股・戯れ言
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わたしのなかのフニャモラーという名の悪魔

年に一度の恒例、「同期のダメ人間T駄くんとライブに行く会」(今命名)の季節がやってきました。年に一度の恒例っていうか去年と今年しかまだ行ってないんだが。
去年は俺たち90年代の申し子(懐かし用語で言うところのフニャモラー)のカリスマ、Jマスシスだったんだけど今年は俺たちギターポップ大好きっ子のカリスマ、ユージン・ケリーのライブでございました。若干嘘。正確には「ユージン・ケリーが前座で出演するベル&セバスチャンのライブ」だったんでした。
ま、ギタポ大好きっ子を名乗っておきながらベルセバは正直聴いたことなかったんだがな!ああ私ってばほんと98年までのオンナ。ジャケがどれもスミスっぽいな、くらいの印象しか。
というわけでT駄くんからはるばる社内便で送られてきたCD-R2枚で予習をしてみました。2枚目はベルセバのあとにあややが入ったりしてたみたいだがあややなどは聴いておりません。

さて。肝心のライブ。
ユージン・ケリーはアコギ一本で登場。
ニール・ヤングかと思うような風貌だった。(そういえば、去年見たJマスシスもニール・ヤングのような風貌だった。そろそろニール・ヤングをちゃんと聴くべきか)先ごろ出たソロアルバムのフォーキーで牧歌的な感じそのまんま。アルバムで聴くとやや退屈だったんだが、赤いライトに照らされて歌う姿はメランコリックで心の奥がジーンとなる。
最後の2曲でヴァセリンズ時代の曲(サン・オブ・ア・ガンとモリーズ・リップス)も披露。アコギ一本だとこれらの曲はなんだか余計に懐かしくていとおしく感じられた。
しかし、ユージン・ケリーの今回の来日紹介や新譜紹介の欄に必ず「あのカート・コバーンが愛したヴァセリンズの〜」という一文が挟まれているのはちょっと違和感。ユージン・ケリーを知ったきっかけがカート・コバーンってわけではなかったからなーグラスゴーギター紳士同盟とかグラスゴー仲良しクラブの偉人じゃないですか。
つーか最近立ち読みしたロキノンにも誰かが書いていたけれどユージニアスの過小評価されっぷりはどうなってるんだよ全く。

その後ベルセバ。
予習していたときも思ったんだが、ビーチボーイズやバカラックやロジャーニコルスなんかを彷彿とさせるポップスの魅力が満載な楽曲が次々に出る出る。
ビーチボーイズのペットサウンズみてーだなーと思ってたらベンチャーズばりのサーフロックな曲が始まったりして愉快な気分になった。
60年代の「古きよき時代の」(キムタコが今流行らせようとしている言葉なので使うのがちょっといやだが)ポップミュージックの正統な後継者だと思った。永遠のエバーグリーンミュージック。トップ・オブ・ポップスという言葉が頭に浮んだけど、あれはテレビ番組名か。
グラスゴーのギターポップ同盟には括れない音楽性の幅広さに頭が下がりました。スコットランドのトラッドさも感じさせるし、ボサノヴァもやるし、トレヴァーホーンプロデュースのおかげでかエレポップ(?)っぽいのもやってたし。お客さんをステージにボンボン上げたり、ヘンなダンスを踊ったりするのも微笑ましい。「OKボクジョー」と言ったり「ゲッツ」をやったりしちゃうのも含めて。しかし誰が教えるんだああいうのは。
グラスゴーというところには行った事が当然ないわけだが、日本と違って善い助け合い精神に溢れている「ムラ」のようなところなんじゃないかと思った。日本の「ムラ」社会は助け合いがあまりない、それどころか出過ぎた杭は叩かれるばかりだし。これでもかというほど排他的。ベルセバは、全員がきわめて自然にいろんなパートを掛け持ちしていて、そんでもって60年代から脈々と続く善いポップスをこれでもかというほど取り込んでいてみんなあんなに楽しそうなんて羨ましいくらいだ。
ジョニー・マーのようなギターサウンドがずっと刻まれていたのもよかったです。調べてみたら「Reel Around The Fountain」を何度かカヴァーしているそうで。見てたら失禁していたことだろう。はまりすぎ。

聴きたい音楽がたくさんあって、読みたい本がたくさんあるのだから私はまだまだなんとかやってけそうだ、と思った。

帰りにT駄くんとギタポ最高話などをしていたんだが、「でもシノはもっとアンダーグラウンドだよなぁ」と言われて、改めて言われるとアングラと言う言葉はとても激☆照な言葉だ。ほんとは☆なんか入れる余裕がないくらい言われてちょっと沈む言葉なわけだが。
ギタポ好きだってば。スローイングミュージス新譜買うってば。エコバニも買い換えちゃうから。(ギタポ?)



でもフロントに立っていた男性2人がベルって人とセバスチャンって人だと思っていたことはここだけの秘密だ。

2004年01月28日(水)

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