2002年03月31日(日) |
「『プライベート・ライアン』と『ブラックホーク・ダウン』を観て」 |
今月のまとめとして、この2作の感想を書きました。
まずは「プライベート・ライアン」 2月にTV放送されて観ました、全編。 有名な作品です、スピルバーグ監督の戦争映画。 息子達を次々と戦争で亡くした母親のもとに末の息子を生還させようと、上層部で 決定し、その息子“ライアン”を探し出し帰還させるという指令を受けた7名の兵士と彼らを率いるミラー大尉(トム.ハンクス)が、ストーリーの中心である。 時は1944年、壮絶なノルマンディ上陸作戦を成し得た直ぐ後のミラーたちは 戦争が激化する中、今まさに戦い続ける部隊のもとにたどり着き、ライアンの消息 を尋ね、彼のいるところへと彼らは進んでいく。ついに彼を探し当てるが、彼は 「仲間をそのままにして、帰ることは出来ない。」と言い、彼らもそこで 参戦することに・・・ ライアン役はマット・デイモン、他にトム・サイズモア、衛生兵にジョバンニ・リビージ、そしてジェレミー・デイビス、などなど。印象的だった狙撃兵バリー・ペッパー。敵に狙いを定める前に必ず、首にかけたクロスにキスをする・・・
さて3月に試写会(トークイベント付き)で観た「ブラックホーク・ダウン」。 上映前の大学教授とライターの方のトークで、実話を描いていること、そしてこの作戦におけるアメリカの計画のゆるさ、愚かさを知りました。 たかだか10年近く前のことですから、アメリカが戦地となったその地の詳しい情報をつかんでいなかったことに驚きました。 アフリカ東部ソマリアがストーリーの舞台です。派閥闘争の激化するのを見ていて アメリカは「こりゃ、うちらがおさめないといかん。」と思って出向くんですね。 対立派閥の両党首を捕らえれば、戦いは終わると思うアメリカ。そこで二人の会談場所に兵を差し向け、捕らえるだけだから1時間あれば終わるぞ、さっさと行ってかたづけよう、懐中電灯も水筒もいらんぞ、と言って出かけます、ヘリコプター(ブラックホーク)に乗って。 ところが、要するにアメリカは、ソマリアの人たちの国民性をよく理解していなかった。 途中でさんざん攻撃され、ボロボロになるわ、身動きできない場所にとどまらざるを得ないその仲間を助けるために、また兵を送らねばならぬアメリカ。 とうとう、ブラックホークが墜落してしまう、ソマリア人の住む真っ只中に。 恐いです。 ソマリア人、とっても恐いです。手出しされるのを好まない。彼らは多分最後まで闘って、決着をつけないとダメだと言っているのです。 なんてお人よしなアメリカ人。 アメリカ人は、経済力ももちろん、世界一の大国で軍事力も当然最強だと思っていて、自分の国を守るため、時にはこの地球全体を守るために、自分達の力はいつも必要だと思っている。 でもねー、ちゃんとそれぞれの国の特性・本質を見極めてからでないと、「国を守る」「世界を守る」という尊い使命を持った若き力が無駄に散ってしまうでないの。 とても、むごいしっぺ返しをされたような気がしてなりませんでした。 出演は、ジョシュ・ハートネット、トム・サイズモア、ユアン・マクレガー、などなどよい役者さんがたくさん出てますが、もうみんな一兵士です。
これらのような映画を観て、アメリカで兵士である方々は、どう感じるのだろうか。 それでもまだ、「世界を守るため」に他国の戦地へも行くのだろうか。 これを観たら、戦争がいかに不本意に生きているものの全てを奪うものなのかがよくわかります。 わたしはまた、これからも戦争映画をきっと観るだろうと思います。 私よりずっと若い、これからの世代を生きる人たちが、一体こういう作品を観てどう感じるのかとっても聞きたい作品です。 (4/21記)
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