2003年06月15日(日) |
★ 白昼夢のはごろも |
大阪でハラムランランとイグワナズを観た。 お歌がぜんぜん聞こえなくて、ライブハウスは イグワナズとそのファンに失礼だと思った。 だけど 無声でも、うた歌いはセクシーだった。 魅せる はこういうことに似ている。
かわいい女の子とかしみったれ古着キッズとか期待してたのに モヒカンとか黒革とかハードないでたちの若人男女が多かった。 対バンらの男クサさが会場中にただよっていた。 単調なリズムとオス声の中で 怒り狂ったハチのように 踊るというより ぶつかり合いながら みな笑っていた。顔だけ見るとひどく楽しそうなのだけど 怖くてその押しのけぶつかりあうその楽しさが解らない。 今にも火花が散りそうだった。
オオサカは、雨だった。
帰途、京阪電車の階段を登って見た京都は静かな朝だった。 信号の音が響いていた。 ハラムランラン宅に着いて また眠った。 人んちのお布団はどうしてこんなに心地よく感じるのだろう。 とてもあんしんする。
午後、ふたりで家をでて京極など250円クレープを求めて歩いた。 たぶん もっとがつがつ楽しもうとしなくちゃ、やりたいことは消費出来ないんだろうけど なんだかぼんやりと楽しんだ。 途中からハラムランランに用事ができ、ひとりで街並を観る事にした。 京都に住んでるころ いつも、座って歩く人を観てた場所がある。 今日もその階段で。バス待ちのふりしながら。 右から来る人と左から来る人と通り過ぎる人の顔色とか洋服の色とかを盗むみたいに見てた。 何も、特別な事はない。 特別のない世界の 特別さ。
------------------------------------- 私が京都に住んでたマンションは3階建てで、 マンションというのはどの階も同じように造られているもので、
ある日ぼんやりと自分の部屋の前に辿り着いたら、もう何年もそこに住んでるみたいにベビーカーやこどもの玩具だとか朝顔の鉢や使わない物干竿やら靴箱がごちゃごちゃと配置してあった。要するに部屋に置かない要らないけど捨てれないみたいなものが家族分、外に置かれてる形になるのだけれど、 いつもの私の玄関と全く異なる風景に 愕然とした。
あー。ナイ。
数秒息をのみ そこに呆然と立ち尽くし、それからここは2階であることに気がついた。 それで自分を笑いながら上の階へとあがった。 3階にはいつもの ネコの玄関があって、いつもの古ぼけた壁が見えていた。 それで安心して私の部屋に入った。
あの、自分の玄関がなかったときの悲しさって いったい何ものだったんだろう。 --------------------------------
とか、そんな事を思い出した。 あの時は 白昼夢を一瞬 見い出したんじゃないだろうか。 だけど あるのとないのと どっちが夢だったんだろうか。
この、今 目の前を流れる京都も私の生活の一部の顔をしているけれども 群馬という生活もあり、なんだか。 どちらが現実で どっちが夢なんだろう。どっちも夢みたい。
また、ふわふわと考えてたら 時間になってしまった。 紅い電話を(携帯が壊れたので赤色に新調したの。とっても可愛いのだ!こんどこそ濡らさず使います。誓います。)ショップへ取りに行き、田舎町へ帰るため車まで歩いた。
タワレコでインディーズなCDを買いたかったんだけど買えなかった。 この辺に来たら食べたいものとか、行きたい雑貨屋とか いっぱいあったのに、 計画通り事を運べないのは世の常である。
ハラムランラン宅には東京から父も帰ってきていて、何やら慌ただしくやっていた。私も慌ただしく、ボーっとしながら‥お茶などのみつつ ちゃくちゃくと準備をして「帰るよ」と言った。なんだ帰るのか、と言いながら父がおもむろにショッキングピンクのラメラメ首巻きをくれた。それはとてっても今日のひの記念になると思った。目にうつるふたりの背後から この部屋の優しさが雨の日に滲み出していた。それで、わ。ちょっと泣く。と思った。そう、ちゃんとウレシイとか言えなかったけどとても嬉しかったんです。ありがとう。 じゃあ と部屋をあとにし 階段を降り始めるとばたばたとふたりも降りてきた。 誰かを慌ただしく見送る何かの定番みたいなヒトコマみたいで笑えた。
雨の京都は、しっとりとしていて優しくて あのマンションちょっと見てみようかな、とか思ったけど 今日はやめておく事にして高速にのった。
たまにあうので たまにたくさんお話をした。 蓄積された話を解くみたいに言葉にしてみると それらがつまんないこだわりだということに気付く。どうでもいいんだ、そんなこと。 はやく引越したいなー。 そして もっとこんな気持ちで日々を暮らしたいな。
父長崎人+母福岡人=純血の九州オンナ、福岡に産まれ、
関東→京都→佐賀→京都→横浜→群馬と流れてます‥
レイ
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