ある大学院生の日記

2003年12月23日(火) King Richard the Third

去年のこの時期に,市村正親の「クリスマスキャロル」を見に行っておもしろかったので,今年もやらないかなあと思って探していたところ,今年は「リチャード3世」をやるということで日生劇場に見に行きました.「リチャード3世」は,びっこに生まれついたグロスター公リチャードが悪の権化となって,兄であるクラレンス公ジョージや甥であるエドワード5世,あるいはヘイスティングス卿,バッキンガム公などを次々と暗殺していくという歴史劇・復讐劇なので,クリスマスとはまーったく関係ないのですが,ええとまあそれはそれということで.蜷川幸雄演出だからどうだこうだというのはぜんぜんわからないのですが,最初と最後に死んだ牛(のぬいぐるみ)などが上から次から次へと降ってくるというのはいかがなものなんでしょうか.抽象的な意味があるのかもしれませんがなにがなんだか.

いやしかし歴史劇なので,人物関係をある程度わかっていないとよくわからんのであるなあと思いました.イギリスの話だし.赤ばら白ばらとか言われても,といったところです.しかもおんなじ名前がちょいちょい登場する(リチャード3世の兄とその兄の子はエドワード(4世と5世),ヘンリー6世の息子もエドワード.エドワード4世の妃とその娘はエリザベス.リチャードといえば,主役の3世とその父親(リチャード・プランタジネット),エドワード4世の次男ヨーク公リチャード.など)ので,ときどき混乱するし,ヘンリー6世の未亡人マーガレットが出てきても,そもそもヘンリー6世とリチャード3世の血縁関係は不明だし.といったところを押さえて見ていると,市村正親の随所に見える軽い演技などもおもしろかったと思います.「芝居がかったせりふ」もおもしろいし.もっと暗い話かと思っていました.しかし,アン妃(ヘンリー6世のむすこエドワードの妃,のちリチャード3世の妻)やエリザベス(エドワード4世の未亡人)の翻心は早いんですねえ.

そのあと,東京ミレナリオが行われる仲通にいったのですが,まだ始まってませんでした.調べてから行けばよかった.


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