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■ 対人地雷
対人地雷について、12ページのペーパーを 書いた。今日はちょっとそのことについて。 読み飛ばし可。 --
地雷には2種類あり、対戦車用と対人用がある。 対人地雷ベトナム戦争から主に使われだした。
現在の対人地雷使用の目的は、農耕が盛んな地域 や交通が発達した場所に散布することによって、 相手側の生産能力にダメージを与えることだ。
より相手にダメージを与えるには、相手を殺して はいけない。深い傷を負わせればいいのだ。傷を 負った人間には、それを手当てする人間が必要に なり、コストもかかる。破裂した足や内臓を見た ほかの人間は、戦意を喪失するかもしれない。 心理面も考慮に入れた作戦だ。
これらが、ベトナム戦争から今現在にかけて対人 地雷が使用される主な目的である。
そして人はこれを「悪魔の兵器」と呼んできた。
地雷を踏む人間は、統計によると20分間に1人の 割合だ。この地球の日本から遠くないところで、 20分間に1人、手や足が吹き飛んでいる。周りに 誰かいればまだましだ。病院に連れて行ってもら える。誰もいなければ、自分の吹き飛んだ右足を 見ながら出血多量で死ぬしかない。
これは大人の場合である。
地雷は大人のくるぶしあたりまでを破壊できるように 作られている。しかし子供にとっては致命的な破壊力 になる。地雷を踏んで助かる子供は半分以下。
現在、世界中には1億の対人地雷が埋まっている。 今の技術では、1年間に取り除ける地雷は10万個。 すべての地雷を取り除くには1000年かかる計算だ。 しかし、地雷の散布は終わってはいない。現在も 地雷全面禁止条約に調印していない国がある。 (http://www.icbl.org/treaty/nonsign.php3)
中国や北朝鮮、韓国、ロシアといった国々は、いまだ 地雷を散布する意思があるのだ。
手や足がなくなるというのは、ある意味では死ぬこと よりも辛いことである。欠陥のある人間を、今の社会は まともな人間と認めない。途上国になるほど、この 意識は高まる。そして不幸なことに対人地雷が大量に 散布されているのは、まさにその途上国なのである。
僕のペーパーはこうした事象をもとに、現在のカンボ ジアがNGO(非政府組織)に自ら参加し、自国への援助 や負傷者へのリハビリシステムの改善について、もっと 言及すべきであるというような内容にした。
人から与えられるばかりではいけない。例えそれが援助 を受けるという形になろうが、それはあくまで自分たち の積極的な介入があってこそ、バランスの取れた援助に なるのではないだろうか。
知識をつけたインド人はやがて革命を起こし、独立を 勝ち取った。
カンボジアも自らが先導して対人地雷を除去していく くらいの知識と技術を手に入れていかなければならない。 そしてそのための援助を、我々は惜しんではならない。
写真:寸法とり 僕はこの写真を見て地雷のペーパーを書くことにしました。
2003年04月29日(火)
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