華料理屋」の二つが有名。
情報ノートやガイドブックもあって、日本人パッカーがよくいる。
しばらくしたらドミの同じ部屋の子がたまたま来たので、一緒に昼ごはん。
二人出会って、一人は隣のベッドの男の子なんだけど
中国に来たとたん上海で一式盗まれたという可哀想な子。
しかも中国語が出来ないしどうしたらいいかも分かんなくて、
上海から敦煌まで旅をしてきてやっとのことで昨日公安に行ったんだとか。
ギター持ち歩いてたからギター君と命名。間抜けだけどいい子だったな。
インインカフェが大好きで、日本語ペラペラなインインさんと仲良くなってた。
さて、肝心の昼ご飯はこの辺でよく見かける鶏ガラスープの麺。
地元民がオススメしてくれた小さいながらも隠れた名店なのだ。
シンプルながらも深みがあるというか、なかなかの味だった!

敦煌の街自体は本当に小さくて、昨日歩いてまわりきってしまった。
ウルムチさんが「ドラえもんの映画版漫画&VCDセットを毎日見れば
中国語はかなり上達するよ」って言ってたから本気で探したのに、
漫画はあってもVCDが無い店ばかりで、何件もまわったのに無かった。
日本の漫画は結構こっちでもあるんだけど、小さいのもあるし
1ページに4ページ分載ってる大きめの漫画がセットで売ってる事が多い。
だからドラゴンボールなんて「全八巻セット」で売ってたりする(笑)
そういう箱に入った漫画はおまけにVCDがついてたりする。お得っぽい。
旅の暇つぶし用にドラえもん一冊買ったんだけど、日常会話が多いね。
一番よく出てくるのが「太過分了(やりすぎだよ)」なるほど。

いろんな場所に行く度に博物館チェックしてる、微妙な博物館好き。
敦煌でも暇だし行ってみたんだけど、ぼ、ぼろすぎる・・・。
ラサのあの新しい博物館とは大違い。本当にぼろかった。
シルクロードの流れや敦煌の歴史や出土が分かりやすかったけどね。
入ってすぐ、日本人観光客数人と日本語ガイドさんがいたので
さりげなくついていって説明を聞く。説明あった方が分かりやすいし。
中国人なんだけど、駱駝を引っ張ってる像の姿を見て
「コレ何してるように見エマスカ〜?」
「私はカラオケしてるように見エマス、あっはは」
なんていう笑いのセンスがあるのかないのか分かんない人(笑)
そんな感じの、意味の分からない説明もたくさん取りまぜ
楽しそうにガイドしてました。おじさんやおばさんは笑ってたが。
見終わって最後に高価な壺やタンスがある部屋に入っていった、
何かと思ったら商売してるし!おいおい、博物館なのに。
一つ3万円の皿や壺があって、でもなんといってもメインはこれ!
棚とその中の壺や皿、その上日本までの送料保険代含めて10万円!
説明を聞いてるうちに、お買い得だと思ってきたからいかんいかん。
博物館もぼろいし、修理費用がいるんだって。ああ切実な・・・。
おじさんおばさん方も「置き場所が無いからなぁ」と悩んでる様子。
結局買わなかったみたい。一回のお土産屋で本の立ち読み。
中国語・英語・日本語の三ヶ国語注釈の本が多くて、さすが敦煌。
やっぱり日本人かなり多いんだろうなーと思うのでした。

宿に帰るとギター君もいた。せっかくなのでギター聞かせてもらう。
うぉー上手い!ヘタレだった今迄のイメージ一新して見直した!(失礼)
大理でタイで歌手デビューしてる人に出会ってよく歌を聞いてた。
その人には悪いけど、ギター君の歌の方が胸にグッときたなぁ。
列車などで弾いてって言われたときのため、中国人うけする曲を聞かれる。
やっぱり一番は「北国の春」か(笑)
しかし古い曲だからか、この歌を知ってる日本人がいない。
仕方ないから「長い間」「未来へ」「島唄」などをお勧めしておく。
何回か試したら、自分でコード書いてすぐ歌えるのがすごいよね。
彼も夕方に自転車で砂漠へ行って「月の砂漠」を歌うらしい。情緒あるねぇ。

時間つぶしもしたし、夕方ごろそろそろ砂漠・鳴沙山に出発!
ここも西の方だから日の入りが8時頃で、比較的遅いんだよね。
砂漠なのに入場料がいるので、自転車で裏からまわろうとも思ったけど
最近はそれも見つかるらしく、真面目に表から入ることに決めた。
中に入ると人が結構多い。ラクダや汽車みたいなのに乗ってる人が多いけど
とりあえず歩いて月牙泉を目指す。歩いてるのはなぜか一人だし。
だんだん見えてきた。緑が多くなって、オアシスの泉があることが分かる。
月牙泉の周りにはたくさんの人がいて、すごく楽しそうな様子。
砂滑りやパラグライダー(めちゃめちゃやりたい!)で遊ぶ人の姿も。
月牙泉は三日月の形をした泉らしく、傍に小さいながらお寺も建ってる。
お寺出るとき日本人らしきカップルがいて、微妙に日本語が聞こえてきた。
女の子一人で来てるなんて、なんたらかんたらって言ってみたいだけど。
ええい、砂漠に女の子一人で来ちゃ悪いか!
確かに周りはどこも家族やグループばっかりだったけどさぁ。

さて、砂漠の砂山に上ってみることにしよう!
向こうの方に梯子があったんだけど、月牙泉を上から見たかったから
何も無い月牙泉そばの砂山を登っていく。近くにも何人かそんな人達が。
後から聞いた話、その梯子を使うのには5元払わないといけないらしい。
入場料も高いのに、どこまで商売する気なんだ。プンプン。
登るのはすんごい大変で、本当すっごい体力を使ったね。死にそう。
砂の中に足をとられてなかなか進まないし、すぐに滑り下りちゃうし。
五歩進んでは座って五分休憩、そんなのろのろペースだった。
同じくらいに登り始めた周りの人達に負けられないと思ったけど、
すごいクタクタでついていくのが必死。ギリギリついていった感じ。
一生懸命足を踏み出すのに、何歩歩いても滑り下りちゃうから進まない。
やっとのことで頂上に辿り着いたときは、もう感無量の状態。
何時間かかったんだろうって感じで登った気がする。桃をかじって一息。
下を見下ろすと人が小さく見える。敦煌の街も見渡せて気分がいい。

奥のほうに行くとずっと砂漠が続いてて、一人駆け回ってた。
砂漠というと、内モンゴルでの砂嵐という悲しい思い出があるけど。
今回は全然そんなこともなく、静かですごい楽しかった。
風が無いから地面にデジカメ置いて、オート機能をセットしたらダッシュ!
そしたら広い砂漠にぽつんと佇む写真が撮れた。うん、いい感じ。
その後もすんごいテンションではしゃぎまわって遊んでた。
一番楽しかったのは「一人ナスカの地上絵」
広い広い砂漠に、ナスカの地上絵くらい大きな絵や文字を書いてみるの。
空の上や丘の上からだったら綺麗に見えるんじゃないかってくらい大きいの。
「あみ」「大スキ」なんていう文字系から、ぐるぐる渦巻きや延々足跡も。
いつの間にか靴を脱いでて、砂の温度や感触がサラサラで気持ちいい。
足で一生懸命文字や絵を描いて、息があがるくらい駆け回ってるし。
砂丘の上にいた人から見たら、なんてアホな事してるんだろうなって思う(笑)
それでも楽しくてしょうがなくて、もっと早く来てもよかったなって。
他にも「一人影絵ゲーム」なんていう遊びもしてた。
砂の上にラクダ書いて、その上に自分の影をあわせて写真撮ったり。

だんだん日が暮れてきたので、もっと上の方に登って夕日を眺める。
近くにいたおじさんに「さっき一人で何やってたんだ、あっははー」
なんて話しかけられて、雑談してたり。でも急に砂嵐っぽくなってきて
うわーーって身を丸める。目もあけてられず、砂をすごい被る。
しばらくして立ちあがったら、立った方が砂を被らないことに気づく。
砂嵐も数分で止んで、もっと奥の人がいない場所へと向かっていく。
ここは人が全くいなくて喧騒も聞こえない、下からも見えないし。
ぽつんと座り込んで、ゆっくりと夕日が沈むのを眺めてた。
周りに人がいないことをいいことに、歌を歌ってみたりいい気分。
くっきり分かれた影がどんどんと移動していくのがおもしろい。
砂の色と空の色も移り変わっていって、夕日が空いっぱいに広がって。
この日の夕日はすっごい綺麗だった。空が真っ赤に染まってるの。
暗くなってきてもまだ座ってた。少しずつ星が見えてくる。
肝心の月がなかなか見えなくて、長い間粘って砂漠にいた。
少し風が冷たくなってくる。でも、砂の中に潜った足は温かい。

どんどん人も少なくなってきた中、砂山を必死に登ってくる家族がいた。
こんな真っ暗な中、今から何しに来たんだろう?って思ったけど。
私と同じように登るのに苦労してて、子供なんか泣き出してるし。
頑張っても登れなくて、駄々こねてぐずってた。だろうねぇ。
そろそろのんびり帰ろうかな、と思って少し砂山を下りたら月が見えた。
砂山に隠れて見えなかっただけで、ずいぶん前から出てたみたい。
なーんだ。月の砂漠を味わいながら、誰もいない砂漠を歩いていく。
月は満月で、星もたくさん見えて、砂漠に寝っ転がると最高の気分。
シルクロード気分を十分に満喫して、砂山をやっと駆け下りた。
もう観光客は帰ってる人が多くて、人影もほとんどなかった。
もう9時ごろだったからバスあるかな?と思ったらギリギリ最終のがあった。

本当は昨日莫高窟行った後すぐ砂漠に行った方が良かった気がする。
一日無駄に過ごしてしまったかも。街が小さくて、郊外に見所が多いから
今日は結構ダラダラ過ごしたなー。ちょっと失敗したかも。
でも、ドミの同部屋の男の子が明日同じバスでハミに向かうらしく、
旅の道連れが出来た&宿で仲間がたくさん出来たのは良かったかな。
次回はやっと新疆・ハミ編。ハミ瓜!新疆料理!うまいもの巡り!



 
 
 
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