正義・友情・努力・デタラメ・アゲインスト・ザ・ババァ |
土曜の深夜も深夜、というより早朝にやっていた「週刊少年『』」。 番組自体の存在は新聞のテレビ欄で知っていたのだが、いかんせん時間が遅すぎるのでビデオに録画して鑑賞することにした。 もともとはBSフジでやってる番組だそうでそのBSフジで今まで放送されたもののダイジェスト版だったのだが、荒木飛呂彦、車田正美、宮下あきら、福本伸行(名前書いただけで彼らの絵柄や擬音効果音が飛び出してきそうだ)という錚々たるメンツにインタビューを挑むのは「二時間ドラマのプリンス」船越英一郎というのが一番ワラタ。 しかも船越、その漫画家の漫画に熟知してるばかりか、車田正美が初めて買ったとかいう古すぎる漫画(トキワ荘の人たちよりも古い漫画)のことも知っていた。それまで船越英一郎といえば「二時間ドラマのプリンス」「橋田壽賀子ファミリー」「松居一代と一緒にワイドショー出すぎ」(コアラに匹敵する「でしゃばり女房の引き立て役」ぶり。三原じゅん子はでしゃばりじゃないかもだが、松居一代はでしゃばりの権化だろう)「船越ポリデント英二(ある意味化石)Jr.=ダイナソーJr.ってこと?」などのイメージだったわけだが、これらのイメージというのはすべて女性向けアピールだった。女性(しかも年齢層高)内有名人。船越英二の息子ってのは男性でも知ってるだろうけど、二時間ドラマ・橋田ドラマ・ワイドショーはおばさんの三大好物だから。 が、ここにきて少年漫画好きというのは、十分男性に訴えられるイメージだと思う。しかも好印象で。船越英一郎くらいの歳だと趣味は「ゴルフ」だと思っていた。実際同じくらいの歳でこれまた同じ二世俳優の佐藤耕市は趣味ゴルフだし。 でも世の中はもう大人も子供も区別がつかなくなってきているわけで、とりわけ趣味に関しては大人的な趣味(ゴルフとかジャズとか、大橋巨泉がテレビでやってそうなもの)と子供的な趣味(マンガとかゲームとかサブカルなものなど)をどの年齢の人間が持っていてもおかしくないというのが現状だ。 でも未だに「日本人の大人は電車の中でマンガ読みすぎ!アメリカ人を見習え!」とかいう風潮が強い。実際のアメリカ人て映画かテレビしか見てないだろうけど。そんな風に大人が子供的な趣味を持つことに対する風当たりはまだまだ強いわけだが、子供が大人的な趣味を持つことってのは誉められる傾向がある。えなりのゴルフ好きとか。誰も「子供は子供らしく渋谷で遊べ!」とは言わない。 で、こういう基準を決めてるのってやっぱりオバサンだと思うわけだ。ルールブックだ。電車の中でマンガ読んでるおじさんは多いしな。えなりを誉めるのもババアばっかだし。 おじさんは基本的に大人な趣味も子供な趣味も混在していても気にしないんだろう。「ゴルフのマンガを読む」ってのもよく見かける光景だ。 船越英一郎の趣味をググってみたんだが、徹子の部屋のログで 「無趣味なんですね。何か趣味を作らないといつもあせっていたんですよね。今趣味はというご質問があると家族ですと」 とか答えてたようだ。言わされてるよな。松居一代、視聴者のババアたち、黒柳徹子に。 もうおばさん三位一体の術だ。勝てねえよそんなん。 が、船越英一郎、よくマンガ番組の司会買って出た。一矢報いた。このまま頑張って欲しい。 そういえば、前に上沼恵美子(オバサン界の首領に近い女)のおしゃべりクッキングに出ていた尾見としのりがプロレス愛(昨今のプライドなどもさることながら、昭和の新日の話中心だった)を語っていたときも、上沼恵美子は適当にあしらっていたがあれもおばさんに一矢報いてた気がする。 あとは40歳くらいの俳優でゲームについて語る人が現れないかな。
さて、肝心のマンガ家インタビューなんだけど、ビデオであとから見たため荒木飛呂彦と福本伸行は後から見ることにし、とりあえず車田正美と宮下あきらを鑑賞。 車田正美はずっと得意げだったなあ。車田正美HP(いつも「あなたは、 人目のマサミスト です。」というカウンターに迎えられるのが不本意、マサミストじゃないから)で車田語録とか車田写真とかを散々見てて途方もない自信だなこの人、とは思ってたけど、実物は軽いホラも交えつつ得意げ。 「桜庭がヒクソンと闘ったときに出した技はハリケーンボルト」とか言ってた。 闘ってないっつうの。 ペンネームを「早乙女豪」か「五月雨丈治」にしようとしてたらしいよ。あんま変わらないが、車田正美(本名)と。 そして何より前川清に似ていた。キヨシストとマサミストの出会う小宇宙ってどんなんだ。 宮下あきらはもう勝新ミーツ山谷族(@場外馬券場)みたいな外見から最高すぎた。マンガを描く上で困ったことや苦労したことをすべて「あーもう覚えてないんですよ」「忘れちゃって〜」で乗り切り、前回の車田正美が「マンガで大事なことは絵じゃなくてネームを作ることなんですよ!」と力説していたにも関わらず「ネームは描きませんねぇ、もう10年くらい描いてない」とか言ってた。 そして酒を飲みすぎてドブで寝たことがあるとか、「男塾に出てくることは全部ウソ。民明書房は全部デタラメ。みんな気付いてるんじゃないですかね?『こんなことあるわけないじゃねえか』って言いながら書いてた」というカミングアウトまで。 ちょっとかわいくすら見えた、宮下あきら。酒鬼薔薇が事件起こしたとき、真っ先にバラモンの家族が悪いとか言われたが、きっと「全部ウソに決まってるじゃねえか!」って言ってたんだろう。
次回以降のラインナップがゆでたまご・高橋よしひろ・島本和彦らしい。 なんか掲示板に「このマンガ家がイイ」と書き込むと結構反映されるようなんで 是非見たいマンガ家がいれば書き込んでみるのもよいかと。CS映ればの話だが。
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2003年06月09日(月)
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