ある大学院生の日記

2005年10月29日(土) 下流社会

尊敬する後輩Sくんが最近流行りの、三浦展「下流社会」を買ったというので貸してもらおうとしたら、婚約中の有名国立K大学卒のS嬢がいかにも興味シンシンだったので順番を譲ってみたら、1日で回ってきました。さっそく読んでみたのですが、マーケティングをやってるひとだけあって、具体例の挙げ方やプロダクトマップの作り方がうまい(うらで主成分分析とかクラスタ分析とかやってんでしょうけど)ので、あっさり読んでしまいました。社会の階層化の話なのですが、(少なくとも関東圏については)インタビューが入っていたり、所得などの経済変数以外のブランドや買い物の場所といった情報が多く盛り込まれていたりして、おもしろく読むことができました。たしかに階層化の話を強調しすぎているきらいはありますが、それは本の主張ということで。しかしついついにやっとしちゃったのはこれでした。

象徴的に言えば、村上龍の『13歳のハローワーク』を読んで、そうだ、自分が本当に好きなことを見つけて、それを仕事にしようと真に受けて自分探しを始めた若者は、結果としていつまでもフリーターを続けて30歳になっても低所得に甘んじ、低階層に固定化されていく危険性が高いかもしれないということである。(第5章「自分らしさを求めるのは『下流』である?」160〜161ページ)


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