股・戯れ言
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水沢アキの陣、いや、水沢冬の陣〜東北蹂躙ツアーその2

正月は直前まで仕事だなんだと言われていたのに、結局仕事ないらしい。なんだよ、早く言えよ。予定立てることもできなかったじゃないか。
ということは、久々に家でゴロ寝三昧なのか。やっと休息できるのか、と思ったんですが、なんとなく「出張じゃない旅」に出たくなったので、3日間くらい湯治場に逃げようかと思っております。
湯治場というか、青森に行きたいんだよなぁ俺。北国は寒いが、その分情緒も溢れているしな。寒い中日本酒とか呑みたいじゃないか。
つうか今年の出張三昧の中で唯一行かなかった東北が青森なのです。思いは募るばかり・・・正月くらい青森で贅沢してもバチは当たらないだろうよ。
それか岐阜の山奥に行きたいなぁ。
それか地方競馬場に行きたいなぁ。(←もはや贅沢でもなんでもない)

というわけで、地方競馬場のある町、水沢に行った話をば。

12/19(続き)
スーパーひたちの最終特急で仙台へ。
このあたりは交通の便が悪いせいか、それとも日曜の夕方だったせいか、とにかく車内は満員。かとうじて座席獲得。
もうあたりは真っ暗であったため、景色を楽しむこともなく寝ているうちに仙台に到着。ここから東北新幹線に乗り換えて水沢江刺に向かうはずだったんだが、乗り継ぎまでに1時間あったので途中下車して「楽天の町」っぷりを楽しむ。いや、なんか町全体は「仙台にようこそ!楽天」と賑わっているのに、町行く人々は誰もそうは思っちゃいない顔しているのが面白い。当たり前なんだが。
私にとっての仙台の楽しみといえば、阿部かまという蒲鉾屋が出している世界一横文字感ゼロなファーストフード「ひょうたん揚げ」(アメリカンドッグの衣の中にかまぼこが入っている代物)を食べることなんだが、阿部かま路面店まで足を伸ばす時間はなかったので泣く泣く断念。
いや、どうせ次の日、水沢から帰ってくるときに仙台で途中下車して食えばいいんだわ、と思っていたのだった。
そんなわけで牛タンも明日でいーやと高をくくって水沢へ。飯は「一念ホッキ弁当」というホッキ貝の駅弁。名前はふざけているが(でも「股・戯れ言」でもタイトルに使いそうなレベルのダジャレだわ)ホッキ貝とホッキ飯があまりにも香ばしくてテンションが上がる。
ほどなくして水沢江刺到着。
着いたのが10時過ぎだったことも相まってか、あまりの閑散ぶりにどうしていいものやらと途方に暮れる。
いや、大沢誉志幸ばりに途方に暮れている場合ではない。この日は水沢まで辿り着けないんではないかと思って宿を取っていなかったのである。
駅に着けば「ホテル案内」なんかがあると思っていたんだが甘かった。なんもねぇ。かろうじて存在するのは「炎立つ」の出演者手形だけという具合。つーかそんな大河ドラマすっかり忘れていたわ。奥州藤原家が主人公だったのか、そりゃ地味なわけだ。あと、こっそりと来年の大河「義経」のことも貼ってあったな。来年の義経はタッキーですが、炎立つの義経は野村宏伸ですよ。「せんぱぁい」なんて言う義経・・・「源平びんびん物語」だそれじゃ。
というわけで、タウンページかっさらって電話をかけて3件目でなんとか宿確保。仙台の友人が「水沢ならどこ電話しても泊まれるだろーね」と言っていたが結局2件は断られてしまった。まあ、時間も時間だったからやむなしか。
タクシーで水沢市街地へ。
途中、北上川を渡り、川沿いにある水沢競馬場前を通り過ぎる。土日は開催していたが月曜は開催していないらしい。惜しいなー月曜開催していたら寄ったんだけどなー。来年は地方の競馬場をめぐる旅がしたいものである。財政赤字で地方競馬がどんどん廃止されていくならばなおさらだ。とりわけどうしても見たいのがばんえい競馬。
馬がでかくてずんぐりむっくりでおもしろそうだ。
その日はホテルについてそのまま就寝。しようとしたんだが、ダニがいて寝られやしねぇ。PC広げて小説もどきのものを打っていたが気がついたら麻雀ゲームに興じていた。
仙台で買ったセレクターのCDがとんでもなくよかった(当初、「ヤツザキはあんま好きじゃないかも」と言われていたんだが、まったくもって好みでございましたよ)ので、それを聴いたまま寝ようとしたが、今度は金縛りのようなものにまた見舞われたのでハッとして起きてしまう。
金縛りってやつは(冬のリビエラ調)仰向けで寝ているときになるので、うつぶせで寝ていたその時は油断をしていた。仰向けなところをひっくり返されそうになるという変形金縛りだったし。
しょうがないのでテレビをつけたら、サンダーバードが一挙再放送をしていて、つい一話見てしまったらそれから止まらなくなった。昔も見たことがあった「大ワニの襲撃」はホントにおもしろいなぁ。

翌朝、目を覚まして外を見るとホテルの裏は巨大な墓地であった。
そりゃ変形金縛りにもあうわ。
まあ、当方、霊感ゼロではございますが。
まあ、今日は作業が1時間くらいで終わるだろうから水沢で牛でも食ってこよう。前沢牛のほうがはるかに有名だが、「パイオニア牧場」とかいうところで格安ステーキが食えるらしいしな。そんで食ったら仙台に行くぜ。仙台でひょうたん揚げ食って東京戻って、夜は飲み会だ。大丈夫か俺。体力持つのか。

などと思いつつ、さあ、それでは作業に行きますかの、とホテルを出ようとしたその時。
電話がかかってきたのだった。
上司からだ。
「あ、もしもしーおまえ今水沢だろー?これから作業?」
なぜか底抜けに明るい。イエス、高須クリニックばりにこちらも答えたら

「その作業、1時間で終えて山形に行ってくれい!じゃ!」

さわやかなそよ風のよう軽やかに、ずっしりと重いお言葉が!

仙台への夢は見事に絶たれた。
夜、東京に戻って飲み会の予定も丸つぶれ。
岩手と山形。同じ東北カテゴリーでありながらこいつは厄介な移動である。
どれくらい厄介であるかと言うと、いわきから水沢に移動したのと同じくらい無駄に長い移動なのだ。直通ゼロ。地図上では近くは見えるが、移動時間は4時間弱・・・出費だって当初予定の倍額ドン・・・
またまた僕は途方に暮れる。
いや、忙しいぜ、とても。こうしちゃいられねぇ、とばかりにとりあえず本日の水沢作業場所に赴き、ミッション通り1時間で作業を終わらせようと頑張った。予想外なことに東京からお客さんが着ていたのでびびったが。(顔見知りで、しかも仕事に厳しいやり手の方だっただけに!←手を抜いて早く終わらせようと考えていた)
そんなことはものともせずに、さ、コレさえ終わればフィニッシュ!発射!という段階まで辿り着いたところで頓挫。ぐへ。なんでだよ!
慌てていろいろ試したが原因不明。SE(徹夜で全然寝てないのでイライラしてた)に電話をかけまくってさっさとここから解放してくれ!と頼む。
なぜならば、仙台への夢は絶たれたが、水沢「パイオニア牧場」(パイオニア戦士とOK牧場を彷彿とさせるネーミングだ)でステーキを食らう夢は捨てていなかったのである。牛くらい食ってもいいじゃないか。
しかし、寝不足のSEも逆ギレ気味に「わかんねえんだよ!そんなもの!」と吐き捨ててくる。「そんなこと言われても!お客さんもタイムリミットがあるんですよ!」と負けずに切り返す。ややウソ。私のタイムリミットだっつうの。
結局、全然違う業者の手違いという結果で、その手違いを撤回するまでは待機だという。待機時間は早くて1時間、遅くて3,4時間・・・また電話だ。今度は山形でのミッションのほうの営業で「まだ終わってないんですかぁ!?早く移動してもらわないと間に合わないですよ!」などと急かしてきやがる。
おーまーえーなー
おまえの手配ミスでたまたま東北に居た私が山形行く事になったんだろうがゴルァ。
そうなのだ、本来は別の作業員を3日前に行かせなければならなかったところをこの営業が手配忘れてて、すっぽかしをしてしまったのである。そりゃお客もカンカンだわ。

などといろいろうちの会社内で揉めているうちに、昼になったのでお客さんが「昼飯でもいきませんか」と言ってくださったのでついていくことにする。
この時点でパイオニア戦志、間違えた、パイオニア牧場の夢も絶たれる。
でも、もしかしたら牛のうまいところに連れてってくれるかもしれんしな、と淡い期待を寄せながらお客さんが連れていってくれたところは・・・
和風ファミリーレストラン・・・!
なにが悲しゅうて水沢まで来てファミレス・・・!
しかも、ファミレスとは行ってるが、単なる定食屋なのだった。とほほ。
「いやぁ、水沢の名物はりんごですから、飯はどこもおいしくないですよ!わっはっは!」と言われてもなんの救いにもなりやしねぇ。
まあ、せめて何か旨いものを・・・と思って「かき鍋うどん」を食う。寒いのでおいしく感じられた。でも水沢と牡蠣に関連性は何もない。

昼から戻って1時間半でなんとか作業終了。
SEと営業に急かされてこれまた水沢駅に急ぐ。今度は新幹線ではなく在来線なのだ。急いだおかげで15分前に到着したが、駅前は夜と変わらず閑散としているので「栗入り大判焼き」だけ購入しておわり。栗とあんこは何処に行っても旨いのね。抹茶と牛乳くらい黄金コンビだ。


そして在来線、新幹線乗り継ぎでとりあえず仙台へ。
仙台ではもしかしたら乗り継ぎに30分くらいかかってあわよくばひょうたん揚げにありつけるかも、と思っていたんだが、乗り継ぎ時間は非情にも5分弱であった。
まあ、乗り継ぎに1時間あっても断念せざるをえない距離なのに、なにがなんでもと思うと距離などは度外視になるらしい。

仙山線は通学の方も非常に多い線のようで、学生でごったがえしていたが、山奥のへんなところで止まったりしてビックリした。そして電車内だっつうのに容赦なく電話をかけてくる営業がうざい。バカ。死ね。

あ、仙台で金下ろし忘れた、と気づいたのはその仙山線内のことだった。


山形編に続く
2004年12月27日(月)

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