股・戯れ言
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高血中アルコール濃度圧ガール 中編

怒涛の更新。
ヒマなわけじゃあありません。

4/1

作業当日。
前日の酒がたんまりと残っていたがのろのろと外出。
いやぁ、どの酒を飲もうが、翌日、かがんで机の下に潜って電源やケーブルを抜いたり差したりするために下を向き続けていれば気持ち悪いね!
下を向くのが心底しんどかった。
下を向くと、口から手を突っ込まれて内臓を引っ張り出されそうになるのである。
そして頭にもずくが絡まってるような感覚に陥るのである。

だったらそんなに飲むなっつう話なんですけどね。
作業先でお茶を出してもらったんだが、それを飲んでも水分が足りやしない。
南国での作業は心なしか他地方よりも陽気なもんであった。
いい意味で緊張ストレスから解放されているというか。
しかし、作業場に来ていた別の業者の人の浮かれっぷりはハンパなかった。
作業しているというのに電話で「俺ね、今、沖縄来ちゃったのよぉ、うらやましいでしょぉ?あ、今日頼んどいた弁当、食べちゃっておいてねーケケケケケ」とか自慢し続けてた。
仕事中に言うなっての。
ハタで聞いてた人間全員苦笑。

作業は滞りなく終了。
終了後は秋田のときと同じく、お客さんと泡盛を買いに行く。
事前に「泡盛はスーパーや酒屋で買うといい」と聞いていたので迷うことなくスーパーへ。いろんな泡盛があるなーそしておみやげ屋より遥かに安いな。
しかし私もお客さんも昨晩飲んだ「かねやま古酒20年」の味が忘れられなかったのだった。もはや贅沢病の域。
だがそれはスーパーで売っているわけがなかった。一杯3400円だもんな、一本ならばいくらなのだろう。
で、結局スーパーで買ったのは「のまんじゅう」だけであった。
その後国際通りに出て探したのだが見つからず。
ただ、普通に買ったら2万5千円くらいすることがわかった。たけーよやっぱ。
購入したのは「残波ホワイト」でした。普通だったわ。

その後牧志に出て、市場に行って島らっきょうを買ったり豚の頭を見たりして普通に観光。らっきょは臭いけどうまい。
この市場の辺りも含めて、沖縄は台湾に似ているなぁとつくづく思うのです。
距離的にも近いからだろうか。
市場の食堂は「ランチタイム 午前11時から午後9時まで」と書いてあった。
そういうユルさも台湾っぽいよ。

まあその日は酒が残っていたので沖縄そばくらいしか食えなかったが。

お客さんはその日で東京に戻ってしまった。
さあ、こっからがバカンスの始まりである。(前日の飲みはバカンスに非ず)

といっても、沖縄は夜になったら一気に天気が悪くなってしまった。
天気が悪くなる前から具合が悪かったし、状況も悪かったし、腹の具合も悪かった上に気分も悪かったという悪いこと尽くしだったのでホテルでダウンをしていたのだった。
いわゆるふて寝というやつか。
まあ起きたら軽くメシでも食って「観覧車」に再び行こうかなと思ってたら
起きたらすでに夜10時過ぎだった。
なんか腹も減ってないし、そのまま観覧車に行ってしまえ、と思い雨が降る中「観覧車」へ。
この日は金曜日だったので、金曜の夜は混んでるのかなー座れないのかなーなどと思ってたんだけどまだ混みだす前だった。よかった。
「名刺忘れてっちゃたでしょー」とやっぱり指摘される。ごみんなさい。
で、着いて早々にやっぱり泡盛。

前日まで泡盛に怯えていたのはどこのどいつだったんだ。

前日はマンヨッパだったので気がつかなかったんだが、壁を見てみたらエンケンのフライヤーが沢山貼ってあった。
わー!エンケン好きのママさんの店だったんだ!
うれしくなってエンケンの話をいろいろとしていたら、店のBGMも「幾つになっても甘かあねェ!」にしてくれた。
うひゃー。沖縄でエンケン聴きながら飲めるなんて!感無量。
純音楽の道や男のブルースにしびれつつ、幾つになっても甘かあねェではゴゴゴーとかコーラスを入れてしまう。
沖縄で四畳半ロックな気分になれるとは!
電氣菩薩からエンケンに繋がるなんて、この店と知り合うのは必然だったのかもしれません。絶対に縁があったとしか思えない。

その後、お客さんが何人か来て、映画の話になる。
スコセッシの話やらタランティーノの話やらをしていたのだった。
スコセッシといえば、かの「タクシードライバー」も藤村さんとこで出している純米酒になってるし。
なにかといろんなことが結びつく場だと思った。
と、その時、前日もこの店で会ったおじさんが「映画に出たことあるよ!」というので何の映画かと尋ねたら

「ザ・カラテ」

というやつだった。
この時はその映画がどんな映画か知らなかったので、マス大山の極真空手ものなんだろうなぁと思ってたんだが、その後調べてみたら

>黒い強拳、世界を制す!世界の強豪、日本に集結!
>その真っ只中に帰ってきた、沖縄小林流七段・山下タダシの閃光必殺技!
>ブルース・リーに古武道を指導し、
>全米に空手ブームを巻き起こした男・山下タダシが、
>日本凱旋主演第1回作品として、空手の真髄を披露した痛快アクション映画。
>キャストは山下タダシを中心に、山城新伍、堀越陽子らが出演している。

というシロモノだった。
沖縄小林流七段って!
ブルース・リーに古武道を指導したって!
なんて「映画秘宝」の匂いがプンプンする映画なのだ。
でもそのおじさんはただのヨッパの陽気なおじさんで、やたらとオリオンビールを飲まされた。
そういうさりげなさがいいんだよな、沖縄は。
サブカルがサブカルをひけらかさずに、自然にそんな話が飛び出るあたりが。
(ああ、清酒タクシードライバーも映画秘宝と縁のある酒だったわ、いろんなことが本当に繋がっているなぁ)
この時、なつかしの歌謡曲がBGMでかかってたんだが、相良直美の「世界は二人のために」が流れたら「この人ホントにレズだったんだっけ?」とかいう話になってた。

その後に来たお客の人がこれまた不思議な人だった。
もうすでにマンヨッパで来店したらしく、英語で大声で歌う歌う。
さっきまでいた人たちも陽気だったが、輪をかけて陽気で泡盛のうんちくを話したりする(歌の合間に)
AORをこんなに聴いたのは久々かもしれん。
ママが「お客さんに合わせてBGM変えるの」と言ってた。

名刺を貰った。
名前、読めにゃい・・・!
でも社長って書いてあった。
酒卸問屋を経営しているらしい。そら泡盛に詳しいわけだ。
それ以上にえらく気分よく歌うので、社長さん感は皆無であった。
「ギター弾く」とか言い出してたし。その場にないのに。
それにしても沖縄の人ってその場で仲良くなるのがうまいね。まあ酒の場だから尚更なのかもしれないが、ホントに普通に皆話してて、「知り合いですか?」と聞くと「ううん」とあっけらかんと答える人が多いのに驚く。
まあ、なんにせよ、隔たりなく飲めることはいいことだ。
あと年齢の隔たりも感じさせずに飲んでくださる方が多くてこれも大感謝。
幾つになっても甘かあねェが、幾つになってもこういう風に飲んで行きたいものだ。

そんな感じに夜も更けたので、「観覧車」を出、社長さんに連れられ社長さんの知っているカラオケスナックへ。
沖縄に来てカラオケスナック行くとは思わなかった。
ディープ沖縄おもしれー。
店に入るとママさんがマラカスを振っていて陽気ぶりがビンビン伝わってくる。
そして「公務員何が悪いさー」と管を巻くおじさんに、
「硝子坂」を熱唱するクラブのチーママがいるという
ほんとにディープな空間だった。
私ももうすでにヨッパだったのでおじさんがアツく語ってる姿を見て「いやぁ、沖縄、おもしれーなー」を連発してたのだった。
そんで「笑うところじゃない!」と怒られたけど。でも陽気だったのでゲラゲラ笑ってたけど。
調子に乗って「冬のリビエラ」を歌ったりもした。「森進一離婚記念!」とか言って。


そんな具合にその日も大いに酔っ払って終わったのだった。
沖縄は、皆が同じレベルに酔っ払ってくれるので自己嫌悪しないで済むのがいいよ。


2日間が酔っ払ったまま過ぎ、ついに翌日は最終日・・・


ではない。
ホテルでダウンする前に、帰りの便を日曜に変更していたのだった。
そういうことは忘れません。
すなわち、2泊3日の旅ではなく
3泊4日の旅になってたわけだ。

ホントに沖縄おもしれーよ。
2000マイル飛び越えた甲斐あった!
連れて行っておくれどこまでも、高気圧ピープルたちよ。

自分の中で沖縄に対する憧れがいまいちなかったとか言ってたのはどこのどいつなんだ!まったく!


続く
2005年04月13日(水)

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