ヤツザキ・ヴァニシング・ポイント |
以前に会社のリレー自己紹介というやつ(リレー形式というかいいとも形式というか、とにかく社内報に載る自己紹介バトン)が回ってきたとき、 「ああ!わしの特技ってなんだっけ!?」 と特技の欄にたいそう苦しめられたことがありました。 そろばんができるわけでもない、ベロでさくらんぼの紐を結ぶこともできない、 かといって剣玉ができるわけでもない。いわゆる特技を全然マスターしないまま長年生きてきたことをだいぶ後悔しましたが、 ・電話で男によく間違えられる ・目がいい ・声がでかい などということを思いついて、とりあえず「電話で男に間違えられやすい」というのを特技の欄に書いたのだった。 でもこれって、よく考えたら「特技」ではなく「特徴」だった。 わしの特技は! 似顔絵を描くことと包装でしたよ。 あと雑誌などの写真を上手い具合にハサミで切り抜くのも得意。 ・・・あ、要するに工作が特技だったのか。 しまったなー。そう書けばよかったなー。
と、いろいろ書きましたが、私のもうひとつの特技?特徴?に 「直感的にモノを決める」 「わけわからんほどのフットワークの軽さ」 というものがありました。 私は迷うけれど、一度腹を決めたらあまり迷わない人間なのだった。それはわけのわからない行動力に溢れていたからだ。もう、これだ!と思ったらそれに向かって一直線となり、形振りかまわず突っ走っていくというのが私であった。 前に日記にも書いたことあったな。 ここだ→「ヤツザキVSマサコ」
なぜ、「だった」「であった」と過去形になっているのかというと。
ここ最近のわしは、決めた後もぐずぐず迷ってしまっているのだよ。
この答えは間違ってるのかもしれない、やっぱりダメなのかもしれない、とかぐ ずぐずしっぱなしなんですよ。
ここ2ヶ月くらいの間、いろいろなことがあって、 でも普通に生活もできているし、むしろ自分改革!革命!チェンジザワールド(自分内)!と頑張ってきたのだけれど、 わしは知らないうちにわけのわからない行動力を失ってしまっていた。 弱虫になるのをやめようとがんばってましたが、前よりも弱虫になっている。ような気がする。 いや、自分に向かっては一歩踏み込んだのだけど、外に向かっての一歩が、もう全然踏み出せなくなってしまった。 前に書いた日記風にいえば、私は「ヤツザキさん」(=わけのわからない行動力に溢れている方の私)を失いつつあるのだった。
まあ、決定的に自信がないほうの人=マサコさんを大事にすると決めたから、それはしょうがないのかもしれないけどね。 いやー、しょうがないじゃないや。 どうして両立できないのかねえ。自分を二股してあげたいのだけど。
と、自分に疑問形で投げかけてみましたが、よく考えればわかることで、 要するに「わけのわからない行動力」が打ち砕かれる出来事があったからなのだよな。 前の日記に
>わけのわからない行動力が溢れてくる時は、自分でもよくわからないのだが、 >頭でうじゃうじゃ考え過ぎる時、な気がする。今までそうだったから。 >で、このわけのわからない行動力というのが自分でも計り知れない。 >わけのわからない行動力が発動すると、たいていのことは実行されるし、 >たいていのことはなるようになる。たいていのことは思いもよらぬ着地点に向かう。 >不思議なことにそれは絶対に後悔するようなことにはならないし、 >最初に想定していた着地点よりもはるかにおもしろいところに辿り着いたりする。
と書いたのだけれど、今回のうじゃうじゃに対しては、 わけのわからない行動力ではどうにもならなかった。 なるようにもならなかったし、 思いもよらぬ着地点にも向かわなかった。 なによりも、「絶対後悔するようなことにならない」というのが まったくダメだった。後悔、後悔、また後悔の雨嵐だ。毎日土砂降りだ。
それで、行動力を発揮することにずーっと臆病になってしまったのだよな。
世の中には自分の力ではどうにもならないことがある。 というのを身をもって知ってしまったというか。
というわけで、行動力を発揮したい、でも発揮したところでどうにもならない、ということで毎日グズグズしてました。腐ってました。 友人にそのあたりの話をしたら 「発揮すればいいじゃん。今までそうしてたんだし。さらっとやれよ!」 と言われました。 言われたけれど、 「でも、発揮してみて、何もなかった時に自分がものすごく落ちるのが怖いのだよ。ダメージ受けて立ち直れなくなるのが怖い」 と返しましたところ、
「うわ!やっさんの口からそんな言葉聞きたくなかったわー」
と言われて、あああ、そうだ。 ホントその通りだなーと思った。 ヤツザキさんはどこに行ったのだろう。 わしは、自信のない自分も大事にしてあげなきゃいけないんだけど、同じくらい行動力に溢れている自分も大事にしなきゃ。いや、大事にしたいのだよ。
その後、別の友人に同じ話をしましたら、 「自分で自分のやり方を思い出せるようになるまで、私はアドバイスはしないよ」 とのことでした。 この友人は(前述の友人もだが)、行動力に溢れているほうの私を、ちゃんと覚えててくれたのだな。 私だけが、それを忘れていた。ほんとは大事にしたいのに。 ああ、本当に自分を救えるのは自分しかいないんだな。
そして土曜日。偶然、遠方からやってきた友人がたと会いまして、いろいろと歓談したのですが、その時もいろいろ話しながら「自分の殻を破ることが出来るのは自分だけなんだな」と思った。 怖いけど。 前回の日記にも書いたが、自分で決めてやることならば、怖さも自分で背負える。 覚悟ってこういうことなのね。
というわけで、今までグズグズしていた件について、日曜日に実行してみたのですが(実行する前に手が震えた。私はそんなに恐れていたのか)、 なんてことなくあっさり失敗に終わりました。 あんなにさんざん恐れていたことだったのに、 あまりにもアッサリ失敗だったので、落ちもしないし、ダメージも受けなかった。 なんだ、こんな簡単なことだったのか、と思った。 すべてのことは簡単だな。 難しいと思っているのは自分だけ。 簡単だけど、永遠に難しいまんまなんだなー。
ヤツザキさん=わけわからん行動力すら、全然取り戻せなかったな。。
なんかもー、このまま「ヤツザキ」は消失してしまいそーだ。
でも後悔はしてないだけ、いいのかもしれん。 ちょっとだけでも、そうやって前向きに考えていくしかないなー。 やっぱり、すべてのことは簡単で難しい。 わしはいつになったら完全な自分になれるんだろう。 自分で自分を工作していくしかないのだなー今あるパーツで。 いろんなやり方駆使して。
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2008年07月14日(月)
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