最強の星の真下

2003年09月22日(月) 趣味の発見。

最近、どうやら私は劇を観るのが趣味らしい、と気付いた。

今までもたまに舞台を観に行ってはいたのだが、「趣味」という程の頻度ではなかったので。年に1回くらいだったろうか。

今にして思えば単純に経済的理由で行かなかっただけで、お財布が許せば前から舞台を観に行きたかったのかもしれない。
そういえば、父から貰ったチケットで、とか、母の御相伴で、とか、そんな観劇も以前はわりとあった。

今、興味を持った舞台のチケットを取るようになって、自分の観たいものは2度でも3度でも足を運ぶようになって、忙しい眠いと言いながらふと気付けば年に5〜10回は劇場に行っている。

ああ、舞台を観るのが趣味だったのかもなあ。
本当は私、舞台を観に行きたかったんだなあ。

そう自覚したら、チケットを買えなかった頃の自分が気の毒になった。
転職前の私は、そうか、好きな舞台を観に行くのにお金を費やすほどの余裕は無かったのか。

月々少しずつ貯めれば年に2回か3回くらいは行けない事もなかったのだろうけれど、そこまでしてでも「どうしても観たい」とは感じていなかったから。
2、3時間の観劇に出費するくらいなら、ずっと長いこと読める本を買いたかったから。
ホンの一時で消えてしまうものよりは、親や友人へのギフトに使いたいと思っていたから。

食べていくだけ、着るだけ、生活していくだけならば、さほどの金額は必要ないのだろう。けれど。
文化を買うには、色々な意味で、余裕がいるのだなあ。


余裕の無かった自分、には、余裕を持てて初めて気付く事が出来るのか。

今、自分の好きな事に気付くことが出来て、それを出来るようになったということに気付く事が出来て、良かった。

初めから「わりと好きな」観劇に好きなだけ行けるよりも、ようやく「わりと好きな」観劇に好きなだけ行けるようになった今の方が、きっと私は愉しい。
こういうシチュエーションで自分の好きなことを発見できて、とても得した気分である。

さて、再来月も観劇スケジュールがあるぞ。
実に楽しみだ。


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桂蘭 [MAIL] [深い井戸の底]

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