2004年01月19日(月) |
★ ノラを着ててもこころは錦 |
ミユが19の時、お水バイトで出会って付きあった彼氏は3年目の冬に「来年の6月に結婚しよう」と言った。ミユはすごく嬉しかった。彼には怪しいところがいっぱいあったんだけど、気付かないフリしてた。彼氏は時々 携帯の電源を切っていて、連絡取れない事が多かった。でも(結婚できるからいいや!)って思ってた。 年があけて2月頃から昼間働いていた会社に女から電話が掛かるようになった。ミユの携帯にも。彼氏は「頭がおかしいから相手にするな」と言ってくれた。だから、そんなの相手にしなかった。 5月頃から上司に電話が掛かるようになった。「私の旦那に手を出さないでくれ」、携帯に無言の電話も多くなった。彼氏とも連絡取れなくなった。いつ電話しても電源を切っている。
半分諦めた頃、彼氏から会社に電話が掛かってきた。 「今日の仕事が終わったら お前の実家に挨拶に行こう」すぐに上司から3日の休みを貰った。会社が終り彼氏が迎えに来て、部屋へ荷物をまとめに戻った。彼氏は車で待ってると言った。ミユはひとりで部屋へ戻った。 いろいろ用意していたら、玄関のチャイムが鳴った。開いてるよ〜、と言ったら、 女が入ってきた。
女はとても興奮していた。 ふたりがクリスマスにお揃いで購入した腕時計を見ると すごい力で取ろうとした。 血が出た。
彼氏は、その女と5月に結婚していた。
その時の傷は、未だ残っている。
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その女は、ミユに言った。 彼氏は あんたと付き合って尽くされ過ぎて重荷だったって言ってるのよ、 なのに別れられないのは
親と離れて育ってて 可愛そう だったからよ!
ミユはその生い立ちを通して いろんな人に出会えて、よかった という話をしていた。悲しいとか辛かったとかそんな 同情を引く話をしたつもりはなかったのに。
一番悲しかったのは、 そういう話を、会った事もない 女の口から聞いた事。
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ミユはその時、百貨店の駐車場の警備員をしていた。 忙しい時間帯で、次々くる車を地下二階と三階の分岐点で車を振り分けていた。 そこに一台の車が停まった。指示しているのに。見るとレンタカー。 わかんないんだな。と思って、説明しようと近づいて行ったら、
運転席に彼氏。助手席に笑ってる女‥
ミユは、足がガクガク震えた。立っていられなくなった。無線の声もおかしくなった。 職場の仲間が駆けつけてくれた。 ふたりは5分も経たないうちに出ていった。
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その後、彼氏から電話があった。ミユは出なかった。 留守電に、女と別れるからやり直そう と録音されていた。
さすがのミユも振り向かなかった。
毎日のように知合いの店に飲みに行き、そこで別れた旦那と知り合った。 半年、同棲して 結婚した。
早く結婚して子供が欲しかったから。
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どうして、こんな人生があるんだろうか と思った。
会わない10年の間に彼女にはいろんな事があった。 彼女が悲しかった事が、かなしかった。
私たちはそれぞれ違う高校に進学した。ミユは 定時制に通いながら、ちいさな田舎町のちっさい百貨店で朝から働いていた。私が当時好きだった、ちょっと高いチョコレートをいつも買ってきてくれた。私はいじわるで時々いたずらをするけど、絶対怒ったりしなかった。私が困った時は私に変わって怒ったりしてた。 いつも笑ってた。優しくて、強かった。
どうして、あなたはそうなの。
お昼も、夜も、働いて、 ただ幸せになりたくて、、、、、頑張っている人のことを、
‥そんな彼女の事を、 どうして、そんな目にあわせられるんだろう? どうして??
許せないと思った。 私の、からだじゅうがあつくなった。
ただ、ひたすら
かなしかった。
父長崎人+母福岡人=純血の九州オンナ、福岡に産まれ、
関東→京都→佐賀→京都→横浜→群馬と流れてます‥
レイ
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