diary/column “mayuge の視点
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尊敬したいのよ

 今日もプロ野球の話。

 昨日書いた「球場という空間で野球を楽しむ」ことに無頓着な例が、まだある。

 球場で野球を観るとき、ほとんどの時間はバッテリーのあたりに視線を送っていることになる。だったら観客席は、そこに向かって設置されているべきもののはず。ところが横浜スタジアムの内野席では、椅子に対してまっすぐに座ると、外野フェンスが正面になったりする。つまり試合中はほとんど90度首を曲げていなくてはならないわけ。この設計、まったくもってナンセンス。

 こうして日本プロ野球に対する不平不満を言い出すと本当にきりがない。

 どうせまた宮城球場のファールゾーンは無闇に広いんだろうな。緊迫した場面で「外野ファールフライでスリーアウト」というのは演出上もよろしくないし、そもそも選手を近くに見られない。頼むから、観る側(買う側)の視点でモノを考えろよ。一般企業はみんなやってるよ、それ。

 どうせまたメガホンとラッパの騒音で、バットやグラブの快音が聞こえないんだろうな。どうして四六時中みんなで合わせて「応援」しなきゃならないの? 最近ではJリーグでも「みんなで一緒の応援」が行われている。嘆かわしい。なんとなくみんなで同じことをしてその連帯感がうれしいという、日本人独特の心理。「盆踊り」「パラパラ」「信号無視」と同じ。

 どうせまた選手たちは、オフにバラエティ番組でオチャラケちゃうんだろうな。「意外におもしろい人だ」「親しみやすい」という評価を狙って失敗し、「メジャーの選手のように尊敬できない」「頭が悪そう」という印象をもたれる結果になっている。自分の価値を、さらにはプロ野球選手という存在の価値を下げているのに、本人たちは一向に気づかない。

 いいですか、巨人の高橋投手。野茂や松井やイチローが、そんな姿を見せますか? 内輪だけでやってりゃいいんだよ、オチャラケは。ふざけた姿を見せて人気が出たのは、西武やヤクルトの黄金時代まで。今はもうそんな時代じゃないの。サッカーだって何だって、「このスポーツが大好きで、高いレベルのプレーをしたいんです、俺」という姿がスタンダードなの。観客はそういう姿に感動を覚えてるわけ。分かります?

 僕は球場に野球を観に行くたびに、「ああ、この人たちはこれだけ多くの人たちに感動を与えるんだから、年に2億円もらうにふさわしい」と感じる。田舎出身の「野球オンリー君」が出自だということで、服装や車のセンスが成金チックなのは許されるにしても、せめて意識だけは高く持っていてほしい。

 尊敬させてくれ、頼むから。

2004年12月08日(水)

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