羽田へ向かうバスまでは時間があったので ママとふたりでミスタードーナツで時間を潰した。
私は 何か大切な事を話したいと少し緊張しながら、雑談をしていた。 いつも、これが最後なんじゃないか と思う。 ママも命尽きるには まだまだ若いけど、 これから先も生きている という、確信の淡さを感じてしまう。
ママは高速バスに乗った。 九州へと、帰ってしまった。
私は急に寂しくなった。 独りだという気持ちを味わった。
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帰宅したダーに 「入籍の時、ひとつの緊張感として離婚届も書いて保管したいんだけど」 と言った。
「そんなの、いやだ」
と、ダーは言った。
私はダーが適当になると思っている。 絶対、得意の手抜きが始まり そのうち私を見てくれなくなると思っている。 その他 様々な環境を予測しても 私が耐えることで持続する結婚生活になる気がしている、 いずれ私は我慢に限界が来て離婚すると思ってる。
「離婚届」の存在が私を支えると思う。守ってくれると思う。 なんていうか、勝手に行使する訳じゃないんだし そういうの協力して欲しいと思った。 私にどうしてそれが必要なのかとか、考えてもくれないんだ。
「じゃ、もう結婚しない」
と私は言った。 話は終わった。
ここ最近の不在といい、既に手抜きの日々は始まっていて もう結婚やめようかな。 と、思ってる自分がいます。
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夜は早く就寝した。
ママのいなくなった部屋は、なんか寂しい。 不思議な喪失感を覚えて泣いた。
ダーはさっさと寝てしまった。
私は、しんみりしながらダーの横に、ターリンを連れ込んで寝た。 ターリンは私の腕にアゴをのせピンと手を伸ばしてスカスカ眠りはじめた。 ターリンの柔らかい毛が私を安心させる。 疲れていたのですぐ眠りに落ちた。
12時、携帯が鳴る。ママから。 「レイちゃん?寝てた?」
…うん。
「ママのウエディングドレス送るけん。サイズ合わないと思うから チャック外してリボンとかレースとかつけたらいい、」
…ドレスは着ないと思うよ。(もう寝かせて欲しい)
ママは私の不機嫌そうな対応にもめげなかった。上記のセリフをくり返したが、ママの話は続く。真っ暗な部屋に受話器からもれるママの声が響く。ターリンが目を覚ましてどっかへ行ってしまった。
「リボンを5個くらいつければいい、金とか白とかのレースの… それとママの振袖も送るから。 そしたらちんちくりんな格好しなくていいでしょ?」
ムカ。
ママの言うちんちくりんな格好とは 花嫁用の振袖の事なんだけど。私はアンティークの旧いものを安く探してきて、着たいなあと思ってる訳なんです。 「結婚」とかいうものに対する、私の唯一の夢とか希望とかそういう「してみたい」と意欲的になれる部分なのに、それを指図されたくないと思った。 ママはいつも私に選択肢をくれない。こうやって押しつけてくる。
だから、イヤなんだ。と思った。 さっきまで寂しいとかしんみりしていた気持ちがブッ飛んで、イライラした。
…(無言)送ってくれてもいいけど、ドレスは着ないと思うよ。
「レイちゃんが、着たい訳?着物を?…ふうん、」
…明日電話するから。じゃ。
暗い部屋がやっと静かになった。 私は睡眠の続きをとろうとしたのに、イライラして眠れなくなった。
結婚話がちゃくちゃくと進んで、ダ−と居る事になって 本当の意味で私は幸せになるのか・とかいろいろと微妙な心情で しかも今日は月のモノが始まって頭が冴える情緒不安定な時で そんなこんなタイミングで 電話の向こうのママはお花をいっぱい咲かせてる。
どーしてこうも私の琴線に触れるような事をしてくれるんだろう、いつも。
私は、簡単なことでかき回される。
よわい。
父長崎人+母福岡人=純血の九州オンナ、福岡に産まれ、
関東→京都→佐賀→京都→横浜→群馬と流れてます‥
レイ
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