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〜ダメダメ医学生の京風日記〜 京の都に生息するダメダメ医学生、伯耕による日常生活記。 モテない王道を突っ走りながらも、萌えを求めてただ今奮闘中であります。 |
きのう いちらん あした
| 2002年10月21日(月) 肘を強打すると小指がしびれる理由が「見れた」日 久々に朝早くに起きた。 前日に結構な量の酒を飲んだせいもあるなあ。 知ってる人は知ってるかもしれないけど、 俺は酒を飲むと眠りが浅くなってしまうのです。 ２限の医学英語に出席。 一学期のテストは８０点。まあまあかなあ。 ちなみにこの科目落とすと即刻留年なので 楽勝科目とはいえ、一応注意はしておきたいのです。 さすがに「Let's say the alphabet together!」 はなくなったけど、レベルは中学英語みたいな感じ。 ちなみに世界で一番長い英単語は Pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis（塵肺症） だとさ。こんなの将来カルテに書きたかないなあ(笑)。 あ、外科志望だから出会わないかな。 午後は肉眼解剖実習。 今日は遅刻しないように早めに家を出て、 実家から取り寄せたスペア白衣に身を包み、地下の実習室に入る。 本日は「上腕部」。うつぶせの状態の御遺体の 上腕部の筋肉をひたすら明らかにしていく。 相変わらずペアは半ば定着してきたＹ氏。 俺たちのペアはスピードと効率的な作業を前面に、 御遺体を挟んで反対側のペアは丁寧な作業を前面に。 この２チームの分業により、作業はなかなかはかどった。 そしてあるところまで作業が進んだら、 今までうつぶせだった御遺体を今度は仰向けにする。 仰向けにした時目に入ってきた光景は 絶対に書けません。 もう俺、どんなもの見ても大丈夫だ。自信ついた。 気を取り直して前腕部の筋肉や神経をどんどん追ってゆく。 うちらの上腕二頭筋は完璧に剖出できた。 なんか芸術的に美しい上腕二頭筋。赤く輝いていた。 尺骨神経は肘の後ろ側、かなり皮膚に近いところを通っていた。 太さは大体鉛筆よりちょっと細いくらい。白いゴムの棒みたいな感じ。 ちなみにこの神経、前腕の内側の皮膚や小指なんかも支配してる神経。 だから、肘を強打してこの神経にダメージが加わると、 前腕の内側から小指までがジ〜ンとしびれるんだねぇ。 今日は俺らのチームがかなり早く終って、 逆側のペアの終了を待つ形になった。 こっちの方は俺らが結構簡単に見つけ出したいろんなものが なかなか見えなくて、結構イライラしてたみたい。 こんな時こそ「笑い」の力だ(笑)！ とりあえずしょうもないボケをかましてみたら、 自体を察したＹ君も乗ってくれて場は和やかに。 逆にその後の展開も突然チームワークが良くなった。 人体解剖中に笑うなんて！とかと思われる方もいるかもしれない。 確かに献体してくださった方の崇高な御遺志に報いるためにも、 俺らはこの実習に対して真剣に取り組まなければならないし、 実際に人間の体を「目で見る」事は、俺たちに多くの事を教えてくれる。 ここから先は未熟なダメダメ医学生の言い訳なんだけど、 やっぱりこの実習って結構大変なんだよね。 作業自体も体使うし、ホルマリンの刺激臭と戦いながらだし、 「人間の死体を切り刻んでいる」ことに対する戸惑い。 それにこの作業は完全なチームワークだから、 チームの中でしんどくなる事ってのも結構あるのだ。 例えば、 「お前さっきここ除去すれば見えるって言ったのに出てこないぞ？」 「あれ？おっかしいなぁ。あってるはずなんやけど･･･。」 とかそういうところでちょっとトゲトゲしたりするのね。 たわいもない事だけど、いろんな所でストレス貯まってるし。 そういうトゲトゲを防いだり緩和したりするためにも、 チームの中の打ち解けた雰囲気ってのは必要だと思う。 という訳で、ある程度和気藹々とした雰囲気で、 でも実を見たらちゃんとしっかり知識を身に付け、 そしてこれを可能にしてくれた死者に感謝の念を忘れない、 というのが俺としては理想の形の実習なんだよな。どうでしょ？ |
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