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2002年02月09日(土) 愛の旅立ち

「インターネットに繋がらないんですけど」
私の困惑したおすがりに返って来た言葉は

明日、伺います。

ケッ。今日も世間から隔離されるんかい
と、内心呟くも仕方無いので明日の打ち合わせを済まし

「明日の夕方に来てくれるらしいから居ってな」
と、鼻血を出し続けてる同居人にお願いする。

この同居人。
何故か仕事中から鼻血が止まらないらしく
私が仕事を終えて帰って来た時も
鼻にチリ紙を詰め込んだ状態で
枕カバーも血で汚していた。

こ、この枕カバー高かったのに。

と、私が思ったか思わなかったかは定かではナイが
とりあえず明日の事は承諾してくれた。

このまま鼻血が止まらなかったら
明日医者に行く事も約束してくれたけど
彼が仕事に向かう時には
止まってたので一安心一安心。


次の日の午前中
「今日の16時に伺いますんで」
と、携帯に連絡が入った直後

「獅子鍋屋ちんさんインタラ・ネットの修理屋さんは
何時に、私の屋敷に来るのかな^^」

彼からメールが入る。
何てタイムリーな。
オジンになると妖怪並に勘も良くなるもんかしら
と現実的な思考を巡らせながら

「四時」

丁寧にお願いのメールを返す。



さぁ、今日から人並みに暮らせるゾ。
しかも今日から三連休ぅぅぅ〜♪

仕事にも力が入るちゅうもんよ。
欠伸をかみ締めながら勤しむ午後4時

チャンチャカチャカチャカ チャンチャンチャ〜ン♪

お?この軽快な音楽はチョコボのテーマだね?
携帯が私を呼んでいるね?

「もしもし?」

「あのぅ、誰もいらっしゃらないんですが・・・」

何を云うんだコノ人は
彼は君が来るのをてぐすね引いて待ってる
ハ・ズ?
折り返し電話する。と急いで電話を切り
彼の携帯を鳴らすが出ない。
自宅電話に掛けなおすが出ない。


店をもう一軒開けるとか何とか云ってたから打ち合わせに行ったのか?

鼻血再来で病院に行ったのか?


もしかして!

まさか!?

私の脳裏に浮かび上がったのは



鼻血まみれで動かない彼

嗚呼。私のエンジェルちゃんがぁぁぁぁぁ〜


こうなると私の妄想は止まらない。

仕事なんぞしてられるか!
頸にしたきゃしやがれ!!

と、ばかりに会社を飛び出し
タクシーを掴み止め

「自宅まで急いでェェェ」


自宅に着くまでの10分間
又しても脳裏に浮かぶのは

鼻血を撒き散らしながら私の助けを求め手を差し伸べたまま
玄関先で動かなくなってる彼

布団が鼻血で染まり
まるで真紅の薔薇に埋もれているかの様な姿で
微笑みを口元に残し動かない彼




左脳で上記の様なことを考えながら
右脳で、そうなると「苦悩/心」にジャンルを変えな・・・
と、考えたか考えてないかは忘れたが
玄関を開けて部屋に飛び込んだ私は

「・・・・・・」



あまりの騒々しさに目を覚ました彼も

「・・・・・・・・・?」




私は猪突猛進型
思い込みが激しい

自分の性格をスッカリ失念しておりました。






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