■■■
■■
■ 「迷ったら、買わない」
僕が小学生でミニ四駆が流行っていたころ、 当然僕もミニ四駆にハマっていた。
少しでも車体を軽くするために色々なところを 削ってみたり、逆に重心を調整するために重り なんかをつけてみたり、モーターを「ハイパー ミニモーター」というすごい名前のものに 変えてみたり。で、失敗してみたり。
ある日のこと、僕が行きつけのプラモ屋に 新しいミニ四駆を仕入れに行ったときの話し。
僕は、青いやつと赤いやつを手に取り、どっちに しようか悩んでいた。どっちも速そうだ。
青のがかっこいいかな。
でも赤のが速いかもしれない。
こずかいも少ないし、選択に失敗は許されない。
僕はいまでもそうなのだが、選択をするのに 時間がかかる。いったん決めても、また違うのに してみたり、やっぱりやめてみたりする。
優柔不断で心配性なのだ。(ついでに小心だ。)
僕は2つのミニ四駆を手にとって、5分くらいは 悩んでいたと思う。いったん両方を棚に戻して、 店内をぐるっと一周して、また同じ棚の前でウーン ウーンと悩んでいた。
すると、タミヤのおばちゃん(僕らの間での名称)が 僕にヒトコト、声をかけてきた。
「迷ったら、買わない。」
なんだか知らないけど、すごい説得力があった。
「ふつう、お店の人はモノを売ってうれしいんじゃ ないのか。なんでこの人はそんなことを言うのか。」
僕は当惑した。でも、少し考えたら、答えは出た。
「あ、おばちゃんは僕のことを思って言ってくれたのか。」
買って後悔するくらいなら、買わないほうがいい。 本当に「欲しい」と思えるものがないのから、買うな。 迷うということは、なにか不満があって迷っているのだ。
そういうことだ。
「モノを売る」。でもその前に、その人が本当にそれが 欲しいのかを考える。必要なのかを考える。それが本当の 商売なんじゃないかと思う。
僕は青と赤のミニ四駆をきれいに棚に戻して、店を出た。 また次に来たときにいいのがあったら買おう、と思った。
それ以来、僕は迷ったら買わない(ようにしている)。 まぁたまには買っちゃうけど、そんな時も僕はよくこの おばちゃんの言葉を思い出す。
僕の中で、おばちゃんの言葉は名言となっている。
書き始めに考えてた結末とはだいぶ違ってしまったが、 今日はこの辺でおしまいにします。
*参考
ミニ四駆
2004年10月28日(木)
|