お茶の間 de 映画
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2004年07月17日(土) 「ケン パーク」 ラリー・クラーク監督、ついにここまでヤったか。その度胸と不屈の挑戦魂に拍手。日本以外ほとんど上映禁止。

KEN PARK ケン パーク【KEN PARK】2002年アメリカ=オランダ=フランス《18禁》
監督:ラリー・クラーク/エド・ラックマン
脚本:ハーモニー・コリン 
撮影:エド・ラックマン/ラリー・クラーク 
 
俳優:ジェームズ・ランソン(テート)
  ティファニー・リモス(ピーチーズ)
  スティーヴン・ジャッソ(クロード)
  ジェームズ・ビュラード(ショーン)
 アダム・チューバック(ケン・パーク)
  ウェイド・アンドリュー・ウィルアムズ(クロードの父)
  アマンダ・プラマー(クロードの母)
  ハリソン・ヤング(テートの祖父)
  パトリシア・プレイス(テートの祖母)
  メーヴ・クインラン(ショーンのGFのママ、ロンダ)
  ジュリオ・オスカー・メチョソ(ピーチーズの父)
  マイク・アパレテグイ(ピーチーズの彼氏、カーティス)

ストーリー用ライン


カリフォルニア州ロサンジェルス郊外、ヴァイセリア。

スケボーで軽快に滑りながらも精気のない表情の少年、小さな子たちが遊ぶ児童公園の滑り台のてっぺんで、拳銃で自殺した。
彼の名はケン・パーク・・・・・・。

ショーンは今日もガッコさぼってGFの家へ。もち彼女は今学校だ。家には幼い末っ子がすっぽんぽんにしたお人形で遊び、この家の主婦、ロンダは洗濯物をたたんでいる。
ナニしに来たかというと、ナニしにきたのだ。
ロンダに丁寧にクンニしながらショーンは思う。
味もニオイも母娘で一緒だな、と。

テートはヒッキー。
めったに自室から出ない。パソコンとTVと車型のコドモっぽいベッドでいっぱいの部屋に三本足の飼い犬と籠もり、あれこれ世話をやいてくれる祖父母をなじり、殺意すら。
TVに映る、試合中のテニスプレイヤーを眺めながら、気絶寸前まで首を絞めつつマスターベーションする・・・・。


クロードもブラブラしてる。
マッチョマンの父親は失業中でひねもす筋トレをし、ビールをあおっている。だらしなくパンツ見せスタイルでスケボーなんぞしてる華奢な息子をみるとムカつく。
ブチ切れてスケボーを踏み割ってしまった。
ゴツい夫と違い自分に似ているクロードを溺愛する母親は臨月だ。夫にも息子にも何も言わず無関心。
まさかこのマッチョな父が、息子におぞましい欲望をおぼえムラムラしていたとは・・・・。


ピーチーズは年のわりに色っぽいユダヤ人の少女だ。
褐色の肌に黒い髪がエキゾチックでそそる。
亡くなった母に年々似てくる。
病的に信仰心の強い父親の前では、かりてきた猫のように
可憐で清楚な娘を演じているが、ボーイフレンドと自室でナニしてるかというと、彼をベッドに縛り、フェラに夢中。

パパに見つかっちゃった!怒り、なじり・・・そこまではどの親も
当然するだろう。

激しい折檻のあと、ピーチーズの父がとった行動は!?
亡き妻の婚礼衣装を引っ張り出してくると・・・・・。

ケン・パーク?そばかすだらけの気弱そうな子だよ。
そんな強烈な人生おくってる仲間内じゃ、いちばんフツーの少年。
誰かさんみたいにパパにフェラされたりもしてないしね。
ガールフレンドのことなんて、悩みのうちに入らないのかもしれないけど、ケン・パークは死にたくなっちゃったのさ・・・。


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コメント用ライン


ラリー×ハーモニー、またヤっちゃいました。
けっこうな高齢なのに相変わらずイキがいい。
イっちゃってます。

アメリカ映画独特のジャンル、“郊外モノ”(『アメリカン・ビューティー』『アイス・ストーム』『ヴァージン・スーサイズ』
『ストーカー』etc)の典型でありながら、とことんまで極めてしまっている。

オソロシイのは、これらのエピソード、監督の知人、友人の実話も含め、アメリカで実際にあった崩壊家族のエピソードがベースになっているという。
病んでいるとかそんなカワイイ表現じゃ足りんわい。

音もリアルなフェラ、クンニ、手マン、3P、フェチ、オナニー、近親相姦未遂、親子どんぶり・・・・・・・。でも官能は、はっきりいって、ない。
コドモが暇つぶしや気を紛らわすためにする砂いじりレヴェルの
イタズラに見えるんだな。
少年たちが“する”場合のセックスはね。

されちゃうほうは、ちと身の毛がよだつんだが。

日本でしか公開されなかった理由(その後、フランスでは公開されたもよう)は、明快。
日本じゃあり得ないからさ。
欧米じゃ、“あり得そうなリアルさ”がヤバすぎて公開できないに違いない。

性根腐ったコドモは悪い親と社会の犠牲者にして同時に加害者。
メビウスの輪のようにこの連鎖は続き、鶏か卵か・・・・。

コドモとオトナの違いは何なのさ、っていったら、社会的に生産的な活動を行っているかどうかってのも1つの基準だけど、
失業して職探しもせずダンベルで遊んでる男は、ガッコさぼってピストン運動してるコドモとどう違うのか。

特殊な町の特殊な人々のヘンテコな日常を面白オカシク描いた
だけじゃない。
これが、ありえねーからポルノっぽい青春映画として上映できてしまう日本は平和すぎて危機感に欠けるのか、あるいはその危機に気づかないほど、もう中産階級のぬるま湯の落とし穴に国全体がズボっとはまってしまっているのか・・・・・。

食うのに精一杯じゃなくなった人間が次にナニするかっつったら、
退屈を埋めるためにナニしちゃって、ナニしすぎちゃうとどうなるか。
衣食住足りて礼節を知る、ということわざがあるが、
そうありたいね。

衣食住足りて、孤独を知る現代人へ・・・・。


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