帰りの電車の中、変わった格好で眠っているおじさんがいた。座席に横になって寝ているとかそういうおじさんならよく見かけるけれど、今日のおじさんは普通に座っていた。普通に座って、前屈みに自分の膝に伏せて眠っていた。足元にはおじさんの物と思しきハンカチが落ちていた。握っていたハンカチを、眠った途端に落としたのか・・・。昔遊んだ「ハンカチ落とし」を思い出した。このままだとおじさんがオニだな・・・なんて馬鹿な事を考えつつ、おじさんがオニになるのを見届けずに電車を降りた。