オーディオスレイブ・トゥ・グラインド |
今更気づいたのでガイシュツかもしれないが、内舘牧子の最近の三部作 週末婚:仲村トオル 昔の男:大沢たかお 年下の男:高橋克典 全員見事に一重なんだね。そうか、内舘牧子がおすもうさん好きなのはそういうことか。おすもうさんでぱっちり二重はいただけないよね。
というわけで誰にでも属性はあります。私の場合「ヒゲ」「濃すぎるほどの二重」なんですが、このヒゲ属性をはっきり自覚したのは中学のときだったです。中に記事を挟める下敷きに挟まっていた歴代の方々はメタリカのジェームス・ヘッドフィールド、モンスターマグネットのデイブ・ウインドーフ(しかしこれはマニアックな中学生すぎ、今思うと)、オールマイティのリッキー、バイオハザードの人たち、マイク・パットンなどなど。あ、アンディ・フグも忘れちゃいけない。でも圧倒的に長く下敷き殿堂入りしていたのは他でもない、サウンドガーデンのクリス・コーネルだったのでした。 もう、その頃は毎日コーネル色に染まっていましたよ。家に帰っては何度も「ソニーミュージックTV」のサウンドガーデン特集箇所を見返し、バッドモーターフィンガーやラウダーザンラブの歌詞をとにかく片っ端から訳し(訳したところでサッパリ意味不明だったが、文法しらないから)、スーパーアンノウンに至ってはソラで歌えるようになるまで必死で覚え、エレクトーンで弾いてみようとして失敗した事も。「シングルス」にちょこっとだけ出演したシーンは目に焼き付けた。ケラングもせっせと買い集めたもんである。 とりわけ「スーパーアンノウン」は「グリーンマインド」と並ぶ人生のアルバムだと断言できます。 でもその後、サウンドガーデンは発展的解散とかなんとかであーもう見られる機会はないんだろうなーと思っていた。真剣に処女を捧げたい対象だったんだけどもな、クリスコーネル。 ところが、事態は急展開してレイジからザックが脱退→後釜にクリス・コーネルという奇妙な展開に。レイジの持ち味である社会派ミクスチャーロック 、とりわけまくし立てるザックのラップと拮抗するリズム隊、そしてトム・モレロのキュキュキュキュと鳴るギター音の織り成す爆発的化学反応が損なわれる可能性大な状況だ。唸るような低音ボーカルから切り裂くような高音ボーカルまでを操るクリス・コーネルではあるが、それは実に「ハードロック的なボーカル」なのでクリスが入ったらそりゃもはやレイジじゃないよ、悪い噂であって欲しい、と思っていた。 悪い噂だった。が、レイジの残党とバンドをやるのはホントらしい、と聞き首を捻ること数度。それ、どんなんよ?と。それがオーディオスレイブなのです。 当初「レイジ3人にサウンドガーデン1人」の数の定理からクリス・コーネルもラップするんじゃねえか?と思ってたんだけどアルバムはバッドモーターフィンガー〜スーパーアンノウンのダウナー系サウンドガーデンな感じで最初はガッカリだった。ところが何度も聞くうちに何も多数決でレイジとして聞く必要はないんだな、これはサウンドガーデンだと思えばいいんだなと思えるようになってきた。むしろつんのめったようなリズム隊がヒップなサウンドガーデン位の見解が良かと。 そんな矢先にオーディオスレイブ来日公演。まさかクリス・コーネルを拝める日が来るなんて! ああやっぱり生クリスコーネルは素晴らしかった。ほんと、こんなにイイ男が同じ人類でいるんですよ皆さん。40近くの年齢にして筋骨隆々(非マッチョ)、黒いタンクトップの似合うイイ男がいるんですよ!! もう悟ったね、「(クリス・コーネル以外の)すべての男はチンカスである」と。そのタイトルで村上龍もビックリな本書いてやりたいくらいだね。無論女性は性器であるだよ、クリス・コーネルを前にしたら。それくらいの人ですよ、尊いお方ですよ。 それはともかくとして、アルバムでは民主主義的多数決原理が働いてなかったがライブではどうなのかな?と思ったらライブのほうが更にクリス・コーネル色が強まっていた。かといって元レイジの人たちが地味な演奏をしてるわけではない。ボーカルをザックに変えたらレイジじゃねぇのよという曲がほとんどだったし。 ザック・デラロッチャのボーカルは個性的で、強くて音に対する影響力もハンパなかった。だからこそレイジは音対ボーカルの対決の中で生まれるものすごいパワーが売りだったわけだが、ザックに比べてそんなに強くないボーカルだと思ってたクリス・コーネルのボーカルもザックと同じくらい個性的で影響力のでかい、「強い」ボーカルなんだなーと思い知らされたよ。そして音に真っ向きって向かっていき、衝突するザックのに対してクリスのは音を率いるボーカルだ。音を包み込むって感じではないんで。 まぁほんとなら反ナショナリズム運動やってるザックの歌詞のほうが思想的で、音を率いるって表現がふさわしいんだろうけども、キャリア長/手練/独自のハードロック色強しのクリスのボーカルに引っ張られてレイジの音楽がハードロックに聞こえる(ように演奏してるんだろうケド)だけのような気がするので「率いる」という表現にしてみました。 同じ雁屋哲原作のもので言うなら、レイジが「野望の王国」でオーディオスレイブは「男組」って感じですよ。池上遼一のうますぎる絵の感じが、ハードロックですでに名を馳せたクリス・コーネルに重なるわけですよ。 でもよかったです。クリス・コーネルを目で追ってて思わず泣いちゃったよ。クライングフリー作業員。
抱いてくれ!バッバッバッバッって!!!
http://www.excite.co.jp/music/search/artists?per_cod=61939
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2003年01月30日(木)
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