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■ 稽古相手にすらなれない悔しさ
先日の理事会の日。 つまり金曜日は空手でした。
いつもの様にジュニアの稽古をしてましたが、試合に出るジュンペイ君だけ少し別メニュー。 「Sさん、相手して下さい」 呼ばれてジュンペイの前に立ち、 「はい、みんなはミット打ち。ローキック」 と他の子供達が先生に指示されるのを横目に 「ジュンペイは払いの稽古。急所から攻撃を外す。はい、スタート!!」
すぐ横で次男やショウエイ君がミット打ちしながら、ジュンペイと私の動きを珍しそうに見ています。(見てる場合じゃねぇよ) 私がジュンペイのボディに出すパンチを腕でかわして行く稽古が続く。 ...私の右腕がジュンペイの腕と肘でかわされて赤い打ち身になって行きます。 痛いっす、正直(涙笑)
まあ、ジュニアが終わってからの強化訓練ではもっと痛い目にあうんですけど、とほほ。
強化訓練では、私と先生と先生の息子(小4)とジュンペイが残りました。 もう一人の選手ユウタ君は腹痛が治らずに欠席。 ジュンペイ一人の稽古に3人掛かりです。
本戦1分半と延長1分を想定して、まずはボディプロテクターなしで私もジュンペイと対戦。 その時は、ガードも徹底して対戦できました。 「Sさん、ボディつけましょか」 先生の言葉に素直にしたがって、ボディを取り巻く様にプロテクターをつけて息を整え、延長戦。 ところが、プロテクターをつけた油断か、もともとの油断か。
大人ではあり得ない至近距離からのジュンペイの後ろ回し蹴りが一瞬、すごいスピードで横っ腹に入って、息が出来なくなり、試合を止めてもらいました。 延長戦のたった1分の間だったんですが、油断していたのは私です。 ジュンペイが回った瞬間、正面のみぞおちをガードしたのに、右脇腹に彼のかかとが猛スピードで入ってきたのです。 「はい、じゃ、Sさんタイムとって下さい」 先生から渡されたストップウォッチが"選手交代"、"負け"を宣言された物に見えて、自分の弱さに落ち込みました。 もう一戦くらいはジュンペイとできるつもりだったのに、稽古相手になってあげたかったのに、たった一蹴りで負けてしまった...とがっくりしました。
とはいえ、落ち込んでるヒマはなく、それからの先生との組手というのは、ジュンペイの体力、気力をめちゃくちゃに痛めつける物で、見ていてこっちが泣きたくなるくらいの辛い物でした。 「これを乗り越えろ」 先生も辛い組手だったと思います。 でも、何とかジュンペイを鍛えたい一心で先生も向かって行く。 ジュンペイもまた負けないんですね。 何度目かで、一戦交えるごとに涙が出て来るジュンペイ。 汗を拭うのと一緒に涙も拭い始めました。 その後の組手で、先生と拳がぶつかってしまい、さすがに組手がとまりました。 よっぽど痛かったんでしょう。 ひどい突き指というか、衝突の激しさで右の拳が震えています。 スプレーで冷却してバンテージを巻き、 「右は自分でかばえ」 と一言言ってから 「はい、続行!」
強化訓練初日から辛い辛い組手が続きました。
終わってから円陣を組んで座り、先生がジュンペイの方だけを向いて試合の重みを話します。 「お前はある意味リベンジがかかってる。自分が納得いく負け方を一度もしていないやろ。今回はもうソレはなしや。負けても自分ではっきり原因が分かる、納得のいく負け方をせえ。6年生ははっきり言ってそんな奴らばっかりや、猛者ばっかりが出て来る。自分を見失ってカーッときて、今日みたいに感情的になってしまって涙流して。...そんな試合してたら勝てる訳ない。自分のリズムを早くに掴まなあかん。人の動きに流されて翻弄されてたら当然勝たれへん。まず自分のリズムを作って、最後まで流されるな。」 「押忍!」
自分に言われているのと同じ言葉。 私も何度先生から同じ言葉を言い続けられている事か。
帰り際、ジュンペイのママと目が合った時。 「大変やったな」と目配せして笑ってくれてたけど、苦笑いしか出来なかった私。 先生の奥さんからも 「ご苦労様〜、痛かった〜?」と苦笑されながら気の毒がられてしまった(笑)
みんな帰った後、保護者用に並べてある椅子を片付けながら 「まさかあの距離で後ろ回し蹴りが入ると思っていなかったし、予想外の蹴りの重みでやられちまいました」 と自責の念を込めて苦笑まじりで先生に言ったら 「まあ、大人ではありえない距離ですからね。小さいから(注:ジュンペイは決して小さい方ではない)スルッと入ってくるんです。」 「正直、すごい油断してました。まだまだです、私。今度は払ってみせます」 「ははは、いい稽古になるでしょ」 「はい。すごい勉強になります。でもやっぱりジュンペイ君は凄いですね、耐えてますもん。やりきってるし」 「そー、他にジュンペイのあの意志を継いでくれる子はいないかと...(苦笑)なかなか、いませんね、ああいう子は」
先生もきっとすごいジュンペイを好きなんだろうな、と思います。 だからこそ教えてあげられる事を精一杯叩き込もうとしている。 それをジュンペイも理解しているから辛い稽古も乗り越えて来る。
そういう2人の稽古に今は私は入れる余地がないと思いました。 まだまだ弱すぎる。 小6のジュンペイに本気で稽古相手として認めてもらいたい、と真剣に悔しい思いをしました。
「Sさんは強い。ってジュンペイが言ってましたよ」 と、以前ママさんから聞かされた時は、すっごく嬉しかったけど、それからどんどんジュンペイの方が強くなって来ている。
あー、先生にはまだ到底無理だけど、ジュンペイとは肩を並べて闘いたいなぁ。 頑張って稽古するしかないんだな、これ。 モチベーションも今、違ってるよな実際、試合を控えた子とは...。
来週はジュンペイはサッカーの遠征試合で空手を休まなきゃいけないので、少し残念。 ユウタ君はどうか。 「ユウタ君にも今夜と同じ稽古をつけるんですか?」 明らかにジュンペイとはキャリアが足りない彼。 「当然です」
言い切ったよ、先生ってば。
今、これを打ってる右手は赤黒く腫れ上がっています。 どうか来週までには引きます様に!!!(切実)
2008年09月07日(日)
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