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2005年08月14日(日) 切ない夏の物語

今日は中野までお出かけです。
先日、重ちゃん@TEAM-NACSが大絶賛していた東京セレソンデラックスの舞台です。

切ない夏の風鈴三部作第2弾『口笛』。
初観劇にして千秋楽。
よって、遠慮なくストーリーを書けますぞ!(でも後でね)

昼公演(14時開演)なのですが、自由席ということでちょっと早めに行きました。
重ちゃんの絶賛効果で座れなかったりしたら嫌だしね。
昨日までの大雨はどこへやら、今日はすごくいい天気でねぇ。
とにかく暑かった!!
今日1日だけで随分日に焼けてしまったんじゃないかしら…。

中野駅から徒歩5分ほどにある中野ザ・ポケット。
どんなところかと思えば……住宅街の中にぽつんとある小劇場でした。
いやね、開場まで近くでお茶してよう、とか思ったんですが、駅前を外れたら喫茶店なんてありゃしなかったよ。
コンビニで飲み物を買うくらいしかなかったよ…次は気を付けよう。

開場30分前に受け付けが始まって、そこで整理券が配られる仕組みなんですね。
今まで指定席の公演・コンサートしか行ったことがないのでね、ちょっと勝手が分からなくて戸惑いましたねぇ。

開場して中に入るとこれがまた狭い!
そりゃ小劇場なんでね、そりゃ狭いだろうけど、どこの席に座ってもステージとの距離が近く感じられるくらいの狭さでした。
でもせっかくなので、1段あがったところの、視界が開けるであろう席を確保。
早めに行った甲斐あって、希望どおりの場所で見られました。

席に着いてチラシなどを見ているとね、アキラさん気がついた。
アキラの周囲、多くの人がナックスファン(爆)
皆同じストラップつけてたよ。
隣に座った男の子は、ストラップだけじゃ飽き足らず、待ち受け画面がonちゃんでした(^.^;)
(※onちゃん…北海道TVマスコット)

後ろの列が三部作1弾『夕』を見た人達、かつ、劇団員のお知り合いの方々なのでしょうか。
めちゃくちゃネタバレな会話をしてくれていい迷惑でした(目が笑ってません)
『夕』の話だけならまだしも、『口笛』なんてこれからやるんだ!
お前達はもう何回か見てるかもしれんが、アキラはこれから初めて見るんだ!
それ以上ネタをバラすなーー!!!!………ってノドまででかかったよ。。。


定刻に開演。

お話は、北の大地(「なまら」とか言ってたから思い切り北海道だ/笑)で自動車修理工場を営む元暴走族総長・赤城辰吉に見合い話が上がった。
辰吉のどこがそんなにいいのか、相手の女性・栞はその結婚に大乗り気で誰もが吃驚。
その頃、ちょうど町では夏祭りが行われていた。
辰吉との結婚に大反対の父親の目を盗んでは赤城家に遊びに来ている栞と、辰吉の従妹・加奈を交えて祭へ出かけていた。
辰吉の高校時代の憧れの女性・翔子が東京から突然戻ってくる。
賑やかで、でも穏やかに流れていた時間が、ここから狂い始めていく。

翔子は、高校卒業と同時に東京でミュージカルの勉強がしたい、と上京する。
辰吉に「待ってて欲しい」と言いながらも、10年間音信不通だった。
それなのに突然帰って来たのは、借金を作ってしまい金の工面を辰吉に頼るつもりだったからだ。
辰吉は高校時代から、結婚資金にと貯金を続けていた。
翔子はそれを狙うが、栞との結婚話があることを知り、結婚を破談するように新開という男(翔子が東京で作った恋人)に頼む。

10年ぶりに会ったマドンナの出現に、辰吉はなかなか栞との結婚を決められないでいた。
しかし、そこに栞が父親の大反対を押し切って荷物をまとめて家を飛び出してきた。
それを追ってきた父親と対峙する辰吉。
「大事に育ててきた1人娘を泣かさないと約束できますか」と土下座して訴える父親の思いに答えるべく、辰吉は、それまでうやむやにしていた自分の気持ちにきっちりケジメをつけ、栞との結婚を決めた。

その直後、辰吉が栞を赤城家に待たせてちょっと外出した間に新開がやってくる。
「結婚を諦めてくれませんか」
そういって栞をレイプした。
辰吉や加奈達が戻って来た頃、栞の姿はどこにもなく、心当たりを仲間総動員で捜索する。
その間に、辰吉は翔子を呼び出し、借金の工面をすることを伝えるが、その時に栞が見つかったという連絡が入る。
栞はショックのあまり自ら運転する車ごと対抗車線を走るダンプカーに突っ込んだという。
即死だった。

そこで新開はさらっといいのけた。
「死ぬようなことかよ」
怒り狂う辰吉に、翔子は言い放つ。
「東京に10年もいれば人なんて変わるわよ!」
ミュージカル女優への夢など当の昔に挫折し、すっかり変わり果てた翔子の口から出てくる非道な言葉に辰吉は耳を塞ぐが、最後は翔子の首を締めてしまう。



大まかなストーリー展開はこんな感じです。
「切ない」と表題にあるので、切ない話なのはわかっていたし、重ちゃんが「切ないというよりは苦しい。救いようがない感じ」とも言っていたので、かなりドロドロした感じなのかと思って覚悟してたんですよね。
でも、前半の辰吉と父親の対峙するシーンまではほぼ笑いっぱなしでした。
もうね、とにかくすごいんですよ、缶ビール一気飲みとかマジ蹴りとか。
唖然とするくらい誰もが本気でね(苦笑)
笑いすぎで涙が止まらなかったのよね。

父親と辰吉の対峙のシーンは切なくて、父親の寂しい気持ちだとかが伝わってきて、父親の想いを知った栞と一緒に泣いてましたよ。
でもその直後に更なる急展開を見せたじゃないですか。
同じ女性として恐くなるくらいの迫真の演技で、目を覆いたくなってしまいました。
悲鳴も耳を塞ぎたかったです。

そして翔子の身を切るように全身から搾り出される訴え。
翔子もね、栞の件については「死ぬほどのことじゃない」って言うんです。
それ以上に辛い思いをしてるんだ、と言うんですね。
具体的にどんなことがあったのかは言わないまでも、人として、他人の想いを真っ直ぐ見ることが出来なくなるほどにまで歪んでしまってるんです。
辰吉に全力で恋をする栞のことを「あれで腹の底では何考えてるか分からない」と言ったりね。

その栞がなぜ辰吉に思いを寄せているかが、最後の最後で明かされるんです。

高校を卒業し、上京する翔子を見送った辰吉。
家でゴロゴロ寝転がりながら、寂しさを紛らわすべく口笛を吹く辰吉に、どこから入り込んできたか少女が声をかける。
少女「旭の桜公園てどこですか?」
(ごめん、セリフ忘れたのでちょっと適当)
辰吉「なんだ、迷ったのか?ちょっと歩くから俺が単車で送ってやるよ」
その少女こそが栞だったのです。

もうね、このシーンでそれまでなんとかこらえてきた涙が堰を切って流れてしまいました。
栞は10年間ひたすら純粋に辰吉を想い続けていたんです。
その思いの丈を辰吉にぶつけて、結婚が決まった時の喜びようは、それはそれは「よかったね」とつい言いたくなってしまうほどだったのでね。近所のオバサン的に(笑)


「切ない」を通り越して「苦しい」「救いようがない」と言った重ちゃんの感想も十分によく分かりました。
でも、ただただ衝撃的でした。
栞の一件ももちろんですが、翔子の叫びが痛くてね。。。

帰りに新宿とかに寄ろう、とか思っていたのに、どこにも寄りたくなかったし、誰とも喋りたくなかったし、何も聴きたくなかったです。
素晴らしいお芝居だったんですよ。
でも、何も考えられなくなっちゃったんですよね。



終演後、ロビーで役者さんがお見送りしてくださいました。
あとね、お土産も頂いたんですよ。
紙製の風車と駄菓子の入ったもの。
風車が回るのを見て少し和みました。

来月は第3弾『ぴえろ』があります。
それも楽しみにしています。
素晴らしい劇団をまた1つ知ることが出来て嬉しいです。


2004年08月14日(土) オリンピック開幕!!
2003年08月14日(木) ぼけぼけ。
2002年08月14日(水) 話題先取り


柏木 暁 |MAILHomePage

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