もう、ぎたぽ。〜永遠の童貞ファイティングミュージック |
一ヶ月のうち一体俺は何日家で寝ているのだ!
と、深夜の繁華街の片隅で叫びたくなる今日この頃。今日も出張しています。もちろん丑三つ時に作業です。しかも今週は土日も仕事なんだってさ、ハッ。 先週末はかろうじて週末仕事は避けることができたものの、金曜の夜と朝のあいだに起こった酔っ払いスパーキングとか(久々に泥酔の翌日に自己嫌悪)、月曜朝7時から仕事だというのに前日3時まで飲んでしまうというアクシデントとかでなんだか全然休めてないような気がします。
まあ、酒を飲まなければいいだけの話なんですが。
ちなみに日曜の夜は「あしたのために!」と頭の中で呪文を唱えながら、酒を飲まないように努力してたんですよ私なりに。グァバジュースとか飲んだりして早く帰ろうとしてたんですよ。 それが夜中の3時帰宅・・・気がつけば、アラ、まあ、ちんぽの毛がもじゃもじゃ生える時間という体たらく。まあしょうがねえ。私のルーツの一部が目の前に降臨したんじゃな。 でも翌日は奇跡的に自力で5時40分起床に成功したので、作業には差し支えませんでした。午前中で終わる作業と聞いていたのに終わったのは夕方5時過ぎという過酷労働でしたが。 そんな労働ブリでヘトヘトだったのでさっさと家に帰ろうと思ったのだが、日曜日に仕事を入れられて頭にきたので反動でマシュー・スイートとヴェルヴェット・クラッシュのライブに行くことにする。もう俺の、踏んだり蹴ったりですさみまくった心に効く特効薬はギタポしかないのだ、と。 といっても会社を出たのが7時だったので、最初の30分は断念せざるを得ない・・・VCとマシューだったら、おそらくVCのほうがトリなのだろう、どうせマシューが前半なのだろうと踏んでいたのだが、思ったとおりにマシューが前半にライブをやっていた。ガックシ。着いた直後にはもう「シック・オブ・マイセルフ」やっちゃってるし。 そしてVCの方々が出てきてVCライブ開始。と思ったらマシューもステージに残留しギターを弾いているではないか。 つーかクアトロ名物の柱が邪魔してよく見えなかったが、VCの人たちも最初から一緒に出ていたのか?曲もマシューの曲ありーのVCの曲ありーのでめくるめくギターポップの楽園ステージとなっていた。ああ、この勢いでティーネイジファンクラブやレモンヘッズも一緒に出てくるのではないか、と錯覚するほど。(ギターポップジャンボリーみたいなのはいつか絶対開催するべき!)
今でこそギタポ大好きというのは公言しているわけだが、10年位前の私はギタポは好きではなかった。正確に言うと好きではない、ということにしていた。 甘いメロディにとろけるような声、恥ずかしげもない歌詞。そういうのがかっこ悪いと思っていたのだ。当時私はバーンを読んでいたし、脳みその足りないガキにありがちな「過激こそかっこいい」という思い込みがあった。まあ、その通り実際にスレイヤーやナパームデスはかっこよかったし、ノイズや早いビートのものは刺激的だったわけだが、その一方でビートUKやソニーミュージックTVやサウンドジャンプ(千葉テレビで昼間ずっと音楽ビデオを流しっぱなしにしていた番組)で流れるティーネイジファンクラブなどはこっそりと愛聴していた。 しかし、当時のロッキンオンでパンテラのヴィニーが「オルタナってジャンルはおかしいぜ、俺たちはレモンヘッズみてぇな女々しい音楽と一緒にされてたまるかってんだオイ」というようなことを言っていて、あうう、女々しい音楽だよなやっぱ、好きだけどさ、と思ったりしていたのだった。 今考えれば激しくどうでもいい意地だった。だってその甘いメロディやとろけるような声はその当時からすでに「聴いていて気持ちいい」ということをわかっていたのだから。馬鹿である。 あと「ベイビー、君のことが好きで好きでたまらないのさ」的な世界観を生きたことがなかったから心底おぼれられなかったのかもしれない。当時はバリバリの処女でしたから。なんのコンプレックスだったんだか。 そうやって振り返るとその当時はカッコイイと思ってた行為がすべてかっこ悪く思えてくる。まあ、概して10代なんてのはかっこ悪くてイタイことしかしないものなんだが。カッコイイ10代なんて見たことねぇよ。まさに10代は不毛の時代。ピートはいいこと言った。
だからギタポというのは私にとってはナヨナヨとした音楽ではなく、全裸で堂々と街を歩き回ってるようなかっこいい音楽なのである。あ、音楽がじゃなくてギタポ好きを公言している人が、か。音楽自体も「こんなことでウジウジして切ないんです」ということを告白しているのだから潔い音楽だ。 もちろん童貞臭プンプンであることには変わりはない。ちんぽだって皮に包まれていることだろう。それでもギタポは全裸で「君にモテたくてたまらない」と叫ぶのだ。
そしてこの夜に出ていたマシュースイートとベルベットクラッシュはデブとハゲとチビというモテから程遠いところにいる御姿の方々だったわけである。それでも「キミガスキダヨライフ」なんてことを言うわけだ。 その姿勢は清清しい。潔い。かっこいい。神々しくすらある。 10代のうちからギタポに姿勢を学んだ、なんて言うのはやっぱりそのくらいの年齢だったらいろいろと抵抗があるのかもしれないが、「この空見つめて自分を感じたい」とか想像力欠如も甚だしいがんばれパンクなんか聴かないでいいよ。底が浅いセックスなんかに憧れるな。ブログなんかに「こんな情報ゲットしましたー」なんてひけらかしてる場合じゃねえよ。 声に出して叫ぶんだ。一緒に歌うんだ。 自分の立ち位置とか今を認識すれば自ずと道は開けてくるもんである。ちんこまんこのことをいっぱい考えて夜も眠れないのを美しいメロディに乗せて歌ったっていいじゃないか。 この夜の客層はエバーグリーン童貞風外見の人が多かったけれど、彼らが一緒に合唱する「ガールフレンド」などは、パンク会場で見かけるパンクかぶれ小僧が突き上げる拳なんかよりずっと熱かった。殴られたら痛いよ、きっと。喧嘩は負けるだろうけど。
と、ここまで書いて思ったけれど、私はものすごく童貞臭のする女だな。 たまたま女に生まれたことがよかったのか悪かったのか。 まあ女なんだからせめてワキゲでも剃ることにしよう。肺胞肺胞。
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2004年08月25日(水)
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