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2013年06月10日(月) |
稽留流産と一時的解離体験 |
術後しばらく、(病的ではないが)解離体験をした。 悲しくて辛くて号泣したと思ったら、しばらくして ふと自分が泣いている感情が理解できなくなる。
何があったかは全て記憶にある。 でも全く実感がない。 今すぐ仕事に復帰できるとすら思った。 どうでもいい話をしてへらへら笑い 少し買ってあった妊婦グッズを見て片付けなきゃと思い 10人に1,2人なんてよくある事だよねーなんて冷静で。 でもさっきまで号泣してた自分も覚えていて 「この冷静な状態が普通なわけがない」という自覚があって。 でも一部始終を思い出して泣こうとしても全く涙が出ない。
ガマンしてる、意図的に抑制してるのならまだよくて そんなつもりは毛頭ないから戸惑った。 今は思い切り泣いてちゃんと落ち込まないと後を引きずるのに 流産に関する感情だけ、どこかに行方不明になっていた。
かと思うと唐突に悲しみがざーっと胸に広がったりする。 そして来た時と同じように急にぱちんと実感が消える。
これが酷くなっていくと、解離性障害になるのかなと思う。 人格として分裂するほどではなく、感情の位相がずれるという感覚。 チャンネルの切り替えが、自分では出来ない。突然起こる。
変な例えだけど、ケーキの中でモンブランが一番好きだったとする。 今目の前のケーキの箱に「モンブラン」と書いてあって、 持ち上げてみると重みもあって、あの黄色くてうねうねしたケーキ・・・ と見た目を思い出すことも出来て、でもそれが美味しいものと認識できない。 嗅いでも香ってこない。箱を開けて舐めてみても甘いだけでよくわからない。 でも普段自分がこれを大好きなことは覚えているから変な感じ。みたいな。
これが続くとちょっと気持ち悪いなと思っていたら 案外ありふれたことで解決した。
流産の宣告から手術、その後のことまで順を追って 出来事や自分の感じたことを、夫につらつらと話していった。 最初はやはり全く実感が無いまま話し始めたのだが ひとつひとつ当時の胸の内を聞いてもらううちに、感情が伴い始めた。 最後には話をしながら、ぼろぼろと泣いて、心が軽くなっていった。
モンブランは美味しいから好き。と記憶と実感がリンクする。 目の前に置いたらいい香りがして、口に入れればクリームが溶けて幸せ。 記憶と実感の断線が直っていくような感覚だった。
その夜から、解離のような症状は治まった。 記憶に感情が伴い、冷静さは自分の意識統制下で持てるようになった。
自分の感じたことを人に話すと言うのは大事なことなんだと思った。 それも、体験を共有した、理解し寄り添おうとしてくれる夫に 話したのが良かったのだろう。
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