股・戯れ言
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もてないギャング・オブ・フォー

あれは去年の9月に友人と秋葉原のメイド喫茶に潜入した時のこと。
夜も遅い時間であったため、ぱっと見ですぐにわかるメイド喫茶はほとんど閉店。それでもせっかく秋葉に来たのだからメイド喫茶に行ってみたいという気持ちに駆られた友人と私は、一見普通の喫茶店に見える地下の店に入ったのです。なぜそこがメイド喫茶だとわかったのかというと、アキバ男子たちが出てくるのを見たから。
ごく自然に「おかえりなさいませ〜」と私らを迎えるメイド。おお、これがメイド喫茶か。感慨もひとしお。
私らは喫煙席を希望したのだが、「喫煙席は満席で、禁煙席ならお通しできるんですけど・・・」と言われて喫煙席に目をやる。
呆然とした。
白い煙の向こうは脂くさいヲタ男性ばかりで埋め尽くされていたのだ。
脂ヲタどもはさっさと帰れバカとも思ったのだが、一拍おいて思いなおす。
ここは彼らの楽園。理想郷。イデア。
むしろアウェイは私らのほう。文句は言えまい。おとなしく禁煙席に引き下がる。
ふざけた名前の料理ばかりが掲載されているメニューを見ながら、やたらと高い飲み物を飲みながら、先ほど見てきたライブの話をしながら、店においてあった「アキバガイドブック」(表紙がやたら脂でベトベトしている)を広げながら、私も友人も絶えず喫煙席の彼らをチラチラ見ていた。見ずにはいられなかった。
そのほとんどのテーブルが男性4人組で構成されていたからだ。
そして禁煙席にも男性4人組がやってきた。
待合席にも男性4人組が。確かひとりはリラックマのぬいぐるみを抱いていた。
4人組は絶えることなく増殖していく。

ああ!
秋葉原スタンダードはギャング・オブ・フォーなのか!


それ以来男性4人組を見ると「この人たちはもてない集団なんだな」と思うようになりました。
とんだ偏見であるのは百も承知なんだが、どうしても4人組=もてないギャング・オブ・フォーと思ってしまうのです。これは何もアキバ系男性だけに限ったことではない。「男4人で海外旅行」なんてのも私の頭の中では=買春ツアー=もてないツアー=結局もてないギャング・オブ・フォーと変換されるようになっているから。「花より男子」のF4なんかはよく知らないが。

で、今日は秋葉原の対極である原宿に仕事できておるのです。(ライブ中継)
しかも仕事先は竹下通りのド真ん中。何故そのようなところに駆り出されているのか自分でもわけがわからないのだが、まあ、ひとつの普遍的な事実を手に入れたのでヨシとしよう。

「裏原宿の男4人組もまごうことなきもてないギャング・オブ・フォー」

昼飯を食うために裏原宿の店に入った際、入り口に近い席に座っていたら、男4人組が2組ばかり入ってきたのです。
もちろん脂臭さゼロ。それどころか香水の香りがしたし、服装だってアキバファッションの正反対に位置する「SMART」やクールトランス(今もあるのか知らないが)を読んでるようなカジュアルぶり。たぶんTシャツ一枚買うにしても8000円くらい平気で出すんだろうな。聴く音楽もおそらくレミオロメンやアジカン。おっしゃれー。スマート。クール。
あまりにも普通のおしゃれな男子たちを久々に見たので、私には2組の区別がまったくつきませんでした。
そんないまどきの男子たちでありながら、なんというか、

「無臭」「潔癖」「汗をまったくかかなそう」「ザーメン臭がしない」「精子薄そう」

ということを感じさせるわけですよ。たぶん彼らはオナニートークなんてのも当たり障りのない程度にしか話さないんだろう。
何を言ってるんだ、と思うかもしれないが私は普段男性ばかりの中で生活しているので「オナニーなんて(赤面)」とか「AVほとんど見ないんです」とか言う男子たちは本当にいる(1割以下だが)のを知っているのですよ。
そういう男子たちでも彼女を欲するのですが、彼らは「彼女とイチャイチャする」以上の能力を持ち合わせていないような気がするのです。というより、「彼女がいる」という事実だけで満足してしまっているようなフシすらある。
なんだかなー。
男なら、突き刺してー(つきさしてー)突き刺してー(つきさしてー)という道が選べるというのに勿体無いなと思ってしまう。(←アラジン調でお願いします、カッコの部分)
もてないギャング・オブ・フォーというか、この4人組のうち一組は合コンしたいギャング・オブ・フォーという具合だったな。まあ広義の意味でのもてないギャング・オブ・フォーってことで。
しかしもう片方の4人組はもてないギャング・オブ・フォーでしょう間違いなく。
最近のおしゃれ男子たちは帽子を被っているので、帽子を脱ぐまで気がつかなかったのだが、そのうちのひとりが見事なオンザ眉毛だったのです。デザインカットっつうのか?ジャニーズJr.や最近田舎や渋谷に増殖中のやたら髪の毛を立てる/でも前髪は右側だけ長い(NEWSの山下みたいな髪型)ではなく、「フェミ男」ともてはやされた頃のいしだ壱成のような、「ドク」の時の香取慎吾のような、そういうおしゃれな表参道の美容院で切っちゃった、というような髪型。服もよく見たら「SMART」ではなくヴィヴィアンのような服であった。
で、話す内容が
「××はー服のセンスないくせに威張っててむかつくわー」とか
「●●の指にクロムハーツの指輪がはまっててマジ古ィと思ってさー」とか
「△△△でセールで買った服が2万だった」とか
とにもかくにも一にも二にもお洋服の話のみ。きっとバンタンに通っていることであろう。きっと世の中にある職業は「デザイナー」「美容師」「洋服屋の店員」「DJ」のみだと信じて疑わないのだろう。あ、そういや他の話もしていたな、「テクノ系クラブイベントをやる」という話。案の定過ぎてイヤになるな。この世の中で一番正しい価値観は「おしゃれ」という考え。エロ本もおしゃれなものしか読まないんだろーなー、河原や橋の下に落ちている濡れた土方エロ本とか読まないんだろーなー。ああイヤダイヤダ。おしゃれなエロ本ってなんだよ。それこそSMARTに載っていた「ちんかめ」ですか。あんなのエロじゃねえよ、エロってのは生々しいものなのだから。



2006年01月11日(水)

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