トルストイどーんと暗い |
リアル版「ボーイズ・ドント・クライ」
>先輩をボコボコ…男装少女らを傷害で逮捕 > > 男装少女らが専門学校生らをボコボコにして御用−。 >警視庁少年事件課などは21日、傷害の疑いで東京都目黒区の >アルバイト少年(19)ら6人を逮捕した。 >犯行グループのうち1人は少女(17)だが、この少女はスポーツ刈りに >して男装しており、グループ内でも「女だとは分からなかった」と >話す少年もいた。 > >(中略) > >少女は小さいころから少年風の格好をしていたといい、 >仲間から外国人風のあだ名で呼ばれていた。
外国人風あだ名が「ブランドン」だったらほんとに「ボーイズ・ドント・クライ」な世界だと思うことしきり。ただしブランドンの由来はビバリーヒルズ高校白書であって欲しい。(青春白書にあらず) あーボーイズ・ドント・クライもう一度見たいなー。 しかし、スポーツ刈りの女といえば森三中の大島も少なからずそうなんだけど(今はちょっと違うかも?)そんな感じなのかな。男装の少女だというだけで美少女をつい想像してしまいがちだが、実際のおなべなんかは長与千種みたいなのばっかりだからな。
そういえばなんと、この2003年のご時世にトルストイの「復活」が映画としてカムバックするそうで、どんだけ興行的にコケるのかいらん心配をしてしまったのだった。 見に行くやついるのかよ! 「戦争と平和」でもないトルストイなんかを! と毒づいてみたものの、「復活」はかなり感銘を受けた小説なんだよなー 大学4年のとき。1,2年をいい加減に過ごしたツケが見事に回ってきて私の取得しなきゃイカンかった残り単位数は34でした。 まわりの就職活動してる人たちは皆残り単位数0〜2とかだったのに。17倍ドン。 何一つとして落とせない履修授業。そんな中、「これは最後にテストだけ受ければ単位とれるらしいよ!」という耳よりな情報があり、履修したのが文学の授業で、友達の話通り最後の授業だけ受けリャいーやと余裕をこいていたらテスト内容を見事に聞き逃したのだった。悲惨。しかも知らないうちに出席まで採っていやがった。 こーれーはイカン、となんとか単位を貰うために無理矢理レポートを書き、先生に読んでもらうという作戦に切り替え、レポートを完成させるだけのために読んだのがこの「復活」だったわけです。(その授業で「復活」を取り上げているということだけはなんとか判明した) いやー長いのなんの。新潮文庫の厚めの単行本2冊。最初はネフリュードフ、なーにが誘惑だバーカ、ちゃんと手篭めにしたって書けよ!などと思いながら片手間で読んでいたんだけど、途中から読み方が変わってきたほど。話の導入部の恋物語部分が鬱陶しくなるくらい、ロシア社会の矛盾点とかネフリュードフ自身の葛藤が盛り沢山になる上巻終わり〜下巻が最高に面白い。 で、どんなに突き止めてもすっごく惜しいところですれ違っちゃったり思い通りにならなかったり救いようがなかったりするところもリアルというか現実的で読み応えがあったんだった。もう結構前に読んだので細部までは忘れてしまったが。 内容よりも、全体(っつうか途中から最後まで)を支配する熱気というかグルーヴというかが尋常ではないんだよなこの小説。トルストイの闘魂(どんなんだよ)注入っつうか。これがきっかけでロシア正教破門になり、ひいてはロシア革命にまで影響大というのだから見上げたもんですよ。ほんとに。
私はキリスト教系の大学に行っていたにも関わらず、なんの知識も恩恵も預からずに大学を卒業しちまうところだったがトルストイの「復活」をおー!おー!と思いながら読むことができただけでもちょっとよかったなと思ってるほど。 これをしっかり読んだおかげで他の授業のレポートもテストもすらすらと書けたから余計にありがたい。
そんな作品なのに!途中から恋愛感情どうでもよくなっちゃう(本人はわかってない)ネフリュードフが痛快なくらいなのに! 映画の 「トルストイの悲恋物語」 って文句みたら、やっぱりねーと思ってしまったのだった。 しかもカチューシャ!こんなヒラヒラドレスの娘じゃないよ、こいつは。赤いずきんとか被ってなきゃ嫌だ。そしてこんな明るい色彩の「復活」なんてありえん。 私の中では青銅色なんだけど。根拠は特にないが。
あ、そういえばこの単位もらうのに必死だったエピソードって日記に書いたことあったな、確か。本宮ひろ志meets立川談志みたいな先生に取り入ろうとしたときの話。 これ あ、前編で終わってた。しっかり「以下次回日記に続く」とか書いてあるし。
|
2003年10月22日(水)
|
|