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2006年11月29日(水) ずびずび。

鼻風邪をひいてるわけではありません。

今日は劇団M.O.P第41回公演「ズビズビ。」を観て来たのです。
今回は4作品のオムニバス形式でございました。

マキノノゾミ大先生の脚本はやっぱり素晴らしかったよー!
おもしろかった!!!

小市さんの声は今日もダンディー&セクスィーでございました。
ドリさんはかわいかったよ。
三上さんは今日もおもしろおかしかった。

キャラメルボックスの皆さんもいらしてましたな。


ある芝居小屋の楽屋を舞台に繰り広げられる4つのお話。
1.「ずっと貴方が…」
『ハムレット』を公演中の南大作は、かつて一世を風靡したものの今は落ちぶれていた。
批評家達の間でも「南大作だけはミスキャストだった」と書かれる始末…。
それでも1人だけ、毎公演欠かさず花を贈ってくれるファンがいたことが、マネージャーにとっても唯一の救いかのように思えた。
荒む南の元へ、ある日北関東新聞社が取材に来た。
その女性記者は南の長年のファンだと言うが、南と、彼を取り巻くスタッフが長年隠し続けてきた「ある出来事」について南に真っ向から問いただす。
それは、南が大スターの絶世だった頃、寸暇を利用して愛した女性の元へ向かう途中にひき逃げ事件を起こしたというものだった。
最初は否定していた南だが、故人の娘からの情報ということと、「記事にしないし誰にも言わない」という女性記者の言葉を信じ、南は真実を語り始めた。
南は、後に妻となった当時の大スター女優の元へ会いに行く途中に、ある男性を轢いてしまった。
翌日には自首しようと思っていたが、なんだかんだと先延ばしにしてしまい、時効も過ぎ、今に至る。
「亡くなった男性の娘さんに『すまなかった』と伝えてくれ」との南の言葉に、涙する女性記者。
彼女こそが、実は南が轢いた男性の娘だったのだ。
「一番聞きたかった言葉がやっと聞けた」「ずっと好きでした」と言い残し、彼女は楽屋を後にした。

…と、まぁ拙いあらすじでございますが。
劇中、事件を否定する南が「なんてバカバカしい!そんなことするわけないじゃないか!」と吐き捨てるように言う場面があるのですが、それに対して女性記者が言った「恋をしていればどんなバカバカしいことだってしてしまうんです!」ってセリフが非常にジンと来ましたよ。
…ドリさん、恋をしてるんでしょうか(笑)

2.「ビックな男」
1作目から時代は遡り、楽屋にいるのは「森の石松」を上演することを条件に請われてやってきたドサ廻りの劇団。
興行主であるヤクザはどうしても石松物を演れというが、石松役の役者が姿をくらましてしまった。
急遽代役を立てることを考えるも、代役を張れる役者がいない。
しかし刻一刻と開演時間が迫ってくる。
行方をくらました役者は実はこの劇団団長の次男で、もっと前に長男もまた、石松役を拝命していた時に行方をくらましていた。
「この劇団は石松役をやる役者は逃げ出すことになってんのかい!」とヤクザはイヤミを垂れるが、本当に石松物が大好きで、セリフがスラスラ出てくる始末。
いっそこのやくざに石松役をやってもらうなんてのは…!という案が出るもつかの間、あっさり断られてしまう。
その頃、芝居小屋に入り込んできた怪しい人影があった。
それは、過去に行方をくらました長男だった。
歌手になる夢破れての出戻りに、一度は追い返す団長だったが、考えを改めて呼び戻し、石松として舞台に立たせるのだった。

1作目の余韻に浸っている時、場面転換で長男が舞台に飛び出てきて昭和中期(位?)のポップスを歌いだして「アタシどうしたらいいの…」と思った(笑)
ヤクザ役の三上さん、石松の長台詞を流れるように言っていてさすが!って思ったよ。
そして最後、長男を呼び戻しに全員が出て行き空になった楽屋に、しっかり石松の格好をして出てきてがっつりオチを持っていったのでした。
代役嫌だ、なんて言っておいてまんらでもなかったんじゃん!みたいな(笑)

3.「ずいぶんな話」
時代背景としては、コレが一番新しいもの。
女性スタッフの「山ちゃん」は40歳を目前にして未だに独身。
舞台助監督としてバリバリ働いているが、役者の中に学生時代同級だった男性がおり、今公演で再会し、お互いを意識する仲に。
千秋楽の日、プロポーズをされるが、実は相手の男性には妻子がいた。
なんと、高校生の長男が楽屋に男性をたずねてきたのだった。
それだけではなく、長男はなんと奥さんを連れてきていたのだった。
「別れるかどうかはっきりしろよ!」とのことだったが、山ちゃんは男性から「奥さんは亡くなった」と聞いており、かなりのショックを受ける。
しかし、「『奥さんはいなくなった』って言ったんだよ!」という男性の言い分に、さらに衝撃を受け、子供が5人もいることにさらにさらに衝撃を受ける。

あらすじを書くのが難しいですな…なんかね、これは場面展開自体は普通の速度なんだけど、リズムが速いっていうのかな。
すごくポンポンポンポン進んでいく感じがするの。
かといって置いていかれる感じはなくて、ただそのドタバタ劇がおかしくて仕方が無い(笑)

4.「ビター・スウィーツ」
4本の中で一番古い物語です。
時代は戦後。
楽屋にいるのはジャズバンドと女性ジャズ歌手。
ジャズバンドから、女性ジャズ歌手の夫であるギター担当がNYに行くために脱退すると決めていた。
しかし、妻は身ごもっていた。
NYに行こうとする夫を引き止めず、自分もついていかない、と決めていた妻は気丈に振舞っているように見えた。
しかし、妻は原爆に遭い白血病を患っており、被爆症の遺伝を恐れて堕胎し、その後亡くなっていた。
夫は、1年後、妻の命日である日に強盗に襲われ死亡した。

これはもっと説明が難しい話しですね。
マキノノゾミさんの脚本のからくりに天晴れ!といった感じです。
話しの最初と最後で時間が1年?違うのかな。
夫婦の生前と死後で、その境目の照明演出が見事。
ジャズバンドのトランペット奏者が夫婦が亡くなり幽霊となってからも話せる唯一の人物。
夫婦はドリさんと三上さん、ペット奏者が小市さんという、アキラ的にこれ以上にない豪華トリオで締めだったのです。
あーもー、この話しの全貌を語れない自分の文才の無さがもどかしいよ!
アンチ原爆・核爆弾も盛り込まれていました。

アキラは1と4が好きですねぇ。
そうそう、この4本、微妙に人物などがリンクしてるんですよ。
1話で下っ端スタッフだった子が3話の山ちゃん。
4話でバンドの付き人をしていた子が1話の南大作。
南大作は1話では落ちぶれていたものの、3話では持ち直して成功しているし、女性記者と再婚していたし。
2話の団長が1話では芝居小屋の館長になってたんだっけ…?
(この辺はもううろ覚え)
リンクの仕方が全く無理がなくって、からくりもあって、笑えて泣けて、さすがマキノノゾミ大先生。

これ、DVDになるっていうから買っちゃおうっかなー!

そうそう、終演後のカーテンコールで三上さんが口上。
「これ以上はもうアンコールとかしないでください。もういっぱいいっぱいでーす」とか言ってて、その口調が最高におかしかったんだよね。
小市さんもドリさんも好きだけど、三上さんも最高に大好きだー!

…で、どうして「ズビズビ。」かはもう解りましたか?
アキラはわかった瞬間、超がっくりでした(笑)


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2004年11月29日(月) じゃんけん…っぽん!!
2003年11月29日(土) 冷めない熱
2002年11月29日(金) 提出物ラッシュ


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