先日、東京国際フォーラムで開催中の「人体の不思議展」に行ってきた。
実は先週末にも会場まで足を運んだのだが、あまりに混んでいて、見るのをあきらめたのだった。しかたなく平日に出直す。すいているという話の午後6時ごろに再び訪ねてみると、やっぱり混んでいた。なんだよ、すごい人気だな。それでもせっかくなので中へ。
女性が多い。しかも若い子の割合が高い気がする。たいていのものを「キショい」か「かわいい」、どちらかの形容詞で片付けてしまいそうなギャル系のコなんかもいたりする。意外だ。カップルや男女のグループもけっこういる。もっとこう、解剖フェチっぽいお兄さんが一人で来ていたりするのかと思ったが、そういうことではないらしい。
展示物はとにかく「人体」。ショーケースのなかには、スライスされた脳や、開けっぴろげの腹腔内から飛び出さんとする内臓類なんかが並ぶ。皮膚をはがされた人が何体もマネキンのように立っていたりもする。みなオチンチンも丸出しである。
表面が「ろう」のような質感なのでにわかには信じがたいのだが、これらはすべて「本物」。死んだ人から提供された臓器や、体そのものが、腐敗防止の特殊な処理を施され展示されているのだ。なんでもこの技術、ホルマリンとは違って臭いがせず、臓器も収縮ししない最先端のものなんだとか。
たしかに臭くない。むしろ僕の斜め後ろに立って子宮を観察しているサラリーマン風のオヤジのほうが臭い。
なかに入っている人体の部位によって、ショーケースの人だかりに差が出る。やはり脳は横綱格の人気だ。胃、肝臓あたりも集客力がある。肺も負けてはいない。だが、じん臓、すい臓はやはりマイナー感が否めない。同じようにがんばった内蔵なのに、ちょっとかわいそうだった。
ショッキングだったのは、「胎児」。大きさの違う数体の動かぬ赤ん坊が、目を閉じて横になっている。ひと月ごとに大きくなっていく様子がわかるようになっているのだ。
後からやってきた若い女の子が、連れの子にあっけらかんと言う。「ねえねえ、2ヶ月めから3ヵ月めの間に、チョーでかくなってない?」。そうだね。君もつくるときは計画的にね。それは言わないでおいた。
最後に「脳の重さ体感コーナー!」でずっしりとした脳を手のひらに載せてから会場を出る。卒倒しないように集中して見たので、腹が減ってきた。なに食べようかな。まさかモツ、レバー、タン、白子ってわけにはいかないよな。いまさんざん臓物見てきたばかりだし。
2004年01月25日(日)
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