「縮毛矯正カット込8000円」というホットペッパーのクーポンにつられて、久々にストレートをあてにいった。 駅から10分ほど歩いた郊外にある美容室は、赤と白を基調にした内装のおしゃれな美容室で、美容師さんも若くて今風(て、おばさんぽい言い方だな)。 だったのだけど、一人あきらかにファッションの違う美容師さんがいた。 美容師さんというより、組の下っ端って感じ。(失礼) そしてその人が私の担当だった。 最初、少しびびった。 「髪の毛多いですねーー。気合入れてやります!!」 と変な勢いをつけられたが、なかなかいい人。 ただ、困ったことに語り系だった。
「お前みたいなチンピラに娘はやれん!と言われて二回も結婚が破談になったんすよ〜」 「サラリーマン時代の方が羽振りがよかったよー。なんせ今手取り15万も難しいから」 と、施術3時間の間に、彼の人生の出来事の大半を知ってしまった感じ。 いや、きっともっと引出しはあるんだろうけど、その出し惜しみのなさにただただ感心してしまった。
女性の美容師さんも 「あたし今〜、おしかけ女房してるんですう〜」 と、プライベートについて喋る喋る。 今まで行っていた美容室は、黙ってカットする人だったので、久々に美容院で感じるこの変な違和感!! まあ聞かれるのは困るけど、聞くのはいくらでも聞く。 喜んで聞かせていただく。 聞かせていただくには、こちらから質問攻めしてしまうに限る。 ただ、「彼氏さんとかあ〜いるんですかあ?」 って質問は、客全員にしているようだった。
チック症という病気をその組の下っ端風美容師さんからはじめて聞いた。 ストレスからか、子供が髪を抜く癖がついてしまって、頭がつるつるになってしまう子もいるらしい。 親は、そうなってから「なんとかしてください」と美容院に連れてくるという。 連れて行く場所自体間違えているわな。 先生に「なんとかしてください」美容師に「なんとかしてください」。 なんとかしてやるのはあんたじゃねえの? なんて、親でもない私は偉そうな口たたけないけど、教師をしている友人に話を聞くととんでもないことになっているな、といつも思う。
そして、教師になった小学校の同級生が、精神に異常をきたしてしまったらしい。 「折り紙の本を来年出すから」と触れ回っているらしい彼の姿を一度だけみたことがある。 彼は何を見ていたんだろう?
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