diary/column “mayuge の視点
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初日

 午後11時50分、電話が鳴った。

 でもこの音は、電話じゃなくインターホンの音だ。こんな時間、誰だよ? どうせ他の部屋の番号と押し間違えた奴がいるんだろう。

 saruだった。

 どうしたんだろう、こんな時間に? オートロックの扉を開ける操作をして、受話器を置く。

 あっ、そうか。もう少しで誕生日か。俺の。

 saruとAmaliaがケーキを持って来てくれたのだった。全く予想もしていなかったので、少し驚いた。

 でも毎年のことだが、自分の誕生日というのは何だかピンと来ない。自分が祝ってもらうというのは、落ち着かない。逆の立場なら燃えるんだけど。

 リアクションが小さくて、二人には悪いことをしちゃったな。でも正直うれしかった。こうして祝ってくれる人がいるというのは、有難いことだと心底思う。

 いきな計らい、どうもありがとう。


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 今日で三十になった。

 思ったより、年齢に対してあまり感慨はない。昨日から今日で急に年をとったとも思えない。もうとっくの昔に三十になっていた気がするくらいだ。

 十の倍数という、数の性格上、区切りではあると思う。次の十年を、また充実させたいと思う。

 今日は三十代の初日。

2003年09月05日(金)

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