DOTFAMILYの平和な日々
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2010年06月18日(金) MeadのComposition Book 1:出会い

昔々、う〜ん、高校生の頃だったか大学生の頃だったか定かではないのだが、植草甚一という人が書いた本に凝っていたことがある。(あの人は一体何者だったのだろう?)で、その中の一冊に彼がアメリカに旅行した時のスクラップ・ブックの写真が載っていた。黒っぽい表紙の何の変哲も無いノートに何でもかんでも貼り付けてある、という感じだった。書き込みもたくさんあったから、あれはスクラップ・ブックではなく、日記帳だったのかもしれない。普通のノートに「こういうものは普通貼らんだろう」という物まで貼ってあるのだから、1冊のノートが3、4倍に膨らんでいる。そんなノートが何冊も紐で束ねてあった写真は、今でもよく覚えている。(題名は忘れたけど。)どうやら、彼はそのノートを愛用していて、アメリカ旅行の記録だけでなく、日本でも、日常に使っていたらしい。そもそもスクラップが好きな人だったようですな。

それにしても、あれだけ貼り付けて膨らませても壊れないというのは相当頑丈なノートではないだろうか?私もそういうノートが欲しい!と心から思った。が、あれはアメリカのノートであって、当時日本では手に入らなかった。多分探せば手に入ったのだろうが、当時の私はそういうものを探す手段を知らなかった。大学生の頃、片岡義男という人が書いた「スリー・リングのバインダー」という本(題名だったか副題だったか忘れたが・・・あまり興味ある作家ではなかったので)を友人から借りて読んだ後、「スリー・リングのバインダーってアメリカでは一般的なんだよ。銀座のソニー・プラザで売ってるよ。」という友人の言葉に、「スリー・リングのバインダーがアメリカ製でソニー・プラザに売っているなら、植草甚一が使っていたノートも売っているかもしれない。」と思って、見知らぬ街銀座まで脚を伸ばしてみたのだが・・・無かった。(私は大学は東京だったが大学周辺しか知らない・・・銀座など数えるほどしか行ったことがない。当時から繁華街は苦手だったのだ。)

時は流れ・・・アメリカに引っ越してきてからまず探したのがそのノートである。というか、探すほどのこともない。あのノート(Meadという会社が作っているComposition Book)はスーパー・マーケットでもコンビにでも売っていたのだ。

「おお!やっとお会いできましたね!」

とにかく感動した。たかがノートでと思われるかもしれないが、結構思い入れがあったノートなのである。表紙が厚紙、というか厚手の馬糞紙(とうものが昔あった)で出来ているという感じで、その厚紙に黒と白の斑の紙が貼り付けてある。表紙が厚いから、膝の上でも立ったままでも書き込める。そして糊ではなく、ちゃんと糸で綴じてある。だから、色んな物を貼り付けても簡単には壊れない。紙質も良く、ちょっとやそっとでは破れないが、1枚1枚は薄い。罫線間の幅は大きく、大学ノートの1.5倍位あるのではないだろうか?だから小学生にも使いやすい。もちろん安い。それ以来、私のノートは全てこのノートである。アメリカに来て以来、日記帳(というか日誌帳)はずっとこれを使っている。

さらに時は流れ・・・1995年(だったと思う)にSevenという映画が出た。Brad PittとMorgan Freeman出演していたサスペンス映画である。その中に犯人のアパートを捜査するシーンがあるのだが、彼の本棚にはMeadのComposition Bookがずらーっと並んでいる。(映画のプロローグは彼がこのノートにスクラップしたり書き込んだりしたりするシーン。)彼はそのノートの1行を3行に使って小さな文字でびっしりと何かを書き込んでいる。ナントそんなノートが2千冊ほどあったそうである。(そんなにあるようには見えなかったぞ。)いやぁ、私は本がずらっと並んでいるのにも感動するが、使用済みの同じノートがずらっと並んでいるのには更に感動しますな。フィクションとはいえ、強烈なイメージであった。あの映画は映画自体も好きなのだが(Morgan Freeman好きだもん)、あのシーンが見たくて、未だに定期的に見直している。

うん、そう、私は小さな頃からノートが大好きなのだ。服なんぞは着ていれば良い、車も走れば良い、宝石類には興味が無い。が、好きな物には拘る。たかがノート一冊でも拘る。それも必死になって探し求めるのではなく、心に留めておいて出会いを待つ。それが何十年であっても、決して忘れない。私にはノートだけでなく、そういう物がたくさんある。

そういう物に出会った時って、本当に幸せだよね!


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