ある大学院生の日記

2003年09月22日(月) 白神1日目

白神山地を見て能代で日本酒を飲む旅に出かけました.ちょっと時間が足りないのと,セットにすると安いということで,全日空で羽田空港から大館能代空港に朝の便で飛びました.大館能代空港は,見た感じ,羽田行きが朝晩2便,伊丹行きが昼ごろ1便にしか使われていないようでした.その間の職員さんはとてもひまなのではないかと心配になります.まあしかし,空港の建物自体が6時半に閉まる(最終の飛行機が離陸してしまう)のだから,いい職場なのかもしれません.さて,ということでえらく朝早起きしてでかけたので1時間弱の飛行でもぐっすり寝てしまいました.大館能代空港でレンタカーを借りて,まずは藤里町の白神山地世界遺産センターにでかけました.実はあんまり白神山地の位置などを把握していなかったので,そこから巡るところを確認しました.ここらへんまではきわめて順調でした.

センターから岳岱へ向かうために,県道317号線を使ったところからが大変でした.県道317号線は,未舗装の部分が随所にあると分かっていた(青森側から釣瓶トンネルから秋田側)のですが,なんというか,思ったよりも未舗装砂利道地帯が多くてびっくりしました.がたがたがたがた車が揺れてしんどいので,とりあえず一通滝のところで車を止めて,山に入ってみることにしました.風がさわやかで,涼しくて,山に入るのは久しぶりだったのですが,こりゃええなあ,としみじみと歩きました.滝には近づけなかったし,そんなに大きなところではなかったのですが,人は誰もいなくて,落ち着いてうろうろできました.

車に戻ってふたたび未舗装の道をがたごとがたごと走り,岳岱自然観察教育林に向かいました.かなりがたごとがたごととした道だったので,よほど誰もいるまいとおもいましたが,あにはからんや,小さいバスまできていました.岳岱のブナ林は,道など整備の手がはいっているものの,自然の林が広がっていて,眼に優しい緑の広がる気持ちのいい林でした.保護のために立ち入り禁止区域が多いのですが,それもまた仕方のないところでしょう.ここには日本百巨木だかなんだかのぶなもありました.しかし紅葉もきっときれいなことでしょう.

バスが細い未舗装道を通ってきたことにびっくりしつつ,釣瓶トンネルを越えて白神ラインから暗門の滝に向かうことにしました.当初は田苗代湿原へ行こうということになっていたのですが,あまりの道の悪さに断念しました.さて,釣瓶トンネルまでの道もあいかわらず未舗装だったのですが,県境を越えたあたりから舗装道に変わりました.おおこりゃすごいや,と思っていたのですが,なんのことはなくてしばらくたつとまた未舗装道にかわってしまいました.なんなんでしょあれは.あそこらへんだけ舗装するのもたいへんだとおもうのですが.さて,無事に青森側に抜け,暗門の滝遊歩道の入り口に向かいました.ここから白神ラインをつたって日本海側の岩崎村に抜けようと思ったからです.西目屋村のビジターセンターでそばアイスなんぞ食べ,県道317号線の悪路ふりを振り返りつつ,ゆっくりしてさあでかけようとおもったところ,看板には「岩崎村まで未舗装道40キロ以上」とありました.卒倒するかと思いました.

レンタカーはそんなに小さなものではなかったのですが,かといってオフロードでもないので,がたがたとヘアピンの続く道をしみじみと走りました.たしかに周りの山並みは雄大で,ブナ林の緑も鮮やかで景色は最高に素晴らしいのですが,なぜか大型車の対向車がしばしばとやってくるので,ほこりがもうもうと立ち,結構大変でした.フラットなダート道は岩崎村に入ってからも続き,けっきょくかなり日本海に近づくまで続きました.しかしわれわれは急がなくてはなりませんでした.

黄金崎不老不死温泉の日本海に面した露天風呂に入りながら夕日の沈むのを見る,という具体的かつ崇高な目的があったからです.ドライバーをせかし,ドライバーもあせり,運転してチェックインもそこそこにあたふたとタオルを抱え,よしよし間に合うかもね,といいつつ露天風呂に行ってみると,芋の子を洗うがごとき混み具合でした.JR東日本の写真などではかなり広そうに見えるのですが,意外とそうでもないです.なので,温泉に入るのはあきらめ,しみじみと日本海に沈む夕日を眺めました.ちょっと寒かったけど,水平線に沈む夕日はしみじみとよいものでした.で,屋内の温泉に入って,ちょっと期待はずれな夕ご飯を食べ,ビールを飲んで寝ました.朝早かった上に,昼間興奮していたためでしょう.就寝時刻午後9時でした.


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