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〜ダメダメ医学生の京風日記〜 京の都に生息するダメダメ医学生、伯耕による日常生活記。 モテない王道を突っ走りながらも、萌えを求めてただ今奮闘中であります。 |
きのう いちらん あした
| 2002年04月04日(木) 人工心肺、作動！ 朝７時半前、医学部で中田氏と落ち合い、今日も心臓血管外科へ。 朝のミーティングでは冠状動脈閉塞における骨髄細胞移植の効果だとか 新しい臨床療法についての会議。動物実験についての話もあった。 その後教授が個人的にいろいろお話をしてくれた。 大学生活についてやら課外活動やら、そしてＵＳＭＬＥについてとか。 ＵＳＭＬＥはもし可能性があるなら挑戦してみようかな？ 俺はとりあえずこの５年を医学と音楽とバイトの３本に賭けるのだ。 その後、更衣室で服を着替えてマスクと帽子を装着し、手術エリアへ。 本日は大動脈弁置換手術だ。人工心肺を使うらしい。 １０時前、手術が始まった。皮膚の切開や胸骨の切断は さすがにこの前見てるから慣れたといえば慣れたかなあ。 それでも電気ノコギリで胸骨を一気に切断するのはさすがにねえ。 ３０分後には心臓が露出し、ここから人工心肺の接続が始まる。 俺から見えるのは上大静脈と大動脈。 まずは上大静脈と思われる場所に太いパイプが接続される。 そしていよいよ大動脈血流を人工心肺に流す準備が始まった。 穿刺して細いチューブを突き刺すとチューブから血が勢いよく吹き上がる。 さすが大動脈だなあ。血が吹き上がるところって見たことなかったよ。 しかしさすがに術者の手際も手早いものだ。チームワークを駆使して 次々とチューブが接続されてゆく。 そして、人工心肺担当の医師が「では行きます」、その瞬間、 装置につながる数々のチューブが一斉に真紅に満ちた。 体内循環が装置による体外循環に切り替わった瞬間だ。 そして、生まれた時から一時として止まった事のなかった心臓の鼓動が 徐々に徐々に小さくなり、そして、停止した。 さて、ここからが手術の核心、血の抜けた大動脈を切開し、大動脈弁を摘出する。 大動脈弁は既に石灰化し小さく固まっていた。これを慎重に取り出してゆく。 その間に直接介助の看護婦さんが人口弁の洗浄に入る。 人工弁は今回は生体弁を使うという事だ。写真で見たのと同じでちょっと嬉しい。 そして患部に糸を固定する白いワクが乗せられ、人工弁が糸で吊り上げられる。 多くの糸で吊り上げられた人工弁は大動脈に移植され、縫い合わされてゆく。 数十分後、全ての縫合が終った時点で大動脈は無事、閉鎖された。 さて、核心が終ると次は体外循環を体内循環に戻す作業だ。 二重構造になっているチューブを外側から外す。これも外すたびに血が吹き上がる。 すんごく異常な状況だけど、既に慣れてしまっている自分が不思議な感じだ。 一つずつ、チューブを慎重に抜いてゆき、後を縫合してゆく。 そしてチューブの血流が心臓に戻ってくるに連れて、 今まで止まっていた心臓が少しづつ動き始めた。徐々に徐々に、しかし確実に。 そして全てのチューブを抜き終えたとき、心臓は元のように再び動き始めた。 これは俺にとっては感動的だった。心臓をいったん止め、 止めた心臓が再び動き出す、生命ってすごいもんだよなあ。 そしてそれを可能としている医療も素晴らしいものだ。てか、すごいよ。 こんな事やってる外科医にますますほれ込んでしまいました。頑張るのだ。 胸膜の縫合に入った頃、既に核心部の執刀を終えた米田教授が話し掛けてくれた。 話は今回の手術の説明から入り、京大医学部、そして医学部生の体質、 米国医療から、世界をリードする外科医になるための心得。 俺にとっては刺激的な話ばかりだった。手術室でマスク越しに話してるとは思えない。 俺が心配していたことについても恐る恐る質問してみた。 俺は年齢的には３浪扱いだ。これは果たして不利になるのかと。 その心配はないようだ。米田教授もそういう時期があったらしい。 ３年の時間的ロスは、その間に得た貴重な経験とその後の訓練で逆転できると。 俺にとっては大いなる自信になったなあ。 それにしても、米田教授にはトップの外科医としての素晴らしい自信が感じられた。 手術が好きだし、患者を治す事が生甲斐だし、常に臨床を見据えた研究者でもある。 俺もこれから頑張ってみよう。より良い自分を試すために、 そして、将来俺に関わる全ての人に幸せを与えられるように。 手術は午後２時前に終わり、今日は病院を後にした。 総合人間学部で後期成績表をもらうが…フランス語一つ落ちてたー（泣）。 ラローズめー…。今年の午前中は語学に忙しくなりそうです。 その後中田氏と南部で遅い昼飯を食い、解散。 新勧イベントのいろいろな許可を医学部教務で取る。 その後内でちょっと足腰を休め(めっちゃ痛いんだけど…）、買い物。 ジャンプでシャンプーとリンス（←一番安いの）を買い、帰宅。 夜８時前、語学登録をしに医学部の端末室へ。 とりあえずメディアセンターの新システムは異様に使いにくい。 メールがWeb上で読めるのはいいけど、送信したメールはどこで見るのだ？ 語学登録もいろいろ判りにくいし、失敗じゃないのかねえ。 ９時過ぎ、ミューズホールで超久々にＨＡＴＯｏのライブを見に行く。 ちなみにバンマス、あさみ夫妻もご一緒。最近よくご一緒だねえ(笑)。 ライブは山中がヴァイモデルでしっとり系を弾くのが結構面白かった。 ハトゥーもいい曲やってるよなあ。なかなかいいバンドじゃないの。 ボーカルが途中で足つったりして結構受けたり(笑)。 後は永吉さんが永吉さん永吉さんしてたのが結構面白かった。 三条までバンマス夫妻と帰り、１０時過ぎ、帰宅。 明日は心臓外科最終日だ。何するんだろうねえ。 |
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