股・戯れ言
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アイ・ワナ・ビー・ヴァルキルマーを犬にできる身分(本編)

というわけで見てきました「アレキサンダー」
いや、正確には「ヴァル・キルマー演じるフィリッポス2世」を見に行ってきたわけだが。
私にとってのアレキサンダーは「集英社刊 世界の歴史第2巻」のアレクサンドロス大王なのです。この世界の歴史シリーズは本がボロボロになるまで読んだものだ。3巻の秦の始皇帝とか項羽と劉邦も好きだったなーカール大帝もヒゲ面で好きだった。(考えてみればああいう児童漫画に出てくる英雄は皆、ヒゲつきだったわ。それが今に至るヒゲ好きのルーツなんだろうか)
今でも手に入るほうの「集英社刊 世界の歴史」じゃないので要注意だ。って誰に対する忠告か。
この他にも、学研から出ていた「世界の冒険・探検事典」というのがフェイバリットでした。これにもアレキサンダーの東征のことが書いてあったような記憶が。いずれにせよ、そんな児童漫画で接していたアレキサンダーっつーかアレクサンドロス大王は「こげ茶、あるいは黒い髪」だったのでコリン・ファレルのド金髪ぶりにはやや違和感を感じていたのだった。
まあ、でもコリン・ファレルがアレキサンダーになりきっていたので最後は違和感も和らいだけど。それでもアレキサンダーの軌跡の飛ばしっぷりはなんだよオイとは思わされたけどな。


詳しい筋はともかくとして、これは「肉食版日出処の天子」だなぁ、と思う。
肉食でもヤンキーでもトリプルエックスでもなんでもいいんだけど、要するに「西洋人が日出処の天子を書いたらこういう風になるんだろう」と思わされたわけである。それはアレキサンダーが同性愛者だったからっつうことばかりでもない。そもそも愛の形態が違うので、この同性愛という共通項はむしろ無視してもいいかも。父や母、母に象徴される女性、部下たち、そのどれとも相容れることのできない感が厩戸王子を思い起こさせるんだよなぁ。とくに母との確執か。
といってもこの確執の形態もアメリカ人の書く話なので、日出処の天子のような「干渉しないことによって生まれる、無言の違和感/すれ違い」などはまったく存在せず、むしろアメリカ人は過剰なのでガンガン干渉してくるわけですが。
日出処の天子全体に共通する「秘められた」というものは見事に削ぎ落とされて、「積極的・直接的」がソレに取って代わっているあたりが非常に肉食的っつうか西洋的なのです。
そんなふうにアプローチはまったく違うんだが、アレキサンダーも厩戸もすんげえ頭がいいのに自分からバカな真似をして、しかもバカな真似をしたと自覚しちゃって孤独や自己嫌悪に陥ったりするのです。
自己嫌悪とか孤独とか恐怖とかそういう一切のものから逃れるために外に目をそらすあたりも共通点だなこのおふた方。実際はそんな自己嫌悪なんか微塵もなくて、「俺、もう自分大好き!俺のことをみんな尊敬してくれ!」と思ってたかもしれないけど。そうではないと心から信じたい。
まあ、所詮「西洋人の描く」日出処の天子だから、山岸涼子にはとうてい叶わないのだけれど。
それでもヘファイステオンを失った後のアレキサンダーの絶望ぶり、そしてヤケっぷりは泣けた。あまりにも直情的で。あまりにも脆くて。あまりにも弱い個体すぎて。

と、いろいろと思いつつも、やっぱり隻眼髭面のヴァル・キルマーが画面に映し出されるとニヤつかずにはいられませんでした。前半の三分の一くらいしか出てこないのかと思ったら、後半もサブリミナル的に出てくるので目が離せないったらありゃしねぇ。
粗野なんだけどいいことを言うんだよフィリッポス(つかヴァル・キルマー)。
うっすら胸毛なんだけどいいんだよフィリッポス(つかヴァル・キルマー)。
ああ、思い返しただけで
ポワーン.:*゚..:。:.::.*゚:.。:.
というか、本当のことを言うと昨晩、映画館出てからヴァル・キルマーのことしか考えておりませんわたくし。錦糸町からの帰り道もヴァル・キルマーのお顔を反芻しながらニヤニヤしておりました。途中鍵が落ちていたので拾って交番届けたりしたんだけど、その時も交番内でヴァル・キルマー思い出してニヤついてしまったよ、名前書いてるだけだというのに。変質者か。
そして寝ても覚めても、ヴァル・キルマーのことばかり考えているんだ私は。今に至るまでだ。むしろ今もだ。さっき会議だったんだけど、ヴァル・キルマーのことを考えてるうちに勝手に終わってたわ。
脳内壁紙がすでにヴァル・キルマー。
もはや、恋?
つうかこの日記内で何度書いたんだ「ヴァル・キルマー」という単語。ああ、もうダメだ。業界一性格が悪いとかいう噂だがそんなことはどうでもいい。厭わない。かまわない。抱 い て く れ

映画自体もラジー賞総ナメらしいけども、「西洋版大河ドラマ」「西洋版渡る世間は鬼ばかり」だと思えばそんなに糞ミソに思うこともないですよ。
てか「ネバーランド」なんておもしろくもなんともなさそうなお涙頂戴映画がノミネートされるようなアカデミー賞がもうすでに権威でもなんでもないのだから、こういう映画を見てもいいと思うんだがな。
私の場合はヴァル・キルマーを鑑賞するための映画なので。
それが94%だが、あとの5%は「久々に古代史読み返そうと思う」きっかけになったってことかしら。あ、昨日せっかくサンシャインに行ったんだから古代オリエント博物館行ってくりゃよかったな。今度行ってくるか。
あとの1%はジョナサン・リース・マイヤーズは顔がでかいという発見かと。





しかし、こんだけヴァル・キルマー萌えを連発しておきながら
パンフレットを買い忘れた。
誰か、今度見に行く人、お金払うんでパンフレット買ってきてください。
切実です。






それか、「パンフレット買いに行きたいので」を口実に、また見に行ってしまおうか・・・ヴァル・キルマーを・・・
ああ、なんかしらんが罪悪感・・・
(主に、爆発的におもしろい映画ってわけでもないのに、ヴァル・キルマーのためだけにこうやっていろいろ取り繕っていることに対しての)

2005年02月10日(木)

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