(ハワイ大学留学してたよ)be-ryoの触発日記
be-ryo

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 『ニュースの天才』

ひょんなきっかけで、日本公開前に映画『ニュースの
天才』を見ることが出来た。エリートジャーナリストが
書いた記事の半分くらいが、実は捏造(ねつぞう)だった
という嘘のような本当のお話。

というか、それだけの話。だから映画としてはつまらない
かも知れない。別にすごいCGがあるわけでもなく、好きな
女優が出てくるわけでもない。

でも、やはり僕としては注目せざるを得ない映画だ。僕も
あと数ヶ月で記者になる。

ニュースはそこらへんに転がっているわけじゃないし、
自動的に新聞に載るわけでもない。

記者がいなければ、ニュースは1つもない。それに、
記事になるまでには恐ろしいほど(退屈で)慎重な作業が
繰り返されている。

ニュースを受け取る側は、それが本当のニュースだという
暗黙の了解の上で受け取る。誰が1つ1つのニュースを
疑いの目で見るだろう。そんな、考えただけでも気が遠く
なるようなことは、普通しない。

しかし、それを全く逆手に取った事件が起きた。1998年、
「全米のマスコミ界に衝撃が走った」事件があった。
権威ある政治雑誌である「New Republic」の新進記者である
スティーブ・グラス記者による記事のでっち上げ事件だ。
彼はありもしない事件を言葉巧みに創造し、たちまち花形
記者に上りつめる。でもその名声は長くは続かず・・・。

これは、本当に怖い話だ。

僕らが情報だと思っているものはすべて、誰かによって
作り上げられたものなのだ。

僕は実際に新聞社から取材を受けたことがあるのでわかる
のだが、少なくとも僕が受けた取材が記事になったのを見た
とき、「おいおい、これは明らかに違うだろう」という箇所
があった。

そのとき僕が抱いた感情は、怒りとか悲しみではなく、
驚きと恐怖だった。「新聞って、本当のことばかりじゃない
んだ。」そう感じた。

でも、だからといって僕は新聞を疑いの目を持ちながら
いつも読んでいるわけじゃない。そんな面倒なことはしない。

それが危険なのだ。

事実だと思っているものは、事実ではないことがある。

それを何の疑いもなく受け入れることは、とても危険
である。なぜなら、それは偏見を生むからだ。


僕らは無知なのだ。何も知らない。全く何も。それに
気づくことが、まずなによりも大事なんじゃないかと思う。

「無知の知」と昔の偉い人は言った。

その精神は、情報が氾濫したこの世の中を生きるのに、
結構重要なんじゃないかなぁなんて思った。

---

*『ニュースの天才』はいい映画だと思います。
憎まれ役の編集長の演技もいいし、主役の『スター
ウォーズ』に出てた男の人(名前知らない)も
病的なウソツキの演技がうまかったです。
11月27日から公開予定。

2004年11月16日(火)
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