猪肉入荷しました
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2002年01月08日(火) 忘却の味

季節がらでしょうか?
最近「猪」の検索で飛んでこられる方がチラホラ目に付きます。

私が小さい頃。そう、まだ瓜の縞模様も生え揃っていない位小さい頃。
盆と正月は母方の実家へ行くのが毎年の固定行事でした。

正月に行くと必ずストーブの上であぶった猪肉の塊りを
幼い姉弟の手に握らせてくれました。

その油っこい塊りで手と口の周りをギトギトにしながら薄暗い納屋へ探検に・・・
そこで純真無垢なマナコに飛び込んできた物は
「天井から吊り下げられ生血を抜かれている数匹の狸」
なんて事はナイです。
せいぜい、油ぎった手で家中をワックスかけてまわる位です。

亡き爺様は道楽もんで刈入れが終わった冬になると手に鉄砲を持ち
泣いて止める婆様の制止を「孫の為だ!」と、足蹴にして振り払い
近隣に住む人達と野山を駈けずりまわっていたんでしょう。


長い事、爺様の戦利品を口にしておりません。
もう一度、味わってみたいもの
しかし、もう二度と味わえないもの

あの頃の美味は、楽しかった記憶のスパイスが効きすぎているはず。








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