股・戯れ言
BBS

一生ギター轟音、一生ニューウェーブ

唐突ですが、ライブ日記だけ別のとこにまとめてみました。まだ移しきれてないんだけど。

http://www.mypress.jp/v2_writers/yatsulive/

タイトルはわやさんに感謝!
「続・戯れ言」時代の日記はログが消失してしまったため、どんなライブ行ったのかもちょっと思い出せないというもどかしさ。そして、改めて見て思ったけど節操ねーなー、アーティストのチョイスぶりが。

というわけで日曜はWIREを見に渋谷クアトロへ。
実は土曜日の夜にU.N.K.L.Eとイアン・ブラウンがライブをやるというので、そっちに行こうか迷っていたのだが、土曜日は無性に甘いものが食べたくなって不二家でホットケーキを食ったり、古着を買ったりして満足して帰宅し、夜中に新日をダラダラ見ているときに「あ、そういや今日はイアン・ブラウンの日だった!」と思い出してジタバタ。なんとも言えぬ敗北感に苛まれたのだった。
そんな感じで迷っていたので(あんなに日記や掲示板に「行く!」と書いておきながらこの体たらく)、チケットも当日券を買おうと思っていたら安田理央さんに前売りを譲っていただくことに。神!

会場に入るも、あまりの客の少なさにビックリ。ワイヤーってそんなに知名度低いのか?前にも書いたが、私の学生時代にはワイヤーの曲をパクってそのまま発表しちゃったようなバンドが2つもいたくらいだから結構それで話題になったと思っていたんだけどな。ましてや今や空前のニューウエーブブームだというのに。(って思ってるけど、ニューウエーブ特集コーナーみたいなのはタワーレコードですら作っていなかったりするからなー私が見たのはタワレコ川崎店だけだけど)
などと勝手に心配していたのだが、始まる頃にはいちおうフロアは埋まったのであった。外人が多い。
最初はモストから山本精一がいないだけ、というメンツのBig Picture。エレクトロニカなのにノイズでシューゲイザー。下を向いてギターを掻き鳴らし、轟音を鳴らすバンドがどうしてもいとおしい。昼間にギャラクシー500を聴いたりしていたのでなおさらだった。
しかし2週連続でPhewって。どちらも素晴らしかったけど。最後はモストの曲で〆てくれるあたりがまた心憎いですよ。
そしてメルトバナナ。なつかしーなーCMJマガジンとかでよくお目にかかったものだ。メルトバナナってハードコアだったイメージが全く無かったのだが、ハードコアっていうかグラインドコアっていうかとにかくテンポが物凄く速くなってるうえに音がズシズシ重くなっていて、こんなんだったっけ?と思いつつも私としてはいい塩梅になっていたので顔が緩む。
それでいてあの軽快にポップで高音なボーカルだから、全体的にファニーなものになっているのがいい。あっけらかんとしているハードコアは楽しいなー。

そしてワイヤー登場。
なんだかノイジーなSEが続くなと思っていたらそのままワイヤーのライブがスタート。といっても誰も出てこない。暫くして懐中電灯を持ったコリン・ニューマン登場。懐中電灯を振り回しながら歌い出し、「おー本物だよ!」と一気にテンションが上がる。
しかしステージ上に現れたワイヤーの皆さんは、全員見事に「おじいさん」だったなぁ。テレヴィジョンも真っ青のおじいさんぶり。
けども、あんなにアグレッシブな50代はいないよ!コリン・ニューマンなんかずっと跳ねっぱなし、ギターをガーッと掻き鳴らしぱなしだったのだから。ギルバート兄弟のギターのほうの人なんか一度も客席を振り向かずにギター轟音ガーッだったから。見事に白髪のパンクスだった。
次から次へと新譜中心の曲が続く。MC一切無し。潔い。
こないだの日記でモストのことを「四十過ぎた人たちが140キロ以上の剛速球を投げている感じがカッコイイ。村田兆治だよあんたら全員。」と書いたが、ワイヤーのほうがモア・村田兆治だった。モア剛速球だった。
かつて渋谷陽一と松村雄策が「40すぎてからのロック」という本を出していたけど、21世紀は「40すぎてからのパンク/NW」だね。

あっという間にステージ終了。「え!もう終わりなの?」と思ったが全然物足りなくない。しかしアンコールの拍手に乗っておっさんたちカムバック。さっきはMC一切無かったのに、コリン・ニューマンは「サンキュー」と言ったのだった。笑顔がキュートなのだった。
そしてそこからは初期の曲大会。いきなり「ストレンジ」が流れて狂乱。
しかもアンコールは2回行われ、1回目か2回目のアンコールには「ロウダウン」で合唱とコールアンドレスポンス(と言ってもいいのかわからないが)が起こったほど。
アンコールは3回起こってもおかしくないほど、拍手の鳴り止まない渋谷クアトロであった。なかなか客電もつかなかったし。
トータルで1時間弱くらいだったと思われるが、その会場にいた総ての人間が大満足できたライブだったと思う。
そして、ニューウエーブというのはもう立派に「ブルース」や「ジャズ」なんかに並ぶジャンルですよ。一生ニューウエーブ、ニューウエーブ一筋。ものすごく不器用な気もするけど。
かっこいいなぁ。

エンケンのライブに行くたびに感じる、「瞬間瞬間その場その場を完全燃焼している先人を目の当たりにして、全身全霊でその場を懸命に生きてない自分が奮い立たされる」という感覚をワイヤーでも感じてしまった。50代がこんなに熱いのにどーする自分。
若いって肉体的なことじゃないんだよな、肉体の若さに甘えている場合じゃないんだよな。
ああ、何か「これだけは!」というものが心底欲しい。
何かをしたいために死んだようなふりをする時期は、もういいや。

ライブが終わった後も奇声を上げている人がいるのでどこの外人だよ、と思って見たら中原昌也(ユニオンの袋を下げていた)だった。納得。

その後オオツボさんと安田さんと軽く飲み。
NW現役世代の人の話を聞くのは本当に楽しいなー。
そういう人の話を聴く機会に恵まれている自分は幸せなんだと思う。


余談だが、コリン・ニューマンと同じペースでぴょんぴょん跳ねていたら異常に胸が痛くなった。生理中は胸が張ってなにかと大変だ。
2004年03月02日(火)

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